2009年12月31日木曜日

2009年終了!ありがとうございました

本日は、2009年12月31日、いわゆる「おおみそか」とか「おおつごもり」とかいう日に当たります。

2009年は、医療業界にとって「新型インフルエンザ」というとても影響力の大きな疾病の流行がありました。

さいたま赤十字病院呼吸器内科でも、「新型インフルエンザ」には様々な形で影響を及ぼされました。

ただし、「新型インフルエンザ」という呼称は2009年12月31日で終了してはいかがでしょうか?

来年=2010年には、新たな「新型インフルエンザ」が流行する可能性がゼロとは言えません。

「新新型インフルエンザ?」とか呼んでいては、混乱するだけかと思われます。

以前より、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、「パンデミックインフルエンザ2009」という呼称を提案しております。

これなら、毎年パンデミックインフルエンザが出現しても、年数を記載すればいくらでも対応可能です。

まあ、1年に2種類のことなるタイプのパンデミックインフルエンザが出現するような大変な事態には対応出来ないかもしれませんが、これまでの歴史からは、1年に2種類のパンデミックインフルエンザウイルスが出現する確立は極めて低いと言えそうですから、この「パンデミックインフルエンザ2009」という呼称を皆様で広めていただけましたら幸いです。

「パンデミックインフルエンザ2009」では長い!と言われる方は「パンフル2009」なら短いですね。

今年は、いろいろとブログ作者の「イイタイコト」をさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログで書かせていただきました。

ブログ読者の皆様も、上記の「パンデミックインフルエンザ」のような戯言にお付き合いいただきまして大変恐縮致しております。

私、本ブログ作者は、ヒトの真似事は大っキライですので、あまり他人のかかれた文章を読まないようにしております。読むと影響された「意見」ばかりが出てきてしまう気がしているからです。

自分のアタマで考えて、出てきたモノがたまたま他人と同じような考え方だったことはしばしばありますが、そういう時はそういう時でなんだか「嬉しい」感じも致します。
自分の考え方・思考過程もそれほど社会から「ズレていない」ことの証になるからです。

でも、やはり他の人々が考えもつかないことを思いつくこと・考えつくことの方が数倍嬉しいですので、今後も自分の足りない知恵を最大限使っていろいろな事柄を常に「考える」ことをしていきたいと思います。

はるか昔、「天動説」が時代の趨勢だったときに、「それでも地球は回っている」と「地動説」を唱えたガリレオ(これが真実かどうかはブログ作者は知りませんが)のように、大多数の人々が「真実」と信じていることが実は「大きな誤り」であることは医学の世界でも非常によく見かける事象です。

新しい「発見」というのは、これまでの「常識」と相反するものであることがよくあります。
自分の持っている知識・経験だけから他者の言っていることを「誤り」と判定してはいませんか?

あんな「変」なこというやつは「相手にしない」とかいう「発想」では、いつまでたっても「進歩」の無い「世界
」の広がらない「小さい」人間になってしまうのではないでしょうか?

もちろん、突拍子もないことばかりいうヒトを全て「信用」するなんてことは、難しいのですが、少なくとも「聞く耳を持つこと」はしてもいいのかと、ブログ作者は考えております。

ブログ作者が「思考」の結果導き出されれたモノを文章にして広く読者の皆様にお伝えすること。

それが、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログを書いている真の理由です。

なにも言わない、なにも書かないというのは一番ラクなのです。
もしくは、自分の周囲の人々のみに伝わる形での、発言もあまり多くの責任を伴わず卑怯かと思います。

また、他人の言っていることのみを「批判」するだけで自分の意見を言わない方々もなんだかズルイなあと思います。

自分の「意見」=「イイタイコト」を、しっかりと「公の場」=「WEB上のブログの形」で公開することが、自分の発言にしっかりと責任をもっていることの証拠ではないかと考えております。

2009年最後に、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様に「イイタイコト」を書かせていただきました。

最後になりましたが、本ブログ読者の皆様にとって、来る2010年がスバラシイ年となりますように!心から願っております。
来年も変わらぬご愛読の程よろしくお願いいたします。

                          さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者より

2009年12月30日水曜日

大正富山メディカルシンポジウムin埼玉2009のご案内

大正富山メディカルシンポジウム in 埼玉 2009 の開催案内が届きましたため、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでもご案内させていただきます。

それにしても、2010年2月開催でも、”2009”なんでしょうかね?2009年度ということなのでしょうか?

前座ですけれども、ブログ作者も10分~15分程度発表させて頂く予定です。

大正富山メディカルシンポジウム in 埼玉 2009
 β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤 ゾシン 発売1周年記念講演会

主催:大正富山医薬品株式会社

日時:平成22年2月6日土曜日 17:00~
場所:パレスホテル大宮 4階 「ローズルーム」
    さいたま市大宮区桜木町1-7-5

      プログラム
製品説明:β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤 ゾシン 大正富山医薬品(株) 学術部

開会の挨拶 獨協医科大学越谷病院 臨床検査部 教授 春木宏介先生

一般演題 座長 埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授 前崎繁文先生

1「PK/PDを考慮した抗菌薬の投与設計-主に呼吸器感染症を中心に-」
               さいたま赤十字病院 呼吸器内科 小田智三先生
2「TAZ/PIPCが著効した骨髄移植後PRSP肺炎の一例」
               防衛医科大学校病院 血液内科 渡邉純一先生
3「real-time PCR法を用いた起因病原体の同定法、肺がんと肺炎」
               埼玉医科大学国際医療センター 呼吸器内科 平間崇先生

コーヒーブレイク:症例をパネルで展示いたします。←今回の講演会の工夫されたところでしょうか?

