2009年8月31日月曜日

あなたは誰ですか?新アンケート登場!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをご覧いただいている皆様。

本日より、新アンケート開始です。右側ガジェットをご覧ください!!

「あなたは誰ですか?」です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様がどのような方々は全くわかりませんので、ここら辺でアンケートさせていただき、今後のブログ作成の参考にさせていただきたいと思います。

皆様、是非アンケートに御参加ください。

読者の皆様のアンケート結果を参考によりよりブログにしていきます。

ホントに医師不足!?アンケート結果発表!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様のご協力で、38票の投票があつまりました!!

ホントに医師不足!?アンケート結果発表です。

悲劇的に医師不足
7 (18%)
少し足りない感じがする
5 (13%)
診療科によっては医師不足
14 (36%)
まあホドホドに足りてる
3 (7%)
若干医師余り気味
3 (7%)
競合医院多くて収入減少
3 (7%)
私の周囲では医師余り
1 (2%)
もうすでに医師ワーキングプア
1 (2%)
私にはよくわかりません...
1 (2%)

現在までの投票数: 38
投票終了

圧倒的多数の14票、36%が「診療科によっては医師不足」でした。

全体的には、「医師不足」が26票=68%でした。

これに対して、「医師あまり」という意見は8票=21%でした。

このアンケートでは、やはり医師不足傾向のようですね。ただ、悲劇的医師不足の地域の方々はどのような努力をされているのでしょうか?

以前も書きましたが、地勢の問題だけで、医師不足や若手医師が来ないとかが起こっているわけではないようです。

勉強になる環境があれば、おそらく医師は自然に集まってくるのではないでしょうか?

システムにだけ頼る「医師集め」はゼッタイにムリだとブログ作者は考えます。

若手医師が「給料が多少少なくても勉強になるから是非働きたい!!」と思わせる環境の整備。

地域住民の皆様が、「私たちの健康を守ってくれてありがとう」という、暖かい感謝の心。

そういったものがいろいろと集まって初めて医師が集まる地域となるようです。

「悲劇的に医師不足」とお答えの選択枝を選ばれた皆様の地域・病院は上記のような環境にあるでしょうか?

2009年8月30日日曜日

民主党の医療関連政策みましたか?

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は民主党の医療関連政策の内容をしっていますか?

詳細は下記、民主党「医療政策」のWEB SITEをご参照ください。
http://www.dpj.or.jp/policy/koseirodou/index2009_medic.html

予防接種などの項目はとてもよろしいと思います。

子宮頚癌のリスクを低下させるヒトパピローマウイルスワクチンや、ヘモフィルスインフルエンザタイプbワクチン、肺炎球菌ワクチンなど、なかなかいい政策ありますね。

医療の安心・納得・安全

医療事故医療訴訟関連の事項が掲載されております。
ここら辺の政策には、いろいろと異論のあるところかと思いますが、大事なことは「人は必ず死ぬ」ということを大前提に、議論しなくてはいけません。
何百年も生きているヒトはブログ作者の知る限りだれもいないのです。(いたら教えてください)

「死なない人はいない」という大自然の法則に則って考えないと大変なことになります。

病院というところは、一日に何人もの患者さんが亡くなるところです。
「無過失補償制度」というのは、よくよく考えないといけない制度かと思います。
「病院で死亡する」→「無過失補償制度」では、いくらオカネがあっても足りません。

いまでも、実は、東京近郊では「医師あまり」が徐々に明らかになってきていると思っております。
新臨床研修制度となって、市中の有名な病院で臨床研修をされる若手医師がものすごく増えました。
そういった方々が、初期研修2年、後期研修3年程度を終了して、「はてどこに行くか?」となったときに、実は雇ってもらえる病院はそれほど多くはありません。
医師になって5年程度では、まだまだ一人前とはお世辞にもいえません。医師の養成とはそれほど時間のかかるものなのです。
なので、「じゃあ明日から一人でがんばって!!」とか言われても、医師になって6年目程度では、まだまだ難しいのが現実でしょう。
なので、これから医師養成数を1.5倍にしても、医学部卒業して、10年ほど修行をして、一人前の医師となるのは16年後です!!

いまから16年後の未来って2025年です。もうかなり人口減少していっているころではないでしょうか?人口減少して、ようやく一人前の医師が増える感じです。これの意味するところは「医師のワーキングプア」かと思っております。
今、大学医学部で医師を目指して勉強されている医学部学生の皆様は「こんなはずじゃなかったのに。。。しかも選挙権もないし(18,19歳の学生)」とか言う本当に悲惨な方々も多数いらっしゃるかと思います。
まあ、医師の業界はもともと激しい競争社会ですので、これまで以上により「競争激化」するだけかもしれませんが、人知れず医療業界から去っていく医師が増えそうでなにか物寂しい感じがいたします。

まあ、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者がざっとみてみた「民主党」の医療政策。
いいところも多々あるので、改善点は医療業界挙げて物申す感じにしないと、困るのは医療を受ける立場の「国民」の皆様です。
これから次の選挙までの間の、「医療政策」を読者の皆様じっくり見てください。

次は来年の「参議院議員選挙」のようです。また、ここでも皆様は「一票」を投じることによって、医療政策を変えることができるかもしれません。(未来のことは誰にもわかりませんが)。
異論・反論は本ブログコメント欄にどうぞ。

2009年8月29日土曜日

文句が有るなら選挙くらい投票してから言うこと!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様の中にも、今の日本の状況にご不満の方々が多数いらっしゃると推測いたします。

特に本ブログのような医療系ブログをご覧の皆様は今の医療全体にご不満が募っていらっしゃるかも知れません。

医療費が高いとか、家族が入院してたら追い出されたとか。

病院に文句をいくら言っても全く効果アリマセン。

文句を言う先が違います。この国の医療システムを変えられるのは国会議員のセンセイ方のみです。

現状に文句やご不満がございましたら是非選挙で自分の納得する候補者に投票してください。

選挙に行かずに文句は言えませんね。

ちなみにさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログは特定の政党や候補者を応援することはいたしておりませ。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者数は?

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様がどれだけいらっしゃるのか?

2009年8月8日以降、調査を開始いたしております。(正確には午後4時より)

2009年8月8日(土曜日)午後4時から、本日2009年8月28日午後4時までで、延べ2979人の方がさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログを閲覧していただきました。
一日平均141回のWEBページ表示がなされている計算です。

これだけ多数の皆様に、読んでいただけるなんてとてもありがたいことだなあとつくづく思っております。

これからも、読者の皆様に着て頂けるよう、努力してまいります。
今後とも末永くお付き合いください。

                             さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者一同

2009年8月28日金曜日

呼吸器内科・神経内科レジデント(後期研修医)募集中!!

さいたま赤十字病院では、先日、医学部6年生の皆様の「初期研修医」の採用選考試験が開催されました。

その結果と、マッチングとかいうシステムを通じて、さいたま赤十字病院で初期研修をされる皆様が決定されるようです。マッチングというものがあるため、初期研修病院は自分の意思のみでは決定できないしすてむなのでしょうか?

それに対して、さいたま赤十字病院の内科系各科のレジデント(後期研修医)の場合には、各科の医師と相談の上、レジデント採用選考を受けていただく形をとるので、より、皆様の希望どうりとなるかもしれません。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでは、これまで「呼吸器内科」と「神経内科」のレジデントの先生方の募集、見学希望を受け付けてまいりました。

まだまだ、間に合いますので、是非皆様見学にいらっしゃって自分の眼でさいたま赤十字病院を見てみてください。

「呼吸器内科レジデント」「神経内科レジデント」の各説明については、本ブログの過去の記事・投稿内容をご確認ください。

また、正式にレジデント(後期研修医)の募集要項が病院から発表されましたらさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでも案内させていただきます。

皆様の見学を心からお待ち申し上げております。

呼吸器内科・神経内科見学・お問い合わせは下記メールまで
    srcrespiro@gmail.com

2009年8月27日木曜日

新型インフルエンザワクチンでの新たな動き

新型インフルエンザは、今のところ、「免疫力がナイ」、「ワクチンがナイ」、「ナイナイインフルエンザ」であることは、何回か本ブログで記載させていただきました。



さいたま赤十字病院ブログ作者は、「新型インフルエンザ騒動」は、「アルアルインフルエンザ」に変わるまで、延々と続いていくだろうと予想いたしております。

逆にいうと、新型インフルエンザ騒動は必ず「終わり」があります。ゼッタイに終わります。(いつかは不明ですが)
別に、ワクチンが無くても、感染性の極めて強い(ウイルス事態の毒性が強い、弱い言っているのではないですよ)インフルエンザというウイルスによる感染症ですから、多くの人が感染を生じて、治った人々が増えれば増えるほど、流行は自然に収束に向かうはずです。

