2010年8月28日土曜日

祝! 「ダプトマイシン」製造販売承認申請~

万有製薬が日本で「ダプトマイシン」の製造販売承認申請されたようです。

http://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2010/research_0827.html
(上記URLで万有製薬ニュースルームサイトに接続します)

さいたま赤十字病院をはじめ、”MRSA”感染症の診療で大変困っている医療機関は非常に多いのではないかと思います。

特に、近年MRSAのVCMに対するMICが”2”の株の治療が問題となっております。

VCMのMICが2以上のMRSA菌血症、感染性心内膜炎や脊椎炎などの長期にわたる治療期間が必要なMRSA感染症の最適な治療薬が無くて困っている方々が多かったのではないかと思います。

こういった治療に難渋するVCMが聞きにくいMRSA感染症(主には血流感染症)に対する治療薬として日本でも早期導入が期待されていた薬剤がこの「ダプトマイシン」です。

是非なるべく早い時期に使用可能となることを切望いたします。

どのような薬剤も、しっかりとした「適応」を吟味して使用することが大切です。

いくらVCMが効きにくいMRSA感染症にダプトマイシンが有効であるといっても、乱用されたのではすぐに「耐性」を取られてしまうのかもしれません。。。

本当に必要な状況は、VCMに対するMIC2以上のMRSA菌血症、感染性心内膜炎、骨髄炎などではないかと思います。
(治療期間が短いものは現状でもリネゾリドなどで治療可能だったりします:例MRSA人工呼吸器関連肺炎など)

「ダプトマイシン」は大切なVCMで治療に難渋するMRSA感染症治療薬です。
日本で使用可能となっても乱用はせずに、しっかりとした細菌学的検査結果に基づいた治療を心がけたいですね。

0 件のコメント: