2009年4月1日水曜日

百日咳疫学調査

本日からさいたま赤十字呼吸器内科はあらたにレジデントの先生1名、常勤医1名を加えてより充実したスタッフで診療、臨床研究などに従事してまいりたいと思います。

現在、順天堂大学のスタッフの皆様が行っている「百日咳の疫学調査」にさいたま赤十字病院呼吸器内科も参加させていただいております。
「咳の症状が2週間以上続く」とか、「自分の周囲のヒトが百日咳といわれた」など咳症状が続く患者様は、百日咳の検査に是非ご協力いただけますようお願いいたします。

百日咳とは?
百日咳は百日咳菌による呼吸器感染症で咳症状や喀痰症状などが長い間(2週間以上)続く病気です。
多くの方は幼少期に百日咳ワクチンを3回接種されていますが
(DPTワクチンDiphtheria Pertussis Tetanus combined )成人期以降、免疫力が弱くなっていき、百日咳菌に感染してしまうのではないか?といわれていますが、実際のところどれくらいの成人が百日咳になっているのかデータがありません。今回、順天堂大学の感染制御科の先生方がよくわかっていない成人の百日咳がどれくらい広がっているのかなどのデータを収集して調査をされています。さいたま赤十字病院呼吸器内科でもこの調査に加わり、データの収集を行っております。長引く咳・痰などの症状で百日咳が心配な患者様はぜひさいたま赤十字病院呼吸器内科に受診して百日咳疫学調査にご協力いただけますようお願いいたします。

ちなみに、百日咳は「クラリスロマイシン」「エリスロマイシン」などの「マクロライド系」といわれる抗菌剤が治療に奏効するといわれておりますが、実際には診断治療が遅れることが多く、治療が難しくなる場合も多いのが実情です。疫学調査の結果、百日咳の診断治療がさらに一歩進んでいけば咳で苦しむ患者様の診療の手助けになるかもしれないと期待しております。

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