とはいっても、やはり、インフルエンザの感染事態が非常に重篤な病態をもたらす可能性のある方々が一定数いらっしゃることも事実ですから、「ワクチン」が早期に接種できることは望ましい状況かと思います。

「早くワクチン接種してください!!」と医療機関に問い合わせる前に、読者の皆様に少し立ち止まって考えていただきたい点があります。
どういう点か?
それは、ワクチンの「メリット」と「デメリット」についてです。

医療行為は、「ヒト」という生きている生物を対象に行われる行為であるため、「モノ」相手と異なり、「同じこと」を行っても残念ながら「同じ結果」にならない場合があります。
これは、一般の方々にしてみると、「なんで?」と思われるかもしれませんが、例えば、「カゼ薬」を飲んで、ほとんどの人は副作用がないのに、極一部の方々はアレルギー反応で重篤な病状となってしまうヒトがいらっしゃることでも、ご理解いただけるかと思います。
ほとんどの人には「安全」でも、極一部の方には「危険」な状況が全ての、医療行為に存在する危険性があります。なので、ブログ作者はこの世界に「100%安全」な医療行為は存在しないと考えております。

ということは、「新型インフルエンザワクチン」も100%安全なものとは、いえないと言うことになります。

また、「ワクチン」を接種したにもかかわらず、残念ながら「免疫応答」が得られず、新型インフルエンザウイルスに対する「免疫力」が獲得できない方々も一定数いることが考えられます。

インフルエンザワクチンの添付文書の例を下記URLでご参照ください。

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とし,予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。」(上記URLからの引用)

添付文書には上記のような記載もあり、新型インフルエンザワクチン接種優先順位に入っている(と思われる)妊娠中の方々には「接種しないこと」を原則とし、と記載があります。どうするのでしょか?

まあ、そうは言っても、「ワクチン」によって新型インフルエンザに対しての「免疫力」が得られるかもしれないメリットは非常に大きいかと思います。なので、ブログ作者は、新型インフルエンザワクチンを接種できる機会をいただければ、率先して接種師たちと思っております。自分の診療させていただいている患者さん達や、同僚の医療従事者を守るために。

そんな中で、新型インフルエンザワクチンについての新たな情報が入ってきました。

ワクチン副作用、国が救済…新型インフルで厚労相

(YOMIURI ONLINEより)

「国内で必要とされるワクチンは5300万人分。国内メーカーが年末までに製造可能なのは1300万~1700万人分にとどまり、厚生労働省は、不足分を欧米などの大手ワクチンメーカーから輸入する方針だ。しかし、海外製ワクチンにはワクチンの効果を増強するため、国内製にはない添加物が含まれており、予期できない重い副作用が起こる可能性が懸念されている。

 現在の予防接種法では、新型用ワクチンは接種するかどうかを個人に任せる「任意接種」の扱いとなり、副反応の補償を国が肩代わりすることは難しい。舛添厚労相は「予防接種法を体系的に変える必要があるが、それまでの間、目の前の危機に対応する特別立法で対応可能」と述べ、新型インフルエンザ用ワクチンに限って、補償や免責を認める特別措置法を検討する方針を示した。」(「」内引用です)

インフルエンザワクチンの副作用について、国がある程度補償してくださるのであれば、安心してワクチン接種を受けていただく環境ができてくるかと思いますので、この点は、「新型」インフルエンザワクチンのみではなく、全てのワクチンについて今後適応していただきたいものです。

また、「ワクチンの優先接種対象者」についても、「医療従事者」「学校の先生」なども対象者になるかもしれないような議論がなされているようです。是非ともお願いしたいものです。

現場で新型インフルエンザ診療に従事している医療従事者に対して、「国民全員でバックアップ」していただけるような環境整備をお願いしたいと思います。

確か、以前舛添大臣は「オールジャパンで新型インフルエンザに立ち向かう!!」とかおっしゃっていませんでしたっけ?

オールジャパンで、国も地方自治体も、そして国民の協力をいただきたいと思っている。」by舛添厚生労働大臣

今こそ「オールジャパンで」新型インフルエンザに対応していかないといけませんね。(その前に衆議院議員選挙(と最高裁判所裁判官の国民審査)がありますが)

2009年8月26日水曜日

インフルエンザワクチンの最優先対象は医療従事者

新型と言われるインフルエンザウイルスに対してのワクチン接種対象者のお話が、いろいろと議論されているようです。

まあ、少し考えればわかることですが、インフルエンザワクチンの最優先順位は医療従事者です。

まずは、YOMIURI ONLINEのニュースから(いつもお世話になっております)

新型インフルワクチン 妊婦、乳幼児ら優先


舛添厚労相は、準備するワクチン量を5300万人分とし、その内訳として「(糖尿病やぜんそく、心臓や腎臓の慢性疾患など)持病がある人」1000万人、乳幼児600万人、小中高校生1400万人、妊婦100万人、治療にあたる医療従事者100万人、65歳以上の高齢者2700万人(600万人は持病がある人と重複)などが入るとした。

 舛添厚労相はこのうち優先接種の対象として、「妊婦と乳幼児、持病がある人が計1700万人」と位置づけた。計1700万人分は、国内生産量に当たる量だ。」(引用終わり)

舛添大臣は、選挙が近いから、このような発言をしているのでしょうか?

医療従事者100万人とは、チョット少ない見積もりのような記がします。ブログ作者の考える「医療従事者」は、「医師」「看護師」などだけではなく、介護や老健施設などで働いていらっしゃる「介護職」の方々も含めるべきだと思っております。

チョット考えてみればわかりますが、妊婦さんより、乳幼児より、持病のある人よりも優先して「医療従事者」をワクチン接種対象にしなければなりません!!

誰が「妊婦さん」を診療するのでしょうか?出産という医療行為を行うのはだれですか?

だれが「持病のある人」の診療やケアをするのですか?

医療従事者がインフルエンザになると、ケアや診療の対象「患者さん」にインフルエンザを感染させてしまうリスクがあります。そのため、毎年、多くの医療従事者が率先して「インフルエンザワクチン」を接種してきたのです。(自費のところも結構ありますが、患者さん達やケア対象者の方々のためにです)。

厚生労働大臣自ら「医療従事者は最優先でワクチン接種していただきます。医療提供体制を守るために」とか言ってもらわないと、もしかしたら、「妊婦さん」や「持病のある人」よりも先に「医療従事者」がワクチンを接種したら、マスコミなどに叩かれるのではないかと心配いたしております。

ワクチンを接種する、「医師」「看護師」がインフルエンザで倒れたらどうするのでしょうか?ワクチンを患者さんに接種する人々がいなくなってしまいます。

今の国民感情では、「医療従事者優先」とか言ったら、選挙で不利になってしまうのかもしれませんが、もう少し考えて発言してほしいものです。

2009年8月24日月曜日

豪華講師陣による感染症の講義

ひそかに、日本感染症学会のWEB SITEで案内されていましたので、ここでもお知らせさせていただきます。

何がスゴイって、講師陣が凄すぎます。

第83回日本感染症学会総会・サテライトセミナー「感染症の診断シリーズ」

開催日:2009年10月10日土曜日14:00から

場所:京王プラザホテルエミネンスホール

群馬大学の佐竹先生の薬剤感受性成績の読み方、考え方はとても勉強になります。
(毎年、杏林大学の先生方が主催で開催されている勉強会、講演会でご教授いただいてます)

身体所見は、筑波大学の徳田先生、画像診断は埼玉医大の酒井先生、真菌症が昭和大学の吉田先生などその道のプロ講師陣です。

また、海外からの招聘講師の先生の「β-グルカンとは何か?」という講演も気になります。

これだけ盛りだくさんで参加費1000円は極めてオトクな勉強会なのではないでしょうか?

感染症の勉強がしたい皆様で都合のつく方々は参加されてみてはいかがでしょうか?

