2010年8月4日水曜日

予防接種について考える

感染症診療の原則というブログに「予防接種パブコメの内容」という記事がありました(下記URLでご参照ください)

予防接種は誰のために接種するのでしょうか?


「もちろん自分が感染症にならないように!」にきまってるでしょ~

と言われそうですが、実は予防接種の効果は接種されたヒトだけではなく、周囲の人々、地域全体に広がっていくものなのです。

どういうことか?というと・・・
ある病原体に対する予防接種をうけたヒトが増える

→ある病原体に対する免疫力(抵抗力)のあるヒトが増加する

→地域である感染症が侵入してきても抵抗力があるヒトが多いため蔓延しない

→みんなが幸せ!!

という感じのことが起こりえます。

実際に、以前世界中で猛威をふるった「天然痘」はこの「予防接種(ワクチン接種)」で根絶することができた=人類が克服できた「感染症」なのです!
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g3/k01_40/k01_40.html
(上記IDWRサイトに天然痘の記載があります)

その他の感染症の予防接種では、残念ながら「天然痘」のように人類が克服するまでに至るような結果が得られたものはまだありません(がそれをめざしている「麻疹」などはありますね)

http://homepage3.nifty.com/TOKU/ima/mashin.htm
(上記URLで「麻疹ゼロ作戦」WEB SITEにつながります)

患者さんのなかには予防接種の接種をうけることが何らかの理由で困難な方もいらっしゃいます。免疫不全などがあると、ワクチンそのものの有効性が低下したり、ワクチンに使われている弱毒菌(ウイルス)そのものが悪さをする可能性があるからです。
(不活化ワクチン(生きている病原体ではないワクチン)の中には免疫不全状態でも使用可能なものもあります)

しかし、こういった予防接種がそもそも接種できない患者さんでも、周囲の皆様ができるだけ予防施主をうけることで、その患者さんが予防接種の恩恵に預かることが可能となるのです。

そんな予防接種について、厚生労働省がいろいろな方々に意見をもらうことを行っておりました(パブリックコメントというようです)

(さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も「B型肝炎ワクチンの定期接種化について」の意見を送らせていただきました)

下記のURLで投稿されたパブリックコメントを見ることができます
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0616-3o.pdf
多数の皆様が「予防接種」にどういった見解・意見をもっているのか?
日本の予防接種システムをどのようにしたら改善していけるのか?

非常に興味深いご意見が拝見できます。

皆様、この機会に是非「予防接種(ワクチン)」について考えてみてはいかがでしょうか?

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