特別講演    座長 埼玉医科大学 呼吸器内科 教授 金澤實先生

「新型インフルエンザにおける感染症危機管理」
               東北大学大学院 感染制御・検査診断分野 教授 賀来満夫先生

特別発言    防衛医科大学校 感染症・呼吸器内科 教授 川名明彦先生

閉会の挨拶  自治医科大学付属さいたま医療センター 呼吸器科 教授 小山信一郎先生

            上記講演会終了後に意見交換会も予定されているようです。

上記講演会に興味の有る医師の皆様は、担当の大正富山医薬品MRの皆様にお問い合わせください。

2009年12月29日火曜日

仕事納め

昨日、2009年12月28日はさいたま赤十字病院の仕事納めの日でした。

しかし、ブログ作者は日をまたいでの仕事をさせていただいているため、「仕事納め」の実感はあまりありませんが。。。

さいたま赤十字病院呼吸器内科に、本年も多数の患者さん・ご家族の皆様にお越しいただきまして大変ありがとうございました。

私どもの診療内容は、患者さん・ご家族の皆様のご期待に添えたのでしょうか?

病院に「何」を求めていらっしゃるか?によりますが、多くは、「呼吸器専門診療」をお求めになり、

さいたま赤十字病院呼吸器内科を「選択」していらっしゃっているのではないかと思います。

その「期待」に応えるのが私どもの「使命」なのですが、7人皆それぞれ、得意分野、診療経験、勉強内容など異なるため、全ての患者さんに「同じ」診療レベルで対応できるかというとなかなか難しいところもあります。

しかし、さいたま赤十字病院呼吸器内科のスタッフ皆がレベルアップをはかっていく「努力」をすることにより、解決可能な問題も多数あるのではないかと考えます。

来年も、さいたま赤十字病院呼吸器内科はさらなる飛躍を遂げるように日々精進いたしてまいります。

2009年12月26日土曜日

命の値段

「命の値段」なんて、付けられるわけ無いだろ!

というお叱りの言葉をいただきそうな、タイトルですが、実際に人間はあらゆる「命」に値段をつけております。

例えば、ペットショップでは、「犬」や「猫」や「ウサギ」などの動物に「値段」がついております。

高い「値段」のついたペットから、それこそ、安い「値段」のついたペットまで様々です。

動物に限らず、植物にだって「値段」をつけております。ちょっと前には、クリスマスツリーなんかも店頭に値段をつけて並んでおりました。

ヒトはあらゆる「生命」に「値段」を付けているようです。

では「人間」に「値段」を付けることはどうでしょうか?

実は、ブログ作者も含めて多くのヒトが他人に自分の「値段」を付けられているのではないかと思います。
ようはアナタというヒトの「値段」です。

どのような形でヒトの「値段」が決められているのか?

それはいろいろな方法があるのではないかと思いますが、日本では多くの方々が「給料」という形で自分の「値段」を付けられているのではないかと思います。

自分の一年間の「値段」が、その年の総収入となるのかと思います。

ただし、これをヒトの「命」の「値段」と考えるのは、ちょっと無理が有るのかもしれません。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、「命の値段」が実際に付けられているのが、最近話題になった「診療報酬」なのではないかと考えます。

まさに、ヒトの命を救うときの「値段」が、エライお役所の方々、皆様が選んだ「国会議員」によって決定されているのです。

医療機関では、毎日多くのヒトの「命」が助けられております。

さいたま赤十字病院でも毎日、このままほうっておけば「死」が訪れるであろう人々の「命」を多数救っております。

文字道理「救命」がなされている所となります。

喘息重積発作、急性心筋梗塞、くも膜下出血、大動脈解離、腹膜炎、多発外傷などなど。

ありとあらゆる、眼前に「死」が迫っている人々の救命に力を尽くしております。

でも、その救命という医療行為の「値段」はどれくらいなのでしょうか?

皆様考えた事ありますか?おそらく皆様が思っているより断然「安い」費用かと思われます。

ヒトの命の「価値」がとても高いもの、値段も付けられないようなものなのなら、ヒトの命を救う仕事をしている医療従事者の報酬はもっと高くても良いのではないかとブログ作者は考えております。

一流のスポーツ選手が「億」単位の「お金」をもらえるのなら、救命に携わるお医者さんは、それよりもっともらえて良いのではないでしょうか?

スポーツ選手は目の前の瀕死のヒトを救うことができませんが、医師は救えるかもしれません。

ただし、日本の国民の皆様が、ヒトの命の価値を「安い」ものと判断されているのであれば、当然、医療従事者の報酬も、もっと「安く」してもいいのかもしれません。日本人の「命」の価値がその程度のものと判断されるのであれば。

日本では、過去数年間、ヒトの「命」の値段=「診療報酬」は年々「安く」なっていっておりました。

それが、来年度はようやくほんのちょっとプラスになるかもという報道がなされております。
日本中の景気が悪いのに、診療報酬が上がるなんてケシカランという方々もいらっしゃるのかもしれません。

日本の景気に左右されるのが日本人の「命」の「値段」なのでしょうか?

自分の大切なヒトの「命」が助かったら、自分の全財産を費やしてもいいというようなものではないのでしょうか?

「ヒト」の「命」の価値をどう考えるのか?日本人皆が真剣に考えるべきことではないかと思います。

2009年12月21日月曜日

E-TEST

E-TESTって何?