2009年8月23日日曜日

新型インフルエンザの治療方法-自宅で寝てよう-

皆様はインフルエンザにかかったことあるでしょうか?もしかしたら話題の「新型」インフルエンザにかかったという流行の最先端?にいる人もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは、インフルエンザの治療原則について書かせていただきます。

まず、最初に、インフルエンザは何もしないでも治る人がほとんどという事実を再認識してください。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者が医師になりたてのころの約10年前には、「タミフル」「リレンザ」は、日本で使用できる状況ではありませんでした。というか、発売されていなかったためインフルエンザ治療薬は「無い」のがスタンダードな状況でした。

実は、診断のためのキットもありませんでしたので、冬季のインフルエンザ流行期には、高熱や咽頭痛などの激しいヒトを、臨床症状から「インフルエンザかな?」と診断していた状況です。

なので、病名に自信をもって「インフルエンザ」などとつけることはできず、「急性咽頭炎」とか「急性気管支炎」「急性上気道炎」などの病名で診療していた記憶があります。

2000年代初頭に、インフルエンザ迅速診断キットが登場。それと同時くらいに「リレンザ」という吸入抗インフルエンザ薬が先に登場しました。

「リレンザ」が登場した当時は実は、あまり認知度が高くなかったことと、まだまだインフルエンザの迅速診断キットが普及していなかったこと、吸入の仕方がなかなか理解されにくいなどの理由から影の薄い存在でした。

その後、「タミフル」が発売。発売当初はそれほどでもなかったと思いますが、翌年、インフルエンザの大流行があり、マスコミが「タミフル」飲むと早く良くなるという感じで、一般市民の皆様を煽るような感じとなり、大々的に「タミフル」が使用されるようになりました。
ということは、それまでは、日本中の皆様が「インフルエンザ」になっても、対症療法や安静などの処置のみで回復されている人がほとんどであったわけです。

その後、の状況は皆様も記憶にあるかと思いますが、「10歳台の若年の方々のタミフル異常行動問題」でのマスコミの「タミフル叩き」は相当なものがあり、タミフルの使用頻度は急速に減って言ったのを実感しておりました。それが、今年の3月ごろまでのインフルエンザを取り巻く状況でした。

それが、今回の「新型」インフルエンザ騒動で、何か新型インフルエンザになったら「タミフル」「リレンザ」を使用しないと大変なことになる感じの報道がなされているのが非常に残念に思います。

昨年あたりですと、「A型インフルエンザです」と患者さんに病名を告げて、「治療どうする?」というと、「タミフル副作用コワイから、安静にしてます」というヒトがとても多かったため、逆に「適正使用」できていたという状況がありました。

今はどうでしょうか?「インフルエンザ」=「タミフル・リレンザ処方」のようになっていませんか?

ほとんどのインフルエンザ患者さんには「タミフル」「リレンザ」は必要ない病状であると考えます。

それ以上に問題なのは、使用頻度が増せば増すほど「耐性」ウイルスの出現頻度の増加の問題がコワイ状況となってきます。

「イイカゲン」な抗ウイルス薬の使用も、耐性ウイルス出現に影響しているのではないかと推測されております。

もし「タミフル」「リレンザ」を処方された人は、必ず5日間使用しきってください!!

また、いろいろな理由で「予防投与」された場合には、必ず「1日1回」使用し、ゼッタイに10日間使用を完結させるようにしてください!!(副作用がなければの話)

莫大な数のインフルエンザ患者数となった場合には、「タミフル」「リレンザ」が足りなくなるだけでなく、医療従事者が対応できなくなるという問題も生じるかもしれません。

元気な一般のヒトが新型インフルエンザにかかってもほとんどのヒトは、安静にしていれば治ります。

極一部の人々のみが重症となっていることは、報道を通じて皆様がご覧になっているとうりです。

病院には、多くの「インフルエンザハイリスク患者」さんが普段からかかっていたり入院していたりします。
元気な新型インフルエンザの患者さんが病院にやってくると、そういったハイリスク患者さんに「新型インフルエンザ」が感染してしまうリスクを高めてしまいます。

新型インフルエンザにかかってもおおくの体力のある元気な方々は、発熱やのどの痛み、鼻水程度では医療機関にかからず、自宅安静が最もよいのではないでしょうか?

皆様の勇気ある行動を期待いたしております。

さいたま赤十字病院公式HPがリニューアル!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様

ついに、さいたま赤十字病院公式HPがリニューアルオープンいたしました。


以前の、HPと比較して、見た目の綺麗さと見易さが進化していると思います。

また、各科の紹介記事も比較的しっかりとしていて、以前より恥ずかしくないものに仕上画っているかと思います。

皆様是非、一度、さいたま赤十字病院公式HPをご覧ください。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログへのリンクは呼吸器内科紹介ページの一番下にあります。

ホントに医師不足!? 医師不足アンケート締め切りまで一週間

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様。

右側ガジェットで、密かに行われている医師不足アンケートがあと約一週間で締め切りとなります。

まだまだ間に合いますので、皆様是非アンケートご協力下さい。

2009年8月22日土曜日

分子ばかり見て分母を見ない国 日本 by Dr.森澤

森澤先生に、第3回さいたま感染症勉強会の講演終了後の質問時間にホンノ少し、新型インフルエンザについてお話いただきました。

その中での名言です。

新型インフルエンザウイルス感染症で残念ながら亡くなられた方々の御冥福をお祈り申しあげます。

ただ、亡くなられた方々の背後には膨大な数の新型インフルエンザの患者さんがいたことにも眼を向けて下さいというメッセージかと思いました。
新型でも季節性と言われる物でもインフルエンザの患者さんが、何万人にもふえれば、ある一定確率では間違いなく亡くなられる方々が残念ながらでるのは避けられません。日本では亡くなられた方々にのみ非常に焦点があてられて居ますが、今後各地で大流行が生じた時の対策はしっかり出来ているでしょうか?インフルエンザ迅速診断キットの感度の問題、タミフルやリレンザの適正使用の問題は皆様大丈夫でしょうか?

まだまだ手に入らないワクチンのことばかり考えないで、現実に今出来る事を自分のアタマでじっくり考えてみましょうね。

2009年8月19日水曜日

薬剤師の先生むけ勉強会のお知らせ

講演会のお知らせです。

2009年9月29日火曜日に埼玉県病院薬剤師会と大日本住友製薬の共催で、

第20回感染制御専門薬剤師勉強会が開催されます。

そちらでブログ作者が肺炎について講演させていただきます。

演題:肺炎診療の基本事項と抗菌剤の使い方


対象は薬剤師の先生方と伺っております。
ご興味のある薬剤師の先生は、上記WEB SITEや埼玉県病院薬剤師会、大日本住友製薬のMRの皆様などにお問い合わせください。

さいたま感染症勉強会にも、多数の感染症を勉強されている薬剤師の先生方が参加してくださっております。埼玉県における感染症診療レベルのさらなる向上に貢献できましたら幸です。

「強い」「弱い」というのはいかがなものか?新型インフルエンザ襲来

当初「新型」インフルエンザが日本中の話題をさらったときから、「強い」だの「弱い」だのといった言い方で「新型」インフルエンザを報道する日本のマスコミの皆様が多数いらっしゃいます。

また、「意外に『強力』」との報道です。

致死率0・5%…新型インフルは意外に強力


(YOMIURI ONLINEより。いつも大変お世話になっております)

「チームは、米国とカナダで今年5、6月までに新型に感染し、遺伝子診断を受けて確定した患者数と死者数を使い、独自の手法で計算。新型の致死率は、通常の季節性インフルエンザ(0・1%)より高く、世界で100万人以上が亡くなったアジア風邪(0・5%)並みと推定された。」

致死率が、0.5%と通常の季節性インフルエンザより5倍も高いと、読者が受け取る可能性の高い記載内容ですが、ここで賢明なさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様は単純な「季節性」インフルエンザと「新型」インフルエンザの比較は全く意味をなさないことを考えないといけません。

ブログ作者はおそらく、死亡率は公平な視点で見ると「季節性」と「新型」はそれほど変わらないのではないかと考えております。0.1%と0.5%では5倍違うように見えますが、通常の「季節性」インフルエンザは毎年「ワクチン」による予防がかなりしっかりとなされており、致死的な状況にいたることが予想される、「透析患者」や「高齢者」、「小児」、「心肺疾患保有者」などはおそらく日本では「ワクチン」を接種されている人々が多いのではないかと思います。

「ワクチン」による予防がなされている「季節性」インフルエンザとワクチンがまだ無い「新型」インフルエンザを同様に比較しても無理がありますね。

「新型」インフルエンザだって、当初報道されていたように「海外旅行」にいけるような若者や元気な人、「スポーツ系部活動の可能な高校生」などでは、「死者」の報告はありませんでした。
もちろん今後、感染者が莫大な状況になれば当然「健康」な方々らも残念ながら亡くなられる方々が出る可能性はありますが、やはり低いかと思います。

現在報道されているように「ハイリスクグループ」の方々がやっぱり死亡リスクが高いと考えるのが妥当でしょう。

なので「季節性」と比べて「5倍」も死亡率が高い!!と声高に報道するのは、一般の方々にいたずらに恐怖心を煽ってしまう感じがしてチョット嫌な感じを抱きました。

まあ、「インフルエンザ」について皆様に関心を持っていただくのはとても良いことですから、報道はしてほしいのですが、内容については「パニック」を誘導する可能性を潜在的に秘めているニュースなだけに慎重にしてほしいところです。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様はインフルエンザウイルスについては、「強い」だの「弱い」だのと言った議論ではなく、「免疫力」が「アル」か「ナイ」かの議論が正しいことはご理解いただいておりますね。

