「感染症診療の基本的な考え方とインフルエンザの基礎知識」
という内容のお話をさせていただきました。
ベテランの先生方ばかりの会で、話してと聞き手がとても近く、非常に活発な討議の元、とても楽しく時間を共有させていただくことができました!!
この場をお借りして、与野医師会の先生方に御礼申し上げます。
さて、「乳幼児や小児が新型インフルエンザはアブナイ!!」という報道やご意見をいろいろなところで見かけております。
確かに、乳幼児、小児の領域では、爆発的な感染者の増大傾向が続いており、非常に大変な状況かと思います。
ただし、新型インフルエンザの対応は「乳幼児・小児中心」だけでは、なんだか足りないような情報が増えてきております。
上記のグラフはチョット古いですが、1996年のインフルエンザの罹患率と死亡率をグラフにしたものです。
いわゆる「季節性」のインフルエンザのグラフかと思いますが、インフルエンザの「罹患率」は乳幼児~小児が圧倒的に多数を占めております。
しかし、注目していただきたいのは、「死亡率」についての部分です。
『死亡率』については、従来より言われているように、65歳ぐらいを境目にグラフが急峻に上昇していき、80歳代がピークとなっております。
従来から「インフルエンザは65歳以上の高齢者に注意!!」と言うことを実によく表しているグラフ化と思います。
では、「新型」インフルエンザではどうなのでしょか?
当然今回の「新型」インフルエンザA ”2009H1N1”は、現在進行形の形で、世界中で広まっているわけですから、断定的なことは誰しもいえないわけですから、これまでの情報で推理していくしかないわけです。
そんな中での情報です。
JAMA(2009.11.4)に掲載されたアメリカカリフォルニア州の情報では、
入院率は乳幼児が高いものの、死亡率については、50歳以上の集団、とくに50-59歳の集団で高いことがしめされました。
ただし、この報告は、2009年4月から8月までの期間であること、日本とはことなったコミュニティでの情報であることから、鵜呑みにしてはいけませんが、これまでの季節性インフルエンザと同様に、感染者・入院患者数は、乳幼児・小児が多いが、死亡率の視点でみると、比較的高年齢層に多いという感じなのでしょうか?
もちろん、罹患率の高い集団では、死亡率が低くても、実際の死亡者数は多くなるわけですから十分に注意する必要はあります。
ただ「新型」インフルエンザの対策が、乳幼児・小児ばかりに視点を向けていては高年齢層への流行蔓延が生じた際に、大変なことになる可能性があるのではないかと思いました。
これはだれも「答え」を知らない内容なため、あくまでもブログ作者の意見です。
ただ、マスコミの報道を見ていると、「新型」インフルエンザは「こどもの病気」という風潮が非常に協調されすぎている感じがしただけです。
新型インフルエンザに限らず、「インフルエンザ」は「流行」するから「インフルエンザ」とつけられたのでしょう。すべての年齢層で、各々にあった対応をしていかなくてはいけませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