2010年2月6日土曜日

ゾシン発売一周年記念講演会の発表内容

本日は、ゾシン発売1周年記念講演会でさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も前座として
発表させていただきました。

せっかくなので、発表内容を本ブログにも記載させていただきます。

「PK/PD理論に基づく抗菌剤投与設計で越えられる『壁』越えられない『壁』」

・PK/PD理論を実践するために必要な抗菌剤投与設計を規定する因子
 
  • 14.5500mg
  • 100ml
  • 160120
  • 1
    138

  • 4.5g100ml
    1120146

特に、教科書やマニュアルで記載されていないのが?
 ・どのような溶解液で溶解するのか?と、1回投与時間です。とくに1回投与時間はPK/PD理論のなかで非常に重要な因子であるのに、記載のないモノが多く、ブログ作者は以前から問題視いたしております。1日総投与量と投与回数だけでは「ダメ」なのだとういうことを強調させていただきます。

・PK/PD理論のもたらしたもの

・古使


特に、グラム陰性桿菌の多剤耐性傾向が進む中で、このグループをターゲットとした抗菌剤の開発が遅れているようです。最適な投与設計に基づいた抗菌剤投与が「耐性菌抑制」に貢献するのであれば、これは非常に有意義なことだと思います(ただし、まだまだ議論の予知がありますが)

・PK/PD理論のみで全てがうまく行くのか?

  • PK/PD
  • PK/PD

・PK/PD理論に基づく抗菌剤投与設計の最適化のみでは越えられない「壁」
①解剖学的壁:膿胸症例でいくら最適な抗菌剤投与設計で抗菌化学療法を行っても、胸腔ドレナージを行わなければ、治療は困難!
②スペクトラムの壁:院内肺炎でゾシンを最適な抗菌剤投与設計により投与しても、原因菌がゾシンのカバーするスペクトラムに入っていなければ無効!提示させていただいたのは「レジオネラ肺炎」
③基礎疾患の壁:気管支拡張症で下気道に緑膿菌の定着した症例。いくら抗菌化学療法を施行しても、気管支拡張症で肺の既存構造が破壊された状態では完全な緑膿菌の除菌は困難。

・PK/PD理論に基づく抗菌剤投与設計の最適化+αで越えられるかもしれない「壁」

①MICの壁:MDRPによる肺炎症例。:抗菌剤投与設計最適化+3剤併用化学療法により、治療がうまくいった多剤耐性緑膿菌肺炎症例。:ゾシン+ハベカシン+グレースビット

ブレイクポイント・チェッカーボード法などで抗菌剤の選択を併用すれば、多剤耐性グラム陰性桿菌に、既存の抗菌剤で立ち向かうことができるかもしれない!!


・PK/PDに基づく抗菌剤投与設計の最適化だけでは全てうまく行くわけではない!


PK/PD


・Take Home Message

PK/PD

PK/PD


以上です。上記内容は、まだまだ発展途上の内容かもしれません。しかし、近い未来には「答え」が出てくる内容ではないかと思います。でも、多剤耐性菌の逆襲はもう「待ったなし」なのもこれまた事実です。

多剤耐性菌の逆襲に立ち向かうためには、「感染症診療の基本的考え方」を感染症診療に携わる全ての臨床家がみにつけなければいけないのではないかと思っております。


皆様のご意見・御批評などございましたら、コメント欄にお願いいたします!

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