それにしても、本文中には「強力」なんて言葉一言もでてこないのに見出しにのみ
「新型インフルは以外に強力」とか使うのも微妙ですね。
専門家はだれも「強力」とか言ってないようです。

それにしても早く「新型」インフルエンザワクチンが接種できるようになってほしいです。

さいたま赤十字病院呼吸器内科で接種が可能になりましたらまたブログでもお知らせするかもしれません。(宣伝可能であればです)

医療従事者の職業感染と針刺し事故

昨日も、救命病棟24時を見てしまいました。

最後の方で、進藤先生がHIVの針刺し・職業感染症についての映像が駆け足で出ていましたが、一般の方々は良くわからなかったかと思いますので、ブログ作者なりの解説を勝手に加えたいと思います。

まず、医療従事者は皆「職業感染症」のリスクにさらされております。

「職業感染症」とは?簡単にいうと、仕事中に、仕事が原因で起こってします感染症のことになります。
労災認定もされるしっかりとした保証がなされる感染症です。(雇用主がちゃんと労災保険に加入していることが必要かもしれませんが)

なので、「救急外来で新型インフルエンザの患者の診療後、新型インフルエンザに感染した研修医」とかいう事例も「職業感染症」となります。
また、救急病院で非常に多いのが、「結核」の職業感染症です。
救急医療の現場では、「命を助ける」という文字どうり「救命」を最優先するあまり、自分たち
医療従事者の安全」の意識がなかなか育ってきませんでした。そのため、重症だから取り急ぎ入院!!というようなことをやってしまうと、胸部レントゲンの読影がおろそかになり、隠れていた「結核」を見逃してしまう危険性を潜在的にはらんでおります。

ブログ作者は全てのスタッフに、入院を決めるのはいいが、入院する「場所」の決定はかならず胸部レントゲンを読影したあとでとお話いたしております。

万が一、画像上、結核の疑いがあれば取り急ぎ「個室隔離」の対応をとっていただきます。
ホントウに結核であって、しかも、「排菌」されている患者の場合には、さいたま赤十字病院では対応困難なため、結核専門病院に転送することになります。

今回の、「針刺し事故」ですが、結構な頻度で病院内では発生いたしております。

気をつけていても、なかなか「ゼロ」にはならないものです。

なので、イザというときに「パニック」にならないように今のうちから対応を覚えておいていただきたい事項になります。

針刺し事故が起こったら?

まず、針刺し事故をしてしまった本人は非常に「ショック」を受けております。決して責めるような言動はつつしみ、暖かく、見守ってあげてください。
①まず、指した部分を水洗いします。
②相手患者の感染症検査結果のチェック:通常HIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、±HTLV1
③自分の感染症状況把握するための感染症採血
④もし、相手患者がなんらかの感染症があった場合には、各施設に備わっている針刺し事故マニュアルのようなものを参考に対応

ここで、大事なのは、「ワクチンで予防」できる針刺し事故感染である「B型感染」は必ずワクチン接種しておくことです。
ワクチン接種してもB型感染の抗体価上昇が得られなければ、γグロブリン製剤の使用となります。

また、「HIV」についても、針刺し事故後にすぐに、抗HIVウイルス薬を内服し始めることが推奨されております。テレビでは、2時間以内と言っていましたが、チョット古い情報で、今では「なるべく早く」と推奨されております。予防内服にしようする薬剤は、HIV領域の劇的進歩があるため、少しづつ換わっておりますので最新のデータをご確認ください。

C型肝炎については、残念ながら予防方法が無い状況です。定期的な採血検査で経過を追っていき、もし感染していたらインターフェロンなどでの治療となります(労災保険でできることになっております)

なお、針刺し事故での各感染症の感染率は是非記憶しておくことをお勧めいたします。
(以下簡単に覚え易いものを記載します)

B型肝炎 → 30%
C型肝炎 → 3%
HIV    → 0.3%

2009年8月18日火曜日

神経内科レジデント(後期研修医)募集!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科は、他科との交流も豊富に行っております。

特に神経内科とは、縁が深く、誤嚥性肺炎や、神経筋疾患の疑われる呼吸不全など互いにコラボレーションして診療に従事いたしております。
昨年度は、現在呼吸器内科でレジデントをされている先生が、3ヶ月間さいたま赤十字病院神経内科で修行させていただきました。

さいたま赤十字病院神経内科は呼吸器内科よりも、内科系の独立が早く、歴史のある診療科です。
ただ単に歴史があるだけでなく、一流の指導スタッフの先生方が「病歴」と「身体所見」からどこまで迫れるのか?に重点を置いた指導をされています。もちろん受身の勉強ではなく、積極的な勉強も豊富な症例があり可能となっております。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も、研修医時代に当院神経内科で修行させていただきましたが、頭部CTやMRIなど検査に頼り切るのではなく、「病歴」と「身体所見」で、どこら辺の異常所見が推定できるかを、あらかじめ想定してから、CT、MRIを読影するように適切に指導していただいた記憶があります。

また、さいたま赤十字病院神経内科の特徴として、さいたま市周辺では珍しく、常勤神経内科医が4-5人いらっしゃるため、充実した指導体制も売りかと思います。

本ブログの読者の中には、「感染症好き」な方々も多いかもしれませんが、「髄膜炎」「脳炎」などの「中枢神経感染症もとても豊富です。

ブログ作者が感染症専門医試験のための髄膜炎症例を探しているときも、神経内科の先生方にその旨お話しておくと、すぐに症例が集まってしましました。



そんなスバラシイ環境のさいたま赤十字病院神経内科で、神経内科専門医を目指すレジデント(後期研修医)の先生方を募集いたしております。

このように充実した神経内科の勉強ができる施設はさいたま市周辺では、さいたま赤十字病院以外には無いのではないかと思っております。

神経内科のプロフェッショナルを目指そうと思われている先生方がいらっしゃいましたら是非さいたま赤十字病院神経内科レジデントにご応募ください。

まずは、メールでお問い合わせください。下記メールアドレス宛に
「さいたま赤十字病院神経内科」見学希望
のメールを送信していただきましたら、当院神経内科スタッフに転送させていただきます。

引き続き、呼吸器内科レジデントも募集中です。随時見学可能ですので、同様に下記メールに
「さいたま赤十字病院呼吸器内科」見学希望
とお書きください。

srcrespiro@gmail.com

新型インフルエンザ流行 第2波か?

いつ、「新型」インフルエンザの患者さんが目の前にいらっしゃるかわかりません。

医療従事者はだれしも「いちばん最初」に「新型」インフルエンザ患者を診ることになる可能性が誰しも必ずあります。

そんな中で、新型インフルエンザ流行「第2波」のニュースです。

新型インフル「第2波」の可能性 厚労相、注意喚起へ

(NIKKEI NETより)

「感染研によると、第32週(8月3~9日)に定点観測している全国約5000の医療機関を受診した患者数は4630人で、1医療機関当たり0.99人となり、全国的な流行の指標である1.0人にほぼ達した。」

さいたま赤十字病院の職員の皆様も、いつだれが「新型」インフルエンザになるか分からない流行状況となっております。

特別な対応をするのではなく、日頃からいつインフルエンザが来ても大丈夫なように警戒するしかありません。

新たな型のインフルエンザウイルスは、必ず出現するはずですから、いつでも対応できるようなトレーニング、心の準備をしておきましょう。

まあ、言うのは簡単ですが、実際に対応する医療従事者の心労は相当大きなものであることも皆様ご理解ください。

ブックマークやお気に入り登録を!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様

さいたま赤十字病院の公式ホームページが、劇的に進化することになりました。

近日中に進化したさいたま赤十字病院公式HPがご覧いただけるかと思います。

公式HP進化に伴いまして、これまで、さいたま赤十字病院公式HPのトップページで、リンクしていただいておりましたが、かなりわかりずらいところにリンクが移動する予定です。

この機会に是非、「ブックマーク」「お気に入り」登録をお願いいたします。

これからも、末永くさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをよろしくお願い申し上げます。

臨床研修医採用試験

昨日(2009年8月17日月曜日)と本日2009年8月18日火曜日)はさいたま赤十字病院の平成22年度臨床研修医採用試験が行われていおります。

研修医採用試験を受験される医学部学生の皆様、お疲れ様でした。

さいたま赤十字病院を第一希望にされているかどうかは、わかりませんが、もし、さいたま赤十字病院での初期研修が、いろいろな理由でできなかったとしても、残念がることはございません。

「どこ」で初期研修をするか?ではなく「どのように」初期研修にのぞむか?が大事です。

8/20に第3回を開催させていただく、「さいたま感染症勉強会」のような企画を、いろいろなところが開催してくれている、研修医の皆様にとっては非常に恵まれた環境がどこにいても得られる時代です。

もし、「さいたま赤十字病院呼吸器内科」で、勉強しようと考えてくれていた人で、さいたま赤十字病院での初期研修ができなかった人がいましたら、ぜひ、2年後、「さいたま赤十字呼吸器内科レジデント(後記研修医)」を目指して頑張ってください!!

