2009年4月1日水曜日

ワクチンによる予防医療

さいたま赤十字病院呼吸器内科では予防医学にも力を入れております。

慢性呼吸器疾患をお持ちの患者様や65歳以上の患者様は是非ワクチン接種を積極的に行っていただき、予防可能な疾患については是非ワクチン予防に取り組んでいただきたいと思います。

さいたま赤十字病院呼吸器内科で施行しているワクチンは主に2種類です。

①インフルエンザワクチン

②肺炎球菌ワクチン

①のインフルエンザワクチンについては、65歳以上の皆様には自治体のワクチン補助などをしようしてワクチンを受けていただいている皆様多数いらっしゃるかと思います。64歳未満の皆様でもCOPD(慢性閉塞性肺疾患=肺気腫や慢性気管支炎)、間質性肺炎、肺癌、他の慢性疾患をお持ちの方は是非接種されることをお勧めいたします。インフルエンザワクチンを接種下からと言って必ずしもインフルエンザにならないというわけではありませんが、インフルエンザ感染を契機とした重篤な疾患で命にかかわるような病状となることを減らせることが研究でわかっています。(簡単にいうとインフルエンザ感染により死亡するリスクを減少することができる)。インフルエンザウイルスはインフルエンザ自体もコワイかもしれませんが、それによって生じる細菌性肺炎などで命にかかわる病状となる方が高齢者の方では多いことがわかっております。少しでも重篤な病状となる方が減るように是非ワクチン接種を毎年お願いいたします。

②肺炎球菌ワクチン
「肺炎球菌」というのは、一般的な肺炎を起こす最も頻度の高い細菌です。肺炎の原因の25~30%程度を占める細菌で非常に強い毒性を持つ細菌です。特に、胃がんの手術などで脾臓を摘出されている方や、もともと先天的に脾臓の機能が弱い方、ステロイドなど免疫抑制剤を使用されている方などでは敗血症をきたし、非常に重篤な感染症をきたすことがあることがわかっております。
さいたま赤十字病院でも年に数人非常に重篤な肺炎球菌肺炎・敗血症の患者様を治療させていただきますが、集中治療室の先生方と協力してもなかなか救命できずに最後を迎えてしまう患者様がいらっしゃり、ワクチンによる予防の重要性を感じている次第であります。
肺炎球菌ワクチンは一部自治体ではワクチン費用の補助があるところもあるようですが、当院のあるさいたま市では現在肺炎球菌ワクチンに対しての助成はないかと思います。自治体の助成があると皆様がよりワクチン接種を受けやすい環境を整えられるか思います。

さいたま赤十字病院呼吸器内科では肺炎球菌ワクチンの接種を行っております(予約制です)が、ワクチン接種は基本的に自費診療になります。費用につきましては内科外来までお問い合わせください。

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