もしかしてe-mailでテストするの?とか思われた方々。残念ながら不正解です。

E-TESTとは、細菌に対する抗菌剤の検査室での有効性の指標となる、MICを測定するための検査方法です。

さいたま赤十字病院でも少し前からMRSAの菌血症の治療にバンコマイシンの詳細なMIC測定の為に院内導入致しました。

まだまだ聞き慣れない先生方も多くいらっしゃるようですので、実際の検査写真を上に掲載致しました!

培地上に置いてある短冊みたいなのがE-TESTのスティックです。スティックに数字が書いてあり、一定時間培養後にMICの数値を読み取ります。

なんでさいたま赤十字病院でMRSA菌血症に詳細なMIC測定が可能なE-TESTを導入したのか?

日本の多くの病院と同様に、MRSAのバンコマイシンに対するMICは以前より測定しておりましたが、そのMIC最小値は”2以下”というかなり大雑把な結果しか出ませんでした。
近年、MRSAの治療に際して、”バンコマイシンのMICが2以下”という大雑把な測定結果では、治療が上手くいかないという症例が多数報告されるようになってきました。

そこで、もっと詳細なバンコマイシンMIC測定が必要ではないか?

バンコマイシンでMRSA菌血症を治療するには、MIC1以下である方が良いのではないか?

バンコマイシンはAUC/MICというPK/PDパラメータで有効性の判定ができると言われており、このAUC/MICが350-400を超えないとバンコマイシンでのMRSA菌血症の治療は難しいといわれております。
このAUC/MICの分母にあたらバンコマイシンのMICが2以上ではもはやこの"350-400"という数値は越えられない壁となってしまうため、実はそれ以下のどのくらいのMICなのかを詳細に測定する必要性がありました。

このため、このたび、MRSAが血液培養で培養差れた場合に、バンコマイシンの詳細なMIC測定のために”E-TEST"を導入させていただいたというわけです。

実際には、0.5刻で、0.5、1.0、1.5、2.0。。。とかなり細かく判定できるようです。

実際に、ブログ作者もバンコマイシンE-TESTを使用して、MRSA菌血症の治療をすでに始めておりますが、従来のバンコマイシンMIC2以下という結果よりも、より自信をもって治療の望むことができております。

まだまだ、MRSA感染症は院内感染症の大御所といった感がありますから、今後も注意深く診療してまいりたいと思います。

2009年12月15日火曜日

平成21年度院内感染対策講習会勉強内容(その①)

①院内感染関連微生物:舘田一博先生:東邦大学医学部微生物・感染症学

・勉強させていただいたことのポイント

 ・セラチアやエンテロバクター、シトロバクターなど腸内細菌群の一部は低温(1~4℃)でも発育する!
  輸液を事前調整して、冷蔵庫に保存していても輸液中で増殖してしまう恐れアリ!要注意。

 ・緑膿菌は大問題!特にカルバペネム、アミノグリコシド、フルオロキノロンの3剤に耐性を獲得している  多剤耐性緑膿菌”MDRP”の拡大

 ・緑膿菌:水回りに注意!乾いた環境では生存困難。
    コンタクトレンズ保存液、モップ、スニーカー、野菜・果物、加湿器など
    内視鏡の先端、シャワーヘッドなども死角

 
 ・健常人の便中に緑膿菌保菌:2.6~24%:腸管からのBacterial translocationに注意!

 ・細菌の抗菌剤耐性化機構
    ・抗菌剤の不活化酵素の産生:βラクタマーゼなど
    ・作用点の変異:PBPの変化など
    ・抗菌剤の排出:Efflux機構
 ・pre-MDRP:2剤耐性菌に注目!
 ・カルバペネム+キノロン耐性菌の増加!→MDRPへ
・Bacterial translocation:腸管→門脈を介して肝臓へ:その後全身性敗血症:内因性感染
   ・感染源が不明な時は上記を常に考慮
   ・カンジダ、マイコバクテリウムアビウム:HIV、MRSA、腸内細菌の一部
   ・監視培養
   ・選択的腸管内殺菌:Selective Digestive Decontamination
・ムコイド型緑膿菌:アルギネート:菌体外多糖産生:貪食抵抗性、補体殺菌感受性あり、全身感染は起  こしにくい(慢性感染):敗血症にはなりにくい?
 ・細菌の要塞:”バイオフィルム”形成:カテーテルの抜去が必須
・アシネトバクター
   ・ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
   ・自然界に広く分布
   ・乾燥に抵抗性、低温でも増殖
   ・VAPの重要な病原体
   ・多剤耐性菌の増加:カルバペネム耐性のアシネトバクターに注意
・市中感染型アシネトバクター:今後、脅威になってくる?
   ・東南アジアで蔓延?
   ・日本でも発症あり。
・CA-MRSAの増加
   ・「とびひ」増加CA-MRSA 51%
・VRE:バンコマイシン耐性腸球菌

 ・VRE:鶏に成長促進剤:アポバルシン投与:バンコマイシンとアポバルシンが構造似ている
 ・プラスミドを介した耐性遺伝子の伝播
 ・環境(食肉・魚)への抗菌剤の使用が新たな耐性菌をもたらすのか?