レジデントにつきましては、各科の裁量がかなりある部分ですので、「さいたま赤十字病院呼吸器内科」で勉強したい意思を示していただけましたらなんとかなる可能性がございます。

2年間の初期研修期間で当初の希望と考えが変わる人も多数いますので、じっくり考えてみてください。

2009年8月15日土曜日

リアクションを追加!!

各記事の一番下の部分の「リアクション」を追加いたしました。

各記事・投稿内容をお読みいただき、内用が「GOOD!!」もしくは「良い」と思われたら、

チェックボックス=□をクリックしてチェックしてください。

リアクションの、回数なども、今後の本ブログ記事・投稿内容に反映させていこうと考えております。

ちなみに、過去の記事・投稿にもすべて、「リアクション」追加されております。

お気軽にリアクションをクリックしてみてください。

また、コメント欄も、皆様が記載しやすいようにアレンジしなおしましたので、皆様コメント欄へのご意見、ご要望もどうぞ。

ナイナイインフルエンザ-ワクチンが無いインフルエンザのコワサ!!-

もうそろそろ「新型」がとれてもいいと思っているけど、日本では「新型」に慣れているので、さいたま赤十字病院呼吸器内科部ブログでも、もうしばらくの間「新型」インフルエンザ(AH1N1)と呼ばせていただきます。

時間の問題とは思っておりましたが、ついに、「日本国内での新型インフルエンザが原因での初の死者」の報道が、本日発表されました。

亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。

【新型インフル】初の死者は宜野湾市の57歳男性 心筋梗塞の治療歴 (MSN産経ニュースより)



「県によると、男性は心筋梗塞(こうそく)の治療歴があり、慢性腎不全人工透析を受けていた。9日午後から、のどの痛みなどの体調不良を訴え、10日には37度台の発熱があったため簡易検査を受けたが、結果は陰性だった。12日、透析中に39度まで体温が上昇したことから、再度簡易検査を受けたところインフルエンザA型陽性と判明。タミフルを投薬され入院したが、14日未明から容体が悪化し、15日午前6時54分に死亡した。」

という経過のようです。

まず、一般の皆様に覚えておいていただかなければいけないのは、「インフルエンザは、通常の季節性のインフルエンザでも死に至ることがある病気」であるということです。

別に「新型」インフルエンザウイルスが、恐ろしいから「死」にいたったというわけではないことは、これまでの日本国内での多数の新型インフルエンザ患者報告でも、ほとんどの方が「回復」されていることからもご理解いただけるかと思っております。

では、いわゆる「新型」インフルエンザと「いつもの」インフルエンザでは、いったいなにが違うのか??

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は「ワクチンが無い!!」ことと、「免疫力がない!!」ことが最大の違いかと思います。

『新型』と言われるインフルエンザウイルスは、今現在、日本国内では使用可能な「ワクチンがありません」。また、過去に「新型」インフルエンザにかかったことのあるヒトは極めて少数です。

なので、ほとんどの日本国民が「新型」インフルエンザウイルスに対して「免疫力」がないのです。

それに対して、『季節性』といわれる「いつもの」インフルエンザは、ワクチンがあるし(必ずしも全ての日本人が接種しているわけではありませんが)、毎年似たようなインフルエンザウイルス株が流行するため、過去の感染により「免疫力」が多少なりとも備わっている点が異なります。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの過去の記事に

「ナイナイインフルエンザ」

という、チョット微妙なタイトルの投稿がありますが、ブログ作者的には非常に良いネーミングかと思っております。

ワクチンがナイ」、「免疫力がナイ」インフルエンザ。「ナイ」「ナイ」インフルエンザです。

「新型」インフルエンザとかいうから、よくとらえどころの無いネーミングなのだと思いますので、もしマスコミの皆様で、本ブログをご覧いただいている方々がいらっしゃいましたら、是非「ナイナイインフルエンザ」という言葉を使ってください。

ただし、「ナイナイインフルエンザ」ウイルスは、しばらくすると必ず「アルアルインフルエンザ」に変化します。これは、ゼッタイに起こる変化ですので安心してください!!

「アルアル」インフルエンザに変わる理由その①
ワクチンが皆様の、体に「新型」インフルエンザに対する「免疫力」を形成します!!
毎年、。さいたま赤十字病院呼吸器内科でも「インフルエンザワクチン」を必要な方々に接種させていただいております。ただし、今年は多くの「皆様」が「ワクチン接種したい!!」と医療機関に殺到することが予想されます。

どのようにインフルエンザワクチン接種者を選定するのか?これまでの諸外国(特にアメリカ)からの報告で、「新型」インフルエンザウイルス感染症になると命にかかわる重症の方々のグループが、ある程度特定されております。
例えば「妊娠中の女性」、「呼吸器・心疾患」、「肝・腎疾患」など基礎疾患のある方々です。
今回の方も「慢性腎不全で透析中」との報道でした。

なので、こういった「ハイリスクグループ」と呼ばれる人々を優先して「ワクチン接種」を勧めていくことになるかと思います。

「アルアルインフルエンザ」に変わる理由その②
おそらく、しばらくすると、「新型」インフルエンザウイルス感染症は日本国内でも「大流行」することになるでしょう。

そうなると、一度感染して「回復」された方々は、もう「新型」インフルエンザに対しての「免疫力」を獲得されている状態となるため、次の感染では「免疫記憶」が働き、以前の感染よりも症状が軽くなる、もしくは回復が早くなることが予想されます。
こういった人々ばかりの状態となれば、もうそれほどコワイウイルスではありません。

ただし、これは「一度かかったらもうかからない!!」と言っているのではありません。免疫記憶は残っても、時間とともに、インフルエンザウイルスに対しての免疫力は低下していくことがわかっております。なので「毎年」ワクチン接種を行っているのですね。とはいえ、極少ないレベルでは「免疫記憶」が残ると考えられていますので、やはり一度かかってしまえば、もう「アルアルインフルエンザ」といってよいかと思います。

正しい知識と理解が「新型」インフルエンザウイルスによる「パニック」を回避する唯一の手段です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでは、一般の市民の皆様、医療従事者の皆様などに「正しい情報」を提供することをこれからも心がけていきたいと思います。

とはいえ、なにぶんブログ作者もまだまだ勉強中の身です。

もし、間違っている点や不備な点がございましたら遠慮なくコメント欄やメール等でご指摘いただけましたら幸です。

初期研修医マッチングについて

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様が、どのような方々なのかは、ブログ作者には全くわかりません。

おそらく、少数のヒトは、さいたま赤十字病院で初期臨床研修を受けようと思っていらっしゃる医学部学生の皆様もいらっしゃることを想定して書かせていただきます。

まず、「病院見学」については、全く評価されません(少なくともブログ読者は評価しておりません)。

一部で「都市伝説」的に、病院見学の際に、各学生の皆様が評価されるような「ウワサ」を、見聞きいたしますが、さいたま赤十字病院に関しては、そういうことは全くございません。学生の皆様の見学の際に、案内しているのは、実際に選考に当たっている先生方ではなく、ブログ作者のような「平」の医師がほとんどです。

当初は、見学される各所属部長が、ご案内申し上げる部分もありますが、初期研修医の皆様の評価をしているとは聞いたことがありません。

もうそろそろ、「マッチング」という、初期研修医を目指す医学部学生の皆様と、各研修病院の間での、希望調査を基にした、選考会?が開催されるようです。ブログ作者は10年以上昔に医師になったため、「マッチング」とかいうものを体験してないので、チョットイイカゲンな書き方かもしれませんので、間違っていることかいていたら教えてください。

なんでこんなことを、わざわざ書くかというと、「評価されている」と思ってしまうと、せっかくの病院見学の際に、妙な勘ぐりが働き、本当に見聞きしたい事柄を見たり、聞いたりする機会を失ってしまうのではないかと思ったからです。

いろいろと聞かれるのは全然かまわないのですが、「選考試験ではどのような問題がでますか?」とか、「面接ではどういうこと聞かれますか?」とかをブログ作者に聞かれても、実際に試験を受験したこともないし、そのようなものを作成する立場にもありませんので答えようがありません。ご了承ください。

なので、あまりいろいろなこと考えすぎずに、医学部学生の皆様、是非安心して、さいたま赤十字病院の見学にいらしてください。まずは見学されてみてから「どうしようかな?」でいいのではないでしょうか?

