- 「抗菌剤」の選択:ゾシン、パシルなど
- 1回「投与量」:4.5g、500mgなど
- 「溶解液」の選択:生食100mlなど
- 1回「投与時間」:60分、120分など
- 1日「投与回数・投与間隔」
:1日3回8時間毎など - 具体例:ゾシンなら?
ゾシン4.5g+生食100mlで溶解
1回120分かけて点滴静注、1日4回6時間毎
・古い慣習に基づいた感染症診療・抗菌剤使用方法からの脱却
・より科学的な抗菌剤投与設計方法の確立
・今存在する「抗菌剤」の性能を「限界」まで引き出すことへの挑戦
・抗菌剤耐性菌出現抑制の可能性
特に、グラム陰性桿菌の多剤耐性傾向が進む中で、このグループをターゲットとした抗菌剤の開発が遅れているようです。最適な投与設計に基づいた抗菌剤投与が「耐性菌抑制」に貢献するのであれば、これは非常に有意義なことだと思います(ただし、まだまだ議論の予知がありますが)
・PK/PD理論のみで全てがうまく行くのか?
- PK/PD理論を巧みに利用して、抗菌剤の投与設計のみを最適化すれば全てがうまくいく?
- 呼吸器感染症の症例を通じてPK/PD理論の
限界=越えられない「壁」
を提示します。
・PK/PD理論に基づく抗菌剤投与設計の最適化+αで越えられるかもしれない「壁」
①MICの壁:MDRPによる肺炎症例。:抗菌剤投与設計最適化+3剤併用化学療法により、治療がうまくいった多剤耐性緑膿菌肺炎症例。:ゾシン+ハベカシン+グレースビット
ブレイクポイント・チェッカーボード法などで抗菌剤の選択を併用すれば、多剤耐性グラム陰性桿菌に、既存の抗菌剤で立ち向かうことができるかもしれない!!
・PK/PDに基づく抗菌剤投与設計の最適化だけでは全てうまく行くわけではない!
抗菌剤の「選択」や「投与設計」のみをアレコレ変更することで、
自己満足するような独りよがりの感染症診療になっていないか?
・感染症診療の基本に立ち返ることの再認識
・患者の背景因子の評価
・感染部位・臓器の特定
・病原菌の特定(推定)
・抗菌剤の選定と適切な治療評価
これらの過程があって初めて
「PK/PD理論」が生かされる感染症診療となる!!
・Take Home Message
抗菌剤のPK/PD理論に基づいた投与設計だけで
は越えられない「壁」が有る
・感染症診療の基本的な考え方を身に付けた上で、
初めてPK/PD理論に基づく抗菌剤の投与設計が
生かされる
以上です。上記内容は、まだまだ発展途上の内容かもしれません。しかし、近い未来には「答え」が出てくる内容ではないかと思います。でも、多剤耐性菌の逆襲はもう「待ったなし」なのもこれまた事実です。
多剤耐性菌の逆襲に立ち向かうためには、「感染症診療の基本的考え方」を感染症診療に携わる全ての臨床家がみにつけなければいけないのではないかと思っております。
皆様のご意見・御批評などございましたら、コメント欄にお願いいたします!
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