今日はここまでにします。また明日勉強させていただいた内容とともにご報告いたします。

上記文章は、講習会での勉強内容を記録させていただきましたが、ブログ作者の聞き間違いなどあるかもしれません。実地臨床で活用される場合には、必ず教科書などでご確認の上、自己責任でご利用いただけますようお願いいたします。
内容的に間違いのご指摘や、ご意見ご要望はコメント欄に記入いただけましたら幸いです。

平成21年度院内感染対策講習会

今日と明日は、日本感染症学会が主催されている、平成21年度院内感染対策講習会に参加させていただいております。

さいたま赤十字病院では、院内感染対策に全病院スタッフが日々取り組んでおりますが、新しい知見を取り入れて更なるレベルアップを図る為に、診療業務を休ませていただき、講習会に参加させていただいております。

今日と明日勉強した事項は広く院内だけでなくブログ読者の皆様にも還元させて頂く予定ですのでよろしくお願いいたします。

2009年12月11日金曜日

EGFR遺伝子変異検査の重要性

昨日、2009年12月10日木曜日、さいたま新都心にある、ラフレさいたまで開催された

”Astra Zeneca Lung Cancer Workshop”

に参加させていただきました。

総合司会が、さいたま赤十字病院呼吸器内科松島秀和先生

基調講演が帝京大学医学部腫瘍内科の関順彦先生でした。

関先生のご講演をベースに、非小細胞肺癌の治療方針についてディスカッションするという画期的な企画かと思い、参加させていただきました。

初めて、関先生のご講演を拝聴させていただきましたが、スライドの構成、プレゼンテーションなども非常にポイントが明快でわかりやすく、非小細胞肺癌治療とくに”EGFR-TKI"治療とその周辺についての豊富なエビデンスをご教授いただけました。

非小細胞肺癌の治療は、他の腫瘍領域と同様に、治療効果の予測因子としての「遺伝子検査」の重要性がますます高まっております。

非小細胞肺癌の治療方針を決定するのに、現時点でかかせない検査が「EGFR遺伝子変異」検査です。

この「EGFR遺伝子変異」の「有」or「無」(もしくは「不明」)が最初のステップで、これに基づき、内科的な治療方針を決定する時代となっていることを実感いたしました。

もちろん、手術療法が可能な場合には、今でも、「非小細胞肺癌」の治療の第一選択は「手術切除」です。しかし、非小細胞肺癌の病状の進行により、手術困難な症例や、術後の再発症例については、「内科的治療」=「抗悪性腫瘍剤の選択」が大切になります。

「手術療法困難」=「内科的治療」の適応となる非小細胞肺癌では、「EGFR遺伝子変異」の有・無が治療方針の決定に重要なのですが、その理由は、この遺伝子変異があることにより、”EGFR-TKI”という抗悪性腫瘍剤による治療が「全生存期間」=”Overall survival"を延長することがわかってきたからです。

以前、三井記念病院の國頭先生のご講演内容を、本ブログに記載させていただきましたが、肺がんの治療成績の評価の客観的な指標となるのはやはり「全生存期間」=”Overall survival"(OS)ではないかとブログ作者も考えます。

近年、新しい非小細胞肺癌の治療薬が多数登場してきていますが、「イレッサ」や「タルセバ」というような”EGFR-TKI"という作用機序の薬剤については、この「EGFR遺伝子変異」が「明確な有効性の指標となるバイオマーカー」となることがわかってきました。

「EGFR遺伝子変異」が「有」なら、EGFR-TKIといわれる「イレッサ」「タルセバ」を選択することが妥当である可能性が高いということになります。

逆に、「EGFR遺伝子変異」が「無」の場合には、「イレッサ」「タルセバ」の有効性は低下してしまうということになります。

ただし、どのような検査にも「感度」「特異度」の問題があり、この点を抑えずに、上記検査結果を鵜呑みにしての議論はナンセンスです。

最近は、EGFR遺伝子変異の検出「感度」の高い検査方法での、検査が普及してきているため、「偽陰性」の問題は非常に頻度が低なっているようですが、それでも絶対に「ゼロ」になることは考えにくいかと思います。なので、どのような検査でもそうですか、常に「感度」「特異度」の問題は考慮して検査結果を解釈しなければいけないことは十分に心してかかることが必要ですね。

関先生は、ご講演の最後に非小細胞肺癌診療においてのEGFR遺伝子検査について
「測定できない理由を探さず、検体を積極的に採取し、何とかしてEGFR遺伝子変異検査を行うように」

というようなメッセージで締めくくられておりました。

非小細胞肺癌患者さんの「全生存期間」=”Overall survival"を延長すること。

この明確な「目的」を達成するための検査が「EGFR遺伝子変異」検査です。

この検査に使用できる検体についても、ディスカッションで議論されておりましたが、
手術やTBLB組織検体は理想的だが、細胞診レベルでも、おそらく”Class4”以上が検出された検体であれば、EGFR遺伝子検査は可能?というようなコメントもいただきました。
その場合には、気管支洗浄液やブラシや生検鉗子の洗浄液を、-20℃程度で凍結保存しておけば、必要な時に検査が可能というような事をお聞きいたしました。
(上記内容は非常に臨床上重要な内容のため、各施設で検査を依頼する検査会社に必ずご確認ください)

発売からしばらくの間、「イレッサ」は新聞やニュースでかなり「マイナスイメージ」での扱われることが多い時期がありました。

もちろん、「イレッサ・タルセバによる薬剤性間質性肺炎」の問題は、重篤な副作用として常に考慮していかなくてはならないのは事実かと思います。

医学は常に進歩していて、発売当初は全く判明していなかった有効性の指標となる「バイオマーカー」=「EGFR遺伝子変異」の発見は、世の中から消えかかっていた「EGFR-TKI」をまさに「復活」させた偉大な功績なのではないかと思います。

新薬の登場は、ときにこれまで治療が困難な病気を治療可能な病気に「変化」させますが、同時に「未知の副作用」についても十分に注意することが必要です。

ただし、「副作用」ばかりに注目して、「真の有効性」を見失ってはいけないとも思います。

今後も多数の薬剤が開発されていくであろう「肺がん治療薬」。

今後も「より有効」で「より安全」な薬剤の開発が望まれます。     

2009年12月10日木曜日

カウンター10000突破!ありがとうございます

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログは、読者の皆様の御愛読に支えられまして本日ついに、カウンター設置後、約2ヶ月で10000ページビューを超える事が出来ました!