多数ある臨床研修病院を沢山見学していただいた上で、いろいろと検討を重ねて、それでも「さいたま赤十字病院で研修してみよう!!」と決断されたのなら、それはとても良い決断だと思います。研修を開始してから、後悔しないようにしましょうね。

2009年8月14日金曜日

市中感染症診療の考え方と進め方 by IDATEN


日本感染症教育研究会の、皆様がまとめられた市中感染症の実践的なテキストが出版されました。

(上記URLクリックで医学書院のWEB SITEにつながります)

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者のインプレッションでは、本書は感染症診療について、少しは勉強された先生方を対象に、市中感染症診療のおさらい的に勉強する本かと思っております。

一番最初に、青木眞先生の「感染症診療の原則」ミニマムエッセンス版が、記載されております。ただ、かなり「要約」された記載事項なため、これまでに、若手医師セミナーなどで「感染症診療の原則」を聴講されている人でないと、チョット?なところがあるかもしれません。

また、その後、症例ベースの重要項目の記載の仕方も限られた紙面の中で、とてもよくまとまっております。

もう少し、基礎的な感染症のテキストを読んだあとだと、本書の内用の理解がとても進むかと思います。
いろいろなところで、感染症の勉強をすでにはじめられたヒトで、さらに症例ベースで勉強するためには、とても勉強しやすい内容と思いますし、なにより、著者の皆様が、現在の日本の臨床感染症分野の新進気鋭の先生方ばかりですので、安心感を持って読み勧められます。

読者の視点に立つと、「文字」がそれほど小さくなく、また、約200ページ程度と、一気に「通読」できる程度分量であることが助かります。
どのようなテキストでも、やはり「全部読みきった!!」という満足感は、いつも何者にも帰られないものではないかと思っております。(エラソウなことかいてますが、購入したほとんどの教科書は通読できないブログ作者ですが。。。)

値段も手ごろに3500円(+税)と抑えられております。皆様是非、読んでみてください。

あえて「市中感染症」を本書に冠しているところを見ると、近日中に院内感染関連でもテキストを出版されるのではないかと期待いたしております。

2009年8月13日木曜日

ご連絡

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様。

本日より、ブログテンプレートを一新してみました。

そのため、これまで「左側」にあった「ガジェット」が全部「右側」に移動いたしております。

過去の記事では、「左側ガジェット」と記載がありましたら、「右側ガジェット」と読み替えてください。

ご迷惑をおかけいたしますが、読者の皆様、何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

                       さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ製作者

2009年8月12日水曜日

非結核性抗酸菌症

最近、地震、台風、大雨など、天災による尊い人命が失われるニュースが相次いでいて、人間の無力さを感じる方も多いのではないでしょうか?

まあ、そんな状況でも、さいたま赤十字病院呼吸器内科には、さまざまな症状や病気の方々が訪れます。

ここ10年くらいで、飛躍的?に患者数が多くなってきている(と感じている)病気の一つに今回ご紹介する

非結核性抗酸菌症があります。以前は非定型抗酸菌症とか言われていましたが、チョットわかりずらいので最近は非結核性こ抗酸菌症と呼ばれる頻度が増しています。

なにがワカリズライか?誤解の理由は「抗酸菌」とか「結核」という言葉にあるかと思います。

「非定型」って、定型なのはじゃあなに?→定型な抗酸菌感染症は「結核」のことをさしております。

ただ、なんとなく、「結核」のニオイがまだするため、じゃあ「非」をつけて「結核」にあらずとすれば、誤解が解けるんじゃない?とでも思ったのか「非結核性抗酸菌症」となりましたが、逆に「結核」という言葉が入っているため妙に不安や心配を感じられる方々もいらっしゃいます。

この、名前だけでもいろいろと複雑な「非結核性抗酸菌症」ですが、実は、「抗酸菌」という仲間の菌による感染症で、その内実は千差万別です。

多種類ある「抗酸菌」の仲間の感染症を、「お前ら全部にているから『非結核性抗酸菌症』にしとくから」といわれて命名された病気のため、原因菌は非常に多彩です。

なので、「非結核性抗酸菌症」といわれましたが、どうすればいいのでしょうか?
という質問をされても、医師の立場としては、どの「抗酸菌」ですか?という点がわからないと答えようがない質問となります。

とはいえ、「非結核性抗酸菌症」は日本では”MAC"と言われる菌種によるものが非常に多いため、
一部の方々の認識としては「非結核性抗酸菌症」≒MAC
とされている場合もあるかもしれません。

この”MAC”と呼ばれる抗酸菌も、実は2種類の菌をまとめてMACと読んでいます。
またまた、複雑にするヨウ素が増えて、ホントウにヤッカイな病気です。

MACはMycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareという菌の2種類からなっています。

この、メジャー2菌種は、お住まいの地域で実は大体推定できるという、不思議な状況となっています。

私どもの病院のある「東日本」の地域では”Mycobacterium avium”が原因となることが多く、西日本では”Mycobacterium intracellulare"が原因菌となることが多いことがわかっております。
では「なぜ」このような分布状況になっているのか?ブログ作者は不勉強でしりません。どなたかご存知の方いらっしゃいましたらご教授ください。

具体的な診断や治療方法については、「日本結核病学会」が平成20年4月に

肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針-2008年


を出されています。アメリカの学会(ATS、IDSA)の、肺非結核性抗酸菌症に関するガイドラインを参考に、日本向けにアレンジして作成されております。ただ本文章は、呼吸器や感染症に従事する専門家向けに作成されていますので、一般の方々にはチョット難しいかもしれません。

診断は、長引く咳や喀痰の症状がある人や、検診胸部レントゲンで「カゲ」があると指摘された人などで、胸部CT画像所見から、「非結核性抗酸菌症」が疑われた場合に、「痰」や「気管支鏡検査」などで原因となる「抗酸菌」の細菌検査を行い診断確定していきます。

診断が確定されたら、治療治療については、「専門の医療機関」での診療がなされる必要があります。

1年前までは、なんと「健康保険」が適応される薬剤がなかった「非結核性抗酸菌症」。
現在では、ちゃんと保険適応の治療薬がありますが、それでも、3種類以上の薬剤を併用してしかも、6ヶ月~2年場合によってはそれ以上の期間内服しなければいけない結構、大変な病気です。

また、細菌は「後天性免疫不全症候群」(AIDS)が基礎疾患にある方々で、「非結核性抗酸菌」が血液のなかに現れるような状態となる人がいます。非常に重症の免疫不全状態の方々に生じる病態で、適切な治療がなされないと、命にかかわる病気と考えられます。(因みに、免疫状態が正常な方の非結核性抗酸菌症はすぐにどうこうということはめったにありません。(例外はもちろんありますが))

なかなか、理解が難しい「非結核性抗酸菌症」。さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様には、こんな病気もあるんだなあということは覚えていただきたいと思います。

ホントに医師不足!?アンケート中間報告

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの左側ガジェット中間に、だれでも回答できるアンケートコーナーを設置しております。

選択枝を選ぶだけのアンケートですので、お気軽にご回答ください。
現在のアンケートは?「ホントに医師不足!?」です。
中間報告をさせていただきます。

ホントに医師不足!?

・悲劇的に医師不足         0 (0%)
・少し足りない感じがする     3 (17%)
・診療科によっては医師不足  4 (23%)
・まあホドホドに足りてる      2 (11%)
・若干医師余り気味        3 (17%)
・競合医院多くて収入減少    3 (17%)
・私の周囲では医師余り      1 (5%)
・もうすでに医師ワーキングプア  1 (5%)
・私にはよくわかりません...     0 (0%)

という中間結果となりました。医師「足りない」という意見と「あまっている」という意見がほぼ拮抗している感じですね。これまでのところでは、「診療科によっては医師不足」という項目が一位となっております。

それこそ、仕事が「キツイ」ところは、人手不足だけど、「ラク」な分野に医師が集中しているからもうウチのほうは医師余っているよという、皆様の予想どうりの結果なのでしょか?

まだまだアンケート受付中ですので、皆様ふるって御参加ください。

インフルエンザAH1N1-静かに拡大中ー

このブログをどのような方々が読者となっていただいているのか?

