2006年11月25日土曜日

狂犬病

最近フィリピンからの帰国者で立て続けに狂犬病の患者が2人発生し,亡くなったというショッキングなニュースがありました.狂犬病は狂犬病に感染している動物との接触により感染するため,ヒトからヒトへの感染はないとのことです.しかし,今全世界的にヒトやもの,動物などの交流が盛んであり,植物,動物,昆虫など以前なら日本に存在しなかった生物が多数日本に住み着いています.また近年,世界的に温暖化の影響で気温の上昇が続いています.こうなるとこれまで日本での発生はなく海外からの輸入感染症のみであったマラリアやデング熱などの感染症も日本国内での感染事例なども出てくるかもしれません.地球温暖化が人類の健康を脅かす時代がすぐそこまで迫っている感じがしました.

2006年11月14日火曜日

肺炎球菌ワクチン

インフルエンザがそろそろ流行を迎える季節になりましたが、この時期に是非接種しておきたいワクチンとして肺炎球菌ワクチンがあります。インフルエンザワクチンは毎年接種ですが、肺炎球菌ワクチンは日本では一生に一回というしばりがあるため注意が必要です。肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は文字どうり肺炎球菌による感染症を予防するためのワクチンです。肺炎球菌は市中肺炎の原因菌として常に第一位の座を占める非常に重要な細菌です。またひとたび肺炎を起こすと、病状によっては敗血症、急性呼吸不全となり残念ながら抗菌剤や集中治療を行っても助からない方がいらっしゃいます。当院でも毎年肺炎球菌肺炎で患者様が亡くなる例が後をたちません。また肺炎球菌肺炎はインフルエンザ罹患後に発症する場合がありこの場合は特に注意が必要です。このためさいたま赤十字病院呼吸器内科では慢性呼吸器疾患の患者様や高齢患者様にインフルエンザワクチンだけではなく肺炎球菌ワクチンの接種も推奨させていただいております。ただしほとんどの患者様は肺炎球菌ワクチン接種は保険診療ができないため自費での接種となります。この点はご注意ください。肺炎球菌ワクチンをご希望の方は、さいたま赤十字病院呼吸器内科にご相談ください。

2006年11月3日金曜日

インフルエンザ

冬の時期は呼吸器内科はとても忙しくなります。とくにインフルエンザや肺炎の患者さんが沢山呼吸器内科外来を訪れます。インフルエンザに関してはなってから対応するのではなく、やはりワクチンで予防することが大切です。インフルエンザワクチンは、WHOが毎年世界で流行するインフルエンザ株を予想し、これを元に日本国内での流行株など考慮して十分考えて作られています。「ワクチンなんてうってもきかないよ!!」ということを言うヒトもいますが、慢性呼吸器疾患を患っている患者さんは是非ワクチンを打っていただきたいと思います。インフルエンザワクチンを打っていても残念ながら100%インフルエンザを予防できるというわけではありませんが、症状や病状が軽度で済むことがわかっています。しかし、ワクチンを打つ時期については注意が必要です。10月中などあまり早い時期にワクチンを打つと流行時期が2月~3月くらいと比較的遅い場合には抗体価が下がり残念ながら有効でなくなってしまう可能性があります。一回打ちであれば11月下旬から12月中旬頃がよいのではないかと思います。できれば一回目にワクチンを打ってから約1ヶ月後に2回目のワクチンを打つことで、比較的長い間ワクチンの効果を維持できることがわかっており、可能であれば2回打ちでしっかりインフルエンザを予防することがよいと思います。