皆様の医療施設には細菌・微生物検査室があるでしょうか?
さいたま赤十字病院の細菌検査室は毎日3~4人のスタッフの皆様が、プロフェッショナルな仕事をこなしていらっしゃいます。
2年前くらいから、血液培養の採取本数が右肩上がりで増加傾向で、現在月に400~500セット採取していただいております。
血液培養検体数が増加していっても、文句ひとつ言わず?!に頑張って日々細菌検査業務に従事していただくスタッフの皆様がいらっしゃるから、ブログ作者も安心して感染症系の診療に従事することが可能となっております。
そんな、さいたま赤十字病院の細菌検査室の皆様といっしょに、現在眼科領域感染症の勉強をさせていただいております。
いわゆる”Mandell:Principles and Practice of Infectious Diseases"の
”ENDOGENOUS BACTERIALENDOPHTHALMITIS”のまとめです。
・内因性の細菌性眼内炎は菌血症により眼に細菌感染が生じることにより生じる。
・通常は、菌血症の病巣がある:感染性心内膜炎、腹腔内膿瘍など。
・内因性眼内炎の感染病巣となるもの
・消化管や肝の膿瘍
・尿路感染症
・髄膜炎
・感染した留置カテーテル
・尿路感染症
・髄膜炎
・感染した留置カテーテル
・感染性心内膜炎
・消化管内視鏡
・静注薬物使用
・台湾、シンガポールなど東アジアでは?
10%の内因性眼内炎患者の感染病巣として、Klebsiell penumoniaeによる化膿性肝膿瘍が報告されている
10%の内因性眼内炎患者の感染病巣として、Klebsiell penumoniaeによる化膿性肝膿瘍が報告されている
・細菌性眼内炎は急性に発症する。
・多くの患者で、急激な視力低下、眼の痛みなどの症状を呈する。
・当初、症状が上記眼症状のみの場合もあり、菌血症の原因病巣の症状は当初現れないこともある。
・ある報告では、約半数の患者が眼科を最初に受診している。
・細菌性+真菌性内因性眼内炎27症例の検討では、20%以下の症例のみ発熱を呈していた。40%以上の症例で一般的な身体所見を認めなかった。
・診断の遅れはしばしば認められるが、急性経過の前房蓄膿や硝子体炎の患者をみたら眼内炎の化膿性を必ず考慮すべきである。
・感染性心内膜炎患者では、視力の訴えを必ず聴取し、眼科医にそのことを伝えて診てもらう。
・診断は、硝子体液培養または血液培養で行う。
・血液培養は、硝子体培養と同様に約3/4の患者で陽性となる。
・北米・ヨーロッパでは?
・レンサ球菌(肺炎球菌、アンギノーサスグループ、A群B群レンサ球菌):30%~50%
・レンサ球菌(肺炎球菌、アンギノーサスグループ、A群B群レンサ球菌):30%~50%
・黄色ブドウ球菌:約25%
・グラム陰性桿菌(大腸菌、クレブシエラ、セラチア):33%程度(約1/3)
・アジアでは?
・ある報告では、グラム陰性桿菌のうち60%がKlebsiella penumoniaeが占めていた。
・台湾では、クレブシエラ肝膿瘍と眼内炎症候群の記載があり、糖尿病患者で、ムコイドタイプのクレブシエラが関連しているのでは?
上記、ざっと書きましたが、内容が間違っていたらだれか教えてください。
ブログ作者が、研修医1年目の頃、この”Klebsiella pneunmoniae”眼内炎の症例を実は経験いたしております。その症例もKlebsiella pneumoniaeによる肝膿瘍から内因性眼内炎となった症例でした。
その当時、何も知らないブログ作者は、「メロペン」という抗菌剤を長期にわたり使い、そのご「ファロム」という抗菌剤を処方した遠い記憶が残っております。
なぜ眼内炎のお勉強を突然はじめたのか?それは、また別の機会にかかせていただきます!!
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