実は、ブログ作者も全くわかりません。

そのため、対象は『すべての人』(日本語が読めるヒト)と考えて、書かせていただいております。

まあ、そうは言っても、内容により、読んでいただく想定対象の方が自然と決まってしまうものもありますが、基本的には、日本語が読めるヒトならどのような人も歓迎させていただいております。

そのようななかでも、時間は刻々と流れています。インフルエンザ、静かに拡大中です。

新型インフルエンザ:4歳男児、脳症に 国内5例目--茨城


(毎日.JPより、いつも大変お世話になっております)
この方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。

そろそろ「新型」インフルエンザという表現がどうか?とか言った問題はおいておいて、マスコミ報道が少なくなっても、密かにインフルエンザは拡大中なのです。
この報道によると、国内5例目のインフルエンザ脳症とのことです。

ただ、「新型」インフルエンザだから「脳症」となるかというと、そうではなく、これまでのインフルエンザでも「脳症」の話題はいっぱいありましたが、通常の季節性インフルエンザでは、あえて「脳症」が報道されることはなかったため、一般の人々が目にする機会が無かっただけかと思います。

毎年、インフルエンザワクチンは「足りない」とか「あまっている」とかのニュースが秋口には聞こえてきます。でも、実際に本当に「ワクチン足りない」で、ワクチンを接種したいヒトが打てなかったことは、ブログ作者は経験したことがありません。

しかし、今回はチョット違うかもしれないと思っております。

本当に必要な人にワクチンが優先して届くようにするために、政治家、行政の人々が感染症のプロの意見を聞いて適切な対策をすることが求められます。

こういうところに「予算」をもって行きます!!というマニフェストを出した政党ってあるんでしょうかね?


2009年8月11日火曜日

医師の逃散

本日、フジテレビで「救命病棟24時」第4章を見ました。

現在の救急医療の問題点、特に医師の「逃散」について描かれた意欲作かと思います。

おそらく、多数の医療系ブログで、本作の内容についてはいろいろと意見が出るものかと思いますので、そういうところは他の人々にお願いしようかと思うのですが、医師の「逃散」がなぜ起こっているのかについては医療従事者ではない一般の皆様によく考えていただきたい問題かと思います。

現在、「医師不足」を解決しようと、各政党が「マニフェスト」として、「医師大量増産」を図ろうとしております。

「医師大量増産」をしたら、本当に必要な部分や地域に「医師」がいきわたると思って、行っているのだとしたら、チョットビックリします。

若手の医師は、別に「僻地」だからとか、「給料が低いから」とかだけで勤務地を決めてはいないように思います。

現に、「人気」の臨床研修病院の中には、「沖縄」とか、「北海道」とか、「千葉県の東のほう」とか、とても「都会」とは思えないような病院が多数あるからです。

また、「給料」という面でも、「低給料」でも「勉強できるところ」を選んで研修されている先生が多数いらっしゃいます。

なので、別に「地勢」や「お金」の問題だけで、「医師不足」が生じているわけではないことを十分に考慮しないといけないかと思います。

たとえ、「医師大量増産」をしても、「勉強にならない病院」には若手医師は見向きもしないと思います。

私たちの病院・地域は「医師を大事にします!!」というメッセージが伝わってくる地域・病院には、別に地勢の問題があろうが自然と医師は集まってくると思います。

逆に、なにかあったら『訴えてやるぞ!!』というような、市民や患者ばかりの地域では、自然に医師は「逃散」していき、いつのまにかだれもいないという状況になってしまうでしょう。

しつこいようですが、「医師不足」で本当に困っているなら、「うちの地域は『医師』を暖かく迎えます」というメッセージを是非出してください。「心」が大切なのです。

「お金」や「待遇」だけでは「医師」は動きませんよ。


上記は有名な「心の僻地」を歌ったyou tubeです、見たことある人多いかと思いますが、是非ご覧ください。

ICU実践ハンドブックの評価と補填


本日、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者の下にも、「ICU実践ハンドブック」が届きました。

ざっと、眼をとおして、見ましたが、なかなか限られたスペースの中で、著者たちの「イイタイコト」を十分に書くことができている内容かと思います。

自分の評価可能な分野(と思っている)感染症のパートは第9章になりますが、こちらを書かれている、先生方の多くが第一線で、救急や内科・感染症診療に従事している先生方になります。

第9章「感染管理のアプローチ」の部分のデキですが、構成も、内用もなかなかコンパクトにまとまっていて「便利」なつくりになっているかと思います。

「感染症診療の原則」の理論・精神を踏襲し、多くの項目に「レジデントのための感染症診療マニュアル第2版」が参考図書としてあがっているあたりも、ICUでの対応のためのマニュアルであっても、しっかりとした「感染症診療の思想」が根底にあるからこそ、このそうなすばらしい内容のものにできたのではないかと思います。

ただ、医学書に限らず、あらゆるテキストは、出版された段階で一部は「過去のもの」となっている部分があります。

印刷された「紙」の書物は、それが出版されるかなり前から準備をし、原稿を作成してようやく出版されます。

基本的な考え方については、年数がたっても「変わらない」部分が多いのですが、ココのデータや対応の実際については、本当に毎年毎年改定されていきます。

是非皆様、手にとって、自分の「得意分野」をまずは読んでいただき、もし、「ここはチョット違う?」とか、「最新のデータではこうかも」とかご意見ご要望がありましたら、羊土社までご連絡してあげてください。


上記羊土社WEB SITEもご参照ください。

ブログ作者も、本書を読ませていただき、気づいた点がありましたらまた本ブログなどに記載させていただきます。

2009年8月10日月曜日

ロボットの居場所

先日、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでご紹介いたしましたロボットは、どこに居るのか?


正解は、箱根登山鉄道の早雲山駅でした。

早雲山駅のどこかにヒッソリとたたずんで、静かに日本の未来を見守ってくれております。

夏休みの箱根は、ちょっと人が多いですが、皆様よろしければ行ってみて下さい。

2009年8月9日日曜日

ヒトを動かすチカラ

偉大な人間が、持っている最高の能力が「ヒトを動かすチカラ」であるとブログ作者は考えております。

突然、「なに言ってんだ?」と思うかもしれませんが、ご興味ある方はお付き合いください。

子供の世界では、「ヒトを動かすチカラ」はいわゆる「ジャイアン」的なチカラになります。

腕力が強いヒトや声の大きいヒトに、言われると、子供たちは逆らえず、ジャイアン的ヒトの言いなりに動くのかもしれません。

もう少し、大きくなっていくと、中学生や高校生などの世界では、腕力のウエイトが若干減少して、「言葉」の影響力が大きくなっていきます。

成熟した大人の世界では、腕力はますます影響力が小さくなっていき、「言葉」のチカラがとても大きくなっていきます。「ペンは剣よりも強し」でしたっけ?

どのような方法でも、いいのですが、「ヒトを動かすチカラ」を身につけることは、そうたやすいことではありません。ヒトは皆、自分の自由意志で動いております。そういう自由意志を持った人々を自分の思ったとおりに「動かす」というのは、並大抵の能力ではできないからです。

例えば、企業の『社長』さんは、「お金」という武器をつかって、従業員を「動かす」ことで利益を生み出すことをしております。これも簡単に言うと「お金」という武器で「ヒトを動かすチカラ」を得ている人々ということになるかと思います。

宗教の世界では、ヒトの「信仰心」という、眼に見えない「チカラ」を使って、信者を獲得しています。

医師の世界でも、なにか大きな仕事をやり遂げるためには、周囲の人々になんとか協力を仰いで、その人たちに自分の想定しているとうりに「動いてもらう」ことが必要です。これは、ヒトの「生命への尊厳」や「仕事に対しての使命感」などのチカラを利用しているのではないかと思います。

では、この偉大な能力である「ヒトを動かすチカラ」を最も発揮している人々はいったい誰か?

それは、一番多くの「ヒトを動かすチカラ」を持っている「政治家」の人々です。

「政治家」はどのような「ヒトを動かすチカラ」を持ているのか?
おそらく、「カリスマ」や「徳」と表現されるような能力をもった「言葉」なのかとブログ作者は考えております。これは、勉強や努力のみでは獲得できない特殊な能力なのではないかと思っております。

アメリカの現大統領は、”YES WE CAN"や”CHANGE”などの『言葉』のチカラを用いて、アメリカの多くの人々を文字どうり「動かす」ことをやってのけました。
アメリカという、個人の個性を尊重する社会において、これは、ものすごいことであると思います。

全く、知らない、いわゆる「赤の他人」に投票用紙で自分の名前を選ばせるということを、「言葉」のチカラを借りてやってのけてしまうのですから、ものすごい能力です。

では、日本の政治家の皆様は如何でしょうか?ほとんどが全くの他人であるはずの衆議院議員選挙で、はたして、自分の名前をしっかりと「有権者」に書かせることができるちゃんとした「政治家」の人々はいるでしょうか?