一月にカウンターが約5000回っている計算になります。

ページビューと言うのは、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログのどの記事を表示して頂いてもカウンターがカウントされる仕組みのため、そのように呼ぶようです。

最近は、各方面の皆様より、ブログ見たよ!とお声がけいただくことも以前より増えてまいりました。
これからも皆様により訪れていただけるように努力をしてまいりますので、これからも変わらず御愛読の程よろしくお願い申しあげます!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ管理人より

2009年12月8日火曜日

肺機能勉強会

本日、2009年12月8日、埼玉県立循環器呼吸器病センターの呼吸器内科より石黒先生をお招きして、肺機能検査の基本的な考え方と症例に基づいた、肺機能検査の有効な使用方法についてご講演をいただきました。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、「肺がん」と「呼吸器感染症」に偏った診療を行っているため、肺機能検査をあまり重視していない診療姿勢でこれまで臨んでおりました。

本日、石黒先生のご講演を、聴かせていただき、改めて「画像」や「採血」検査などでは、分からない、肺のダイナミックな「動き」をリアルに表現できる「肺機能検査」の重要性・活用の仕方を学ばせていただいた気が致します。

ただし、肺機能検査のみで診断学が成り立つわけではなく、肺機能検査を活用する基本的な姿勢としては、病歴・身体所見を重視した診療姿勢が基本で、それに基づいて必要な画像・肺機能検査などを活用するということが大切なのではないかと思います。

また、石黒先生の「目の前の患者さんが訴えていることに素直に耳を傾けられている姿勢」もスバラシイと思いました。

患者さんが「苦しい」と言っているときに、パッと見のバイタルサインや身体所見、胸部レントゲンで異常所見がないからといって、患者さんの訴えを「心因的なもの」と決めつけずに、きちんと考えて「自分の分からない・知らない病態で苦しんでいるのではないか?」という視点で、患者さんの病態生理を細かく解明して行かれる臨床思考過程は、とてもスバラシイと思いました。

呼吸器内科には「息苦しい」という、ほんとうに切実な主訴でいらっしゃる患者さんが大勢います。

ひとりひとりの患者さんの「訴え」に素直に耳を傾けて、その背景に隠れている「病態生理を考える事」。

今回の、石黒先生のご講演で勉強させていただいたのは、肺機能検査の理解だけでなく、そんな石黒先生の真摯な診療姿勢だったのかもしれません。

また、お話をお聞きする機会をぜひ頂きたいとブログ作者は願っております。

2009年12月7日月曜日

研修医だより第3号のご紹介

さいたま赤十字病院の初期研修医の皆様が、鋭意作成されている

「研修医だより」の最新第3号が、さいたま赤十字病院公式WEB SITEで公開されておりました。

上記URLで研修医だより第3号のPDFファイルに接続します。

毎回、研修医の皆様が、大変熱心に作成されているのが、とてもよく伝わってくる研修医だより。

第3号も熱い思いが伝わる作品となっております。

研修病院を探されている、医学部学生の皆様は是非、ご参照いただけましたら幸いです。
(ブログ作者はまったくかかわっておりませんが)

内容については、皆様のご評価を待ちたいと思いますが、以前も本ブログで書かせていただきましたが、できれば、さいたま赤十字病院での研修での「デメリット」の部分に焦点をあてた記載があれば、とてもすばらしいと思いましたが、残念ながらさいたま赤十字病院での研修はすばらしいという視点の文章ばかりだったように思われます。

どのような研修病院・施設でも当然「良い点」「悪い点」あって当然です。

「良い点」をアピールすることは、もちろん大切なのですが、実際に研修される学生の皆様は、「悪い点」についても知りたいのではないでしょうか?

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでも、ブログ作者の個人的な研修病院としての「良い点」「悪い点」は過去記事で記載いたしております。
興味ある皆様は是非ご参照ください。

2009年12月6日日曜日

医学用語変換にお困りですか?~Google IMEの紹介~

毎日毎日、多数の書類や、病歴要約などで、医師もパソコンで文字を入力する機会の多い職業です。

医療業界で働いている方々は、ご理解いただけるかと思いますが、医学用語などの「専門用語」の変換には日々ご苦労されているのではないかと思います。

そんな中、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログも大変お世話になっている、Googleが「日本語入力変換」ソフトをネット上で無料公開し始めました!!

