髄膜炎菌ワクチンの空き箱です。
グラクソスミスクライン社の製品のようです。
必要な方に必要なワクチンが接種できる環境があると安心ですね。
ちなみにさいたま赤十字病院では通常は髄膜炎菌ワクチン接種は残念ながら行なっておりませんのでご了承ください…
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髄膜炎菌ワクチンの空き箱です。
グラクソスミスクライン社の製品のようです。
必要な方に必要なワクチンが接種できる環境があると安心ですね。
ちなみにさいたま赤十字病院では通常は髄膜炎菌ワクチン接種は残念ながら行なっておりませんのでご了承ください…
患者さんの下痢症状と言えば、最近は「ノロウイルス」ですが、忘れてはならない原因に「クロストリジウムディフィシル関連下痢症」があります。
非常に典型的な、プレゼンテーションは?
入院中の患者さんで、なんらかの抗菌剤が使用されている状況での、激しい下痢症状。末梢血白血球数が15000以上と高値をしめしているなんてのがあります。
(勿論、白血球数は参考値ですよ)
そんなクロストリジウムディフィシル関連下痢症の診断をさいたま赤十字病院ではどのように行っているのか?
その答えが上記写真になります。
下痢症状の患者さんの「便」検体を最近検査室で処理して、上記の「クロストリジウムディフィシル」の毒素”A""B"を検出するキットを用いております。
ただし、感度があまり良くないと言われているため、1回「陰性」でも、クロストリジウムディフィシル関連下痢症を否定することはできません。疑ったら複数回便検体を提出することを推奨させていただいております。
上記写真で、右側が「陽性」の結果になります。陽性のものは、「青」いろに染まっているのが見て取れます。
日本ではまだまだ知名度が低い、「クロストリジウムディフィシル関連下痢症」ですが、欧米では猛威をふるっているところも有るようです。
binary toxinという第3の毒素を産生するタイプの”Clostridium difficile”があり、それによる院内感染での重篤な病態が知られております。
さいたま赤十字病院では、まだ問題になっていない「今」からクロストリジウムディフィシル関連下痢症のサーベイランスを初めていこうと院内感染対策に携わるスタッフで相談しております。
ちなみに、入院していない患者さんでも抗菌剤内服されている方々にはこの「クロストリジウムディフィシル関連下痢症」が発症する場合がありますので、抗菌剤を内服中に下痢症状の悪化がありましたら担当医のご相談くださいね。
・古い慣習に基づいた感染症診療・抗菌剤使用方法からの脱却
・より科学的な抗菌剤投与設計方法の確立
・今存在する「抗菌剤」の性能を「限界」まで引き出すことへの挑戦
・抗菌剤耐性菌出現抑制の可能性
特に、グラム陰性桿菌の多剤耐性傾向が進む中で、このグループをターゲットとした抗菌剤の開発が遅れているようです。最適な投与設計に基づいた抗菌剤投与が「耐性菌抑制」に貢献するのであれば、これは非常に有意義なことだと思います(ただし、まだまだ議論の予知がありますが)
・PK/PD理論のみで全てがうまく行くのか?
・PK/PD理論に基づく抗菌剤投与設計の最適化+αで越えられるかもしれない「壁」
①MICの壁:MDRPによる肺炎症例。:抗菌剤投与設計最適化+3剤併用化学療法により、治療がうまくいった多剤耐性緑膿菌肺炎症例。:ゾシン+ハベカシン+グレースビット
ブレイクポイント・チェッカーボード法などで抗菌剤の選択を併用すれば、多剤耐性グラム陰性桿菌に、既存の抗菌剤で立ち向かうことができるかもしれない!!
・PK/PDに基づく抗菌剤投与設計の最適化だけでは全てうまく行くわけではない!
抗菌剤の「選択」や「投与設計」のみをアレコレ変更することで、
自己満足するような独りよがりの感染症診療になっていないか?
・感染症診療の基本に立ち返ることの再認識
・患者の背景因子の評価
・感染部位・臓器の特定
・病原菌の特定(推定)
・抗菌剤の選定と適切な治療評価
これらの過程があって初めて
「PK/PD理論」が生かされる感染症診療となる!!
・Take Home Message
抗菌剤のPK/PD理論に基づいた投与設計だけで
は越えられない「壁」が有る
・感染症診療の基本的な考え方を身に付けた上で、
初めてPK/PD理論に基づく抗菌剤の投与設計が
生かされる
以上です。上記内容は、まだまだ発展途上の内容かもしれません。しかし、近い未来には「答え」が出てくる内容ではないかと思います。でも、多剤耐性菌の逆襲はもう「待ったなし」なのもこれまた事実です。
多剤耐性菌の逆襲に立ち向かうためには、「感染症診療の基本的考え方」を感染症診療に携わる全ての臨床家がみにつけなければいけないのではないかと思っております。
皆様のご意見・御批評などございましたら、コメント欄にお願いいたします!