日本の未来を任せられる「偉大な能力」を持った政治家や政党。

そんなヒトや政党であれば、ブログ作者も喜んで氏名、や政党名を書かせていただきたいと思います。

ちなみに、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでは、特定の政治家や政党を支援することはしておりませんのでよろしくお願いいたします。


感謝 1000プロフィールビュー

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様

本日、ついにプロフィールビューが1000を突破いたしました。

これも、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様のおかげかと大変感謝いたしております。

ちなみにプロフィールビューは、ブログの左側ガジェットの中程にある、プロフィールをご覧いただきました読者のみのカウントですので、本ブログを見ただけではカウントされない数字となっております。

その為、おそらくさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをご覧いただいている読者の皆様の実数はその数倍かと思われます。

これを励みに、これからもブログ内容の更なる充実を図って行きたいと思います。

読者の皆様が、また読みたいなと思える、またいろいろな事柄に付いて考えるきっかけを提供できるようなブログに成長していけるように、努力して参ります。

これからも末永くお付き合いの程よろしくお願い申しあげます。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者

「病気」で死ねる幸せ

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は、どのように自分の『死』を迎えたいとお思いでしょうか?

なんて書くと、「お前医者のクセに『死』について書くのか!!」

とかいう、ご意見をいただきそうですが、呼吸器内科医はおそらく、病院内でも最も『死』に、接することの多い診療科のひとつであると思います。

いろいろな病気の方々が、入院されている病院ですが、『死』を迎える人々の多くは「肺炎」などの感染症が引き金となって亡くなっていくことがとても多いのが現実です。

いろいろな病気を持っていても、最終的には「肺炎」や「呼吸不全」で亡くなる人がとても多いのです。

「脳梗塞」や「心筋梗塞」「脳出血」、「大腿骨頚部骨折」、「胃がん」「大腸癌」などなど。いろいろな病気を抱えてても、その病気事態でなくなるというよりも、全身状態や免疫状態の悪化により、「肺炎」などの感染症を生じて、最終的に看取られていく方々がとても多いことを病院にながくいるととても感じております。

ただ、「病気」で亡くなる人と言っても、千差万別です。

市中で「心筋梗塞」や「脳卒中」となり、心配停止の状態で運ばれてきて、懸命の蘇生術を施しても全く効果なく、家族も間に合わないで、孤独になくなっている人々がいます。

対照的に、「肺癌」などの「癌」で、最後を迎える人々は、多くは自分の余命を感じていたり、病状が徐々に悪くなることが周囲の人々からも、よく見える病気のため、自分の「死」について考える時間を持てたり、周囲の人々もある程度心の準備をする時間が取れる死に方になります。

そもそも、「病気で死ねる幸せ」や「病院で死ねる幸せ」について、日本人は理解しているのでしょうか?

第二次世界大戦の状況では、おそらく「病気で死ねる」なんて日本人は思っていなかったことでしょう。

ではなんで「死ぬ」のか?

戦争でだれかに『殺される』心配をしなければならず、また、食料が無いため『飢え死に』の心配もしていたことでしょう。

今でも、中東やアフリカなどの国々では、毎日の生活が「死の恐怖」と隣り合わせの人々が多数いるのではないかと思っております。

では、日本はどうでしょうか?とりあえず、なんとか「飢え死に」する人はゼロでは無いと思いますが、非常に少ないかと思います。でも、「自殺」をする人は1年間で3万人を超えておりますし(平成20年で32249人みたいですhttp://www.t-pec.co.jp/mental/2002-08-4.htm
毎日のニュースで「殺人事件」や「交通事故」でどれだけの人々が亡くなっていることでしょうか?

そのように考えると「病気」で死ねることは「幸せ」と感じられませんか?

日本人は、いつの間にか非常に「贅沢」に成ってしまっているかと思います。(自分もそうです)

実は、今現在「生きている」ということはとても「ラッキー」なことであって、「幸せ」な偶然がいくつも重なり合ってようやく「生かされている」ということが理解できているでしょうか?

逆に、ちょっと「運が悪い」と「今日」でも「明日」でも、自分は地上に存在していないかもしれないのです。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様、是非今のうちに「自分の死」についてよく考えてみてください。そして、家族や周囲の人々と「死」について話あっておくことが、いつか役に立つときがくるかと思います。

人間は、有史以来「死なない人」はいないこといがわかっておりますから。

「ヒトは死ぬのがスタンダード」です。もし「俺は死なない」とか「300年生きてます」とか言う人がいたら是非お目にかかって見たいものです。


2009年8月8日土曜日

病院コンビニ

先日、埼玉県立小児医療センターに伺う機会がありました。

そこでビックリしたのは、院内にセブンイレブンがあったことです。

中に入って、うろつきましたが、街中のセブンイレブンと損失無い品揃えでした。

県立病院あなどれませんね

さいたま赤十字病院幹部の皆様もこういった点は是非とも見習っていただきたいと思います。

経営的な事もあるためいろいろと大人の世界の難しい問題も有るでしょうが、人生の大部長い間を病院で過ごさなければならない身としては、こういった所はとても気になりました。

研修病院選びにもこういったことが影響しそですね

呼吸器内科レジデント募集中!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科では引き続き、来年度からの

「呼吸器内科レジデント」(後期研修医)の先生方を募集中です。

昨日は、都内の傍巨大病院で研修されている先生が、さいたま赤十字病院呼吸器内科にお忙しい中見学にいらしてくださいました。大変ありがとうございました。

さいたま赤十字病院呼吸器内科は、いわゆる「有名」、「1流」の研修病院ではありません。

ですが、有名病院に負けない「無名」・「3流」病院かと思っております。

一番自慢できるのは、「3流」だからこそ、自由な雰囲気があることかと思います。

エライ先生ばかりだと、おそらくそういった医師の意見が偉大すぎて、ブログ作者のような底辺医師は相手にされないかと思います。

相手にされないというより、「意見」を全く言える雰囲気ではないかもしれません。

また、スタッフが7人しかいないため、いろいろな経験を皆が多数することができます。

ブログ作者も、学会発表などいろいろと自由に行わせていただいております。

ただし、欠点も当然あります。

多数の医師がいろいろな分野で、細分化して「プロフェッショナル」となることはマンパワー的にも難しいかもしれません。
でも、各個人がそれぞれ自分の得意分野を伸ばして、尚且つ、最低限呼吸器内科医として他科や開業の先生方からのコンサルテーションに対応できるように能力を高めることで、自然と全体のレベルアップとなっていっているような気がしております。

確かに、有名・一流病院で研修されて、その道のプロとなった先生方にはスバラシイ先生が多いのかと思います。ただ、有名病院は同期の研修医も多数いたはずで、いつの間にか自然淘汰されて、残っていた先生が「勝ち組」医師として、名を馳せているのではないでしょうか?
(ブログ作者は、実際には有名病院で働いたことがないのであくまでも推定ですけど...)

どのような環境でも自分で「勉強する」という強い「意志」があれば、何とかなるものです。

昨日見学にいらした先生からこのような質問をされました。

「先生は『どこ』で、『誰』に教えていただいたのですか?」

ブログ作者は、これまでいろいろな分野の先生方のお話を聞かせていただいてきましたが、「感染症」の分野については特に、「どこ」でも勉強してないし、特別な「師匠」のような先生について勉強したことも全くありません。

ほとんど「独学」で勉強してまいりました。別に、さまざまな医学書があり、インターネット環境すら整っているいる現在、どこの病院で働こうが、指導医に恵まれなかろうが「勉強できる」のです。

基本的に「内科」という分野は、「勉強したもの勝ち」の世界です。

決して「年功序列」の世界ではございません。

いくら年齢が行っていても、経験年数が豊富でも「できない医師はできない」のが「内科」です。

逆に、1年目だろうが2年目だろうが、オソロシク勉強した医師は「偉大な医師」になれるのが「内科」という業界です。特に感染症や呼吸器内科なんかはそれほど手技的な難しさはないのかと思っております。
(一部、気管支鏡や胸腔鏡など手技もありますが、それほどウエイトは高くありませn)

現にさいたま赤十字病院呼吸器内科では、ブログ作者よりも呼吸器内科経験年数が、少ない若手医師が、短期間に見違えるほど成長され、ブログ作者はとっくに知識・能力で追い抜かれているなあという気がいつもいたしております。

まあ、ブログ作者も、負け続けているわけには行かないので、いろいろと新たな方面の知識・能力をみにつけようとしておりますが。。。

まあ、臨床医は「医師人生を終了するまで勉強」と痛感いたしております。

もし、これから医師を目指そうと思っているヒトで、「ちょっと勉強はニガテ」というヒトがいたら、臨床医になることはお勧めいたしません。

「自分で勉強する」気概のある先生方の見学を、さいたま赤十字病院呼吸器内科ではお待ちいたしております。

まだ、病院のHPでは正式にレジデント募集は告知されておりませんが、10月ごろには選考面接など行われる予定ですので、なるべく早めに時間を作って見学していただけますと幸です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科見学希望のメールあて先
      srcrespiro@gmail.com