下記URLよりダウンロード可能です。(まだβ版とのことです。皆様の自己責任でお願いいたします。)

(上記URLでGoogle IMEダウンロードサイトにつながります)

早速、この”Google IME”を自分のパソコンで使用してみました。

使用した感じは、ケータイ電話とかの変換で慣れている「予測変換」機能の充実に驚かされました。

ためしに「びょう」と入力すると?変換候補がナント95個もでてまいります!!
「病理組織学」「病院情報」「病院ランキング」「病理部」なんてのまで変換候補にでてきますから驚きです。
ただし、「がんか」と入力すると?→「眼科エルセーヌミスパリスピードラーニング」なんてものまで候補に出てきますので、まだまだ未完成のβ版なのかもしれません。

ほかにも「しんぞう」と入れると?→「新造人間キャシャーン」とかでてきたりとちょっと面白いです。

臓器単語をひとこと入力すると、それに付随する単語がたくさん変換候補として現れることは、とても便利な反面、その人の判断で正しい変換語彙を選ぶ必要があるため、勉強しておかないと、とてもおかしな日本語入力になってしまうかもしれませんね。

そうはいっても、医療業界用語についてだけでも、恐ろしいほどの語彙を収録しているGoogle IME。
その他の業界用語なども含めると相当使える日本語変換システムなのではないかと思います。

おそらく、Google検索で入力された言葉を元に作成されている”Google IME"。
業界用語や専門用語の変換で困っている皆様は試してみてはいかがでしょうか?
(しつこいようですが、まだβ版ですので、トラブルの可能性も十分にあります。自己責任でお願いいたします)

第19回IDATENインタラクティブケースカンファレンス勉強内容その①

昨日は、第19回IDATENインタラクティブケースカンファレンスで勉強させていただきました。

非常に盛りだくさんの内容でしたが、なんとか全部とうして勉強することができました。

それでは恒例?の、勉強内容をupしてまいります。

①「新型インフルエンザA(H1N1):これまでの日本の対応と今後の課題」
  東北大学大学院医学系研究科 微生物学分野:押谷 仁先生

・日本における新型インフルエンザA(H1N1)をめぐる「安全神話」の形成と崩壊

・学校・学級閉鎖は新型インフルエンザ感染拡大防止(遅延)にはかなり有効だったのか?
 アメリカはじめ諸外国では行われていなかった学校・学級閉鎖。日本独自のインフルエンザ感染拡大予防策。ただし、その代償として新型インフルエンザ感受性者は多数残存してしまう。

・多くの国で、感染蔓延期から遅れて最初の死亡者が発生。

・12月3日現在で日本の死亡者数94名

・人口10万人あたり死亡者数は各国で大体3~10程度。日本は10万人あたり0.2人(11月時点で)。

・(死亡者の)年齢の中央値が諸外国では20~30才.日本は8歳!(感染の拡大が若年層に偏っているためか?)。

・日本でなぜ死亡率が低かったのか?
    ・タミフル・リレンザ早期治療?
    ・入院管理などの早期対応?
    ・疫学的特長が違うだけ?

・日本では、これまでは罹患者が5歳から14歳程度がほとんどをしめている。

・オーストラリアでは、各年齢層満遍なく入院患者がいた。

・アメリカでは若い成人が例年より入院している。

・メキシコでは30-40才台の重症症例が多い。

・オーストラリアで亡くなっているのは40歳~50歳代以降が多い

・日本でも死亡率は30歳代以降で高くなる!

・日本でも、成人層の入院患者は致死率が高い?

・若年層は罹患率は高いが死亡率は低い。40歳以上特に高齢者では罹患率は低いが重症化率は高い。
  ↑上記については、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでも以前、季節性インフルエンザのグラフを提示させていただきました!!
若年層は罹患者数は多いものの死亡率は低い。逆に、高齢者では罹患率は低いものの死亡率が高いというものでした。同じようなことが今回のパンデミックインフルエンザ2009(ブログ作者はパンフル2009と呼ぼう!と提唱しております)でもいえるのかもしれません。この点は歴史が証明してくれるでしょうから、あまりイイカゲンなことは言えないのですが。

・日本では積極的に学校閉鎖をしている数少ない先進国のひとつ。

・学校閉鎖で、地域や家庭への感染拡大が防げたのか?

・地域での感染拡大防止により高齢者施設への感染拡大を防げた?遅らせた?

・しかし、11月以降、0-4歳の層の感染拡大→家庭での感染拡大期に入っているか?
・5歳~14歳の層の新規感染者数は頭打ち。
・子供から親が感染する時期になっている。成人層への感染拡大が今後生じてくるのか?
・これまでは、未成年者の感染者が多かった。→学校閉鎖・学級閉鎖が関係している?

 押谷先生はおっしゃっていませんでしたし、フロアの皆様も言及されておりませんでしたが、日本は諸外国よりマスクの使用率が高いのでは??と思っております。

これも成人層での感染拡大を遅延させた一機序なのではないかと個人的に「思っている」ことです。あくまで思っているだけで、だれも肯定も否定もできないのですが。

・これからは、ワクチン接種と感染拡大の競争!!
・重症症例では、ICUのベット確保と人工呼吸器不足の問題。
 ↑これに加えて、しっかりとした「呼吸管理」が可能なスタッフの確保も大事でしょう!!
  いくら、「場所」と「モノ」があったって、それを使いこなす「ヒト」がいなければ宝の持ち腐れですよね?

・H1N1Aソ連型は駆逐されるか?H3N2A香港型は残る?
・高齢者へのワクチン接種不足の問題:季節性も含めて!
・妊婦へのワクチン接種の考え方
・日本は感染症の疫学者・公衆衛生専門家が少ないことが問題。臨床家と疫学者がコラボレーションすることが大事。
・タミフルの二次感染予防に有効なのか???

