2007年1月20日土曜日

特発性間質性肺炎

呼吸器疾患にはさまざまな「治らない病気」がありますが,特発性間質性肺炎(肺線維症)もそのひとつと思います.まず「特発性」とは簡単にいうと「原因不明」ということです.「間質性肺炎」には原因のある程度特定できるもの,たとえば「薬剤性」間質性肺炎や「膠原病」に伴う間質性肺炎などと,今回のタイトルにある原因が特定できない「特発性間質性肺炎」があります.
原因が特定できた場合は原因に対する治療を行います.たとえば原因が膠原病であれば膠原病にたいする治療を行いますし,原因が薬剤であればその薬剤を中止したりします.
特発性に限らず間質性肺炎は初期には症状がはっきりしないことが多いです.このため,検診の胸部レントゲン所見で間質性陰影を指摘されて精密検査のために呼吸器内科を受診される患者さまが多いです.また進行すると,痰を伴わない咳や,歩行時などの呼吸苦などの症状が出現します.
特発性間質性肺炎は原因がはっきりしていませんが,免疫抑制剤や副腎皮質ホルモン剤(いわゆるステロイド剤)などが効果がある場合がありますが,残念ながら完全に治るというのはなかな難しいです.それどころか,ある一定の割合で急激に病状が悪化し,あらゆる治療を施しても残念ながら一週間~10日程度でなくなってしまうこともあります.また一部の薬剤は間質性肺炎を悪化させる可能性があることがわかっています.間質性肺炎を指摘されたことがある人は薬剤を使用する場合には必ず医師または薬剤師に「間質性肺炎を指摘されています」と言ってから薬剤を処方してもらってください.

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