とりあえず、長くなったので、新型インフルエンザについての押谷先生の御講演を元に、ブログ作者の文責で上記記載させていただきました。

不確実なことは書くな!!と言われれば其れまでなのですが、みなが不確実要素しか知らない時点では、そういった情報も公開することに意義があるのではないかと思っております。

2009年12月5日土曜日

メモをとってはいけません!~勉強のコツその2~

以前、勉強のコツと題して、真の「勉強」とやらされてやる「お勉強」のお話をかかせていただきました。


今回はさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者が、研修医の皆様に常々お話している、勉強のコツその2をお送りいたします。

あらかじめお断りしておきますが、今回の内容はいろいろと異論があるかと思いますので、「私はこう考える」というのがありましたら是非コメント欄にお願いいたします。

「メモをとってはいけません!」。

唐突になに書いているんだかと思われるかもしれませんが、興味ある方は是非お付き合いください。

初期研修中は覚えることがいっぱいで、特に仕事を始めて半年くらいは、見るもの、やることすべてが新しいことです。

そういう中で、研修医の皆様は非常にマジメに、メモ帳などで、指導医や周囲の方々の「ありがたいお言葉」を必死にメモ帳に記入していらっしゃるお姿を拝見いたします。

非常に丁寧に、聴いた言葉を逐一書いている姿は、実に「勉強している!」という雰囲気です。

また、勉強会・学会などでも、演者のお話を必死にメモしているお姿も非常にしばしばお見かけいたします。

ブログ作者のように、ある程度年をとっていて、これ以上記憶力の限界を感じている世代はメモを取らざる終えない状況もあります。また、ブログの記事にさせていただく場合もあるため仕方なくメモを取っていることもあります。

でも、初期研修医・レジデントの先生方には、あえて「メモをとってはいけません!」といわせていただきます。

それはなぜか?

メモを「書く」ことに集中しすぎて、残念ながら非常に勉強になるお話を十分に理解して聞くことができなかったりすることがあるからです。

もうひとつは、「メモ」を取っている時間があったら「その場で記憶しなさい!」と言っております。

初期研修で何も知らない(失礼!)状況ではすべてのことを吸収して体得することが求められます。
「メモ」なんか書いているヒマあったら、「記憶」してしまったほうが手っ取り早いのです。

また、もうひとつ「メモ」を取らないでいい理由があります。

それは、「重要なことは必ず繰り返し聞かされる!!」ということです。

これは重要だ!!と思ったら、その場で記憶する。忘れそうになっても、とても大事なことだから完全に忘れてしまう前にまたその知識・情報が必要になり、記憶の定着が図られる!!ということです。

もし、1年に一回も必要でないような情報・知識であれば、その知識・情報が必要なときに「記憶」している必要はなく、「調べる」ことをすればよいのです。

一度でも、「情報のありか」を調べておけば、「記憶」していなくても現在のインターネット社会では簡単に情報にアクセスできてしまうのです。

もう一度いいます。「メモをとってはいけません!」

メモなんて取っている時間あったら、少なくとも初期研修中くらいは書いている時間を使って、是非その情報・知識を「記憶」する努力をしてみてください!!

あなたが書いたそのメモ、ちゃんと利用されていますか?
もう二度と見ないメモなんて「意味ないよ。。。」という状況になっていませんか?

忙しい研修中だからこそ、効率のよい勉強というのも必要なのかもしれませんね。

2009年12月4日金曜日

X'mas ツリー

世の中はクリスマス気分を盛り上げようと様々な飾り付けがされております。

街中で見かけた綺麗なクリスマスツリーの写真です。

病院という所は毎日多くの苦しんでいらっしゃる患者さん方が集まる場所です。

スタッフも患者さんもたまには病気と闘うことを忘れる時間も必要なのかな?と思いますが皆様如何でしょうか?

ブログ更新遅延のお詫び

いつもさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをご覧頂きまして大変ありがとうございます。

最近何かと忙しく、なかなかブログ更新が出来ない状況が続いております。

今夜くらいからは再びさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ更新が可能となる予定ですので、どうか皆様これからも本ブログをよろしくお願いいたします。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ管理人

2009年12月2日水曜日

12月のアンケート:来年はどのような年になりますか?

2009年も残すところあと1ヶ月となりました!!

早いもので、もう少しで、クリスマス、その後大晦日→お正月です。

さて2009年を締めくくる12月のさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログアンケートテーマは?

「来年はどのような年になる?」

にさせていただきました。

なにかと暗い話題の多かった2009年、来年は明るいとしになるのか?
もしくはさらにどん底のお先真っ暗な年になるのか?
はたまた、大どんでん返しが起こるのか?

まあ、未来の予想なんてものは外れてナンボというものです。

未来のことがなんでもわかるなんてヒトは、つまらない人生送ってらっしゃるのかもしれません。

人生、先のことがわからないから楽しいなんてところもありませんか?

それでは、今月も皆様のご協力でブログアンケート開始させていただきます。

右側ガジェットで投票可能ですので、皆様気楽に投票よろしくお願いいたします。

2009年12月1日火曜日

11月アンケート結果発表!!

2009年11月のアンケートテーマは?

「本ブログで取り上げてほしい話題は?」でした。

では結果発表です!!

・肺癌・呼吸器感染症       11票:27%

・肺炎・呼吸器感染症       17票:42%

・気管支喘息・アレルギー疾患  8票:20%

・肺線維症・間質性肺疾患    3票:7%

・新型インフルエンザ       9票:22%

・医療問題・社会問題       11票:27%

・一般NEWS            3票:7%

・医療NEWS            9票:22%

・さいたま赤十字病院の紹介  14票:33%

・その他               4票:10%

総投票数 40票(重複投票可能)

「肺炎・呼吸器感染症」と「さいたま赤十字病院の紹介」が比較的多数を占めていたでしょうか?

今回のアンケート結果を参考に、今後もさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様にご支持いただけるような内容を充実させていまいりたいと思います。

これからもさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログのご愛読をよろしくお願い申し上げます。

マウスとキーボードから自由になる!

感染症診療では

「熱・白血球・CRPから自由になる!!」by Dr.青木 が大事です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、これからのコンピューターには、「マウス」と「キーボード」から自由になる!!ことが重要なのではないかと考えます。

私が、医師になって、数年が経とうとしていたころ、WINDOWS XPのタブレットPC Editionが発売されました。

その当時、ペンで自由に画面上に文字や絵が描ける、タブレットPCとはどのようなものなの

か?非常に興味深く販売店の店頭で触らせていただいた経験がありましたが、当時のPCの性能ではなかなかスムースに文字や絵を描くことができませんでした。(ただ単に使いこなせなかっただけかもしれませんが)

それから、だいぶ時間が経ちましたが、ついにWINDOWS 7で、WINDOWSタッチが標準搭載される時代となりました。

早速、販売店でタッチパネル搭載機種を触ってみましたが、今回は非常にスムースな動きに「これならイケル!」と確信し、上記写真のもでるをこのたび購入いたしました。

どのようにタブレットPCを使用していくのか?

ひとつは上記写真のように、画像をペンで描画する使い方を考えております。

ブログ作者がもっとも有効な使い方と考えているのは、パワーポイントプレゼンテーションでの使用です。

画面を指先でタッチすることにより、ポインターのように指し示すことが可能です。また、タッチペンで画面に文字や絵を書くとそれが、そのままプロジェクターで投射されるため、ホワイトボードのようにも使用可能なのではないかと思います。

若手医師セミナーなどのインターネットでの勉強会などでも力を発揮するのではないでしょうか?

しつこいですが、これからのコンピューターに求められるもののひとつが

「マウス・キーボードから自由になる!!」

ことではないかと考えます。バリアフリーの視点からも非常に期待をしているタブレットPC。

今後の発展が楽しみですね。

どのような「最後」を迎えるか?~自分の「死」について考える~

生物は生きている限り必ず「死」を迎えることとなります。
「ヒト」も生物の1種であるわけで、必ずだれでも一度は「最後」=「死」を迎えることとなります。

それがいつかは人それぞれです。

本ブログをごらんいただいている皆様の中には、遠い未来に「死」を迎えることを予想されている方もいらっしゃれば、いろいろな病気などでそれほど遠くない時期に「死」が現実のものとなることを実感されているかたもいらっしゃることでしょう。

あまり実感がわかないかもしれませんが、予期せぬ「死」が突然襲ってくる場合だってあります。

健康に過ごしている若い方でも、いつ交通事故にあうかわかりませんし、物騒な事件で突然、他者に命を断たれる可能性だって否定できない世の中です。

だれにも「死」は避けられない切実な問題なのです。


では、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様はどのような「最後」=「死」を迎えたいでしょうか?

せっかくですから、皆様、考えられるうちに自分の人生の「最後」について考えておかれてはいかがでしょうか?

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は人生の最後を飾るのが「死」ではないかと考えます。

「死」を否定的に捕らえるのではなく、絶対に避けられないものである以上、肯定的に捕らえてみてはいかがでしょうか?

人生の最後を、家族や友人に見守られて旅立つこと。

一人でおだやかに最後を迎えること。

病院で最後を迎える場合、自宅で最後を迎える場合、いろいろな状況が考えられます。

病院で最後を迎えられる場合には、延命処置などについても、元気なうちに家族や周囲の方々と相談しておくことは現在の高度医療時代には必須のことかもしれません。

万が一のときに延命処置を希望するのかしないのか?

人工呼吸を希望するのかしないのか?

家族も含めて自分以外の周囲の方々が判断するより、自分自身で前もって決めておくことが、実は家族や周囲の方々にとっても非常に助けになることが多いとブログ作者は考えております。

患者さんが重篤なときに、ご家族に「延命処置・人工呼吸など希望されますか?」ときいても、ご家族が患者さん御本人の意志を知らないと、

「そんな重大なこと決められません!!」

と言われる方々をしばしばお見かけいたします。
たしかに、そんな重大なこと、自分たちの意見だけで決めるのは非常に苦痛なことではないかと思います。もし、そんなとき、患者さん御本人の意志を知っている方がいらっしゃれば、それは非常に有意義なことではないかとブログ作者は考えます。

最近では病院以外に在宅で最後を迎えられる方々も徐々にふえつつあります。

在宅での往診に積極的な医師も増えてきており、自宅で自分の好きなように・自由に余生を過ごして、だれからも束縛されることなく最後を迎えられる方も徐々に増えている状況です。

あなたは、どのような最後を迎えたいですか?

「私はまだまだ死なないよ!!」と思っていらっしゃるそこの「あなた」ほど、自分の人生の最後について家族や周囲の方々と十分今のうちから相談されておくことをお勧めさせていただきます。

ブログ作者も、自分の家族や周囲の者とゆっくりとした時間の中で、自分の「死」について考える時間ができたらよいなあと思っております。