2010年2月11日木曜日

クロストリジウムディフィシル関連下痢症

患者さんの下痢症状と言えば、最近は「ノロウイルス」ですが、忘れてはならない原因に「クロストリジウムディフィシル関連下痢症」があります。

非常に典型的な、プレゼンテーションは?

入院中の患者さんで、なんらかの抗菌剤が使用されている状況での、激しい下痢症状。末梢血白血球数が15000以上と高値をしめしているなんてのがあります。

(勿論、白血球数は参考値ですよ)

そんなクロストリジウムディフィシル関連下痢症の診断をさいたま赤十字病院ではどのように行っているのか?

その答えが上記写真になります。

下痢症状の患者さんの「便」検体を最近検査室で処理して、上記の「クロストリジウムディフィシル」の毒素”A""B"を検出するキットを用いております。

ただし、感度があまり良くないと言われているため、1回「陰性」でも、クロストリジウムディフィシル関連下痢症を否定することはできません。疑ったら複数回便検体を提出することを推奨させていただいております。

上記写真で、右側が「陽性」の結果になります。陽性のものは、「青」いろに染まっているのが見て取れます。

日本ではまだまだ知名度が低い、「クロストリジウムディフィシル関連下痢症」ですが、欧米では猛威をふるっているところも有るようです。

binary toxinという第3の毒素を産生するタイプの”Clostridium difficile”があり、それによる院内感染での重篤な病態が知られております。

さいたま赤十字病院では、まだ問題になっていない「今」からクロストリジウムディフィシル関連下痢症のサーベイランスを初めていこうと院内感染対策に携わるスタッフで相談しております。

ちなみに、入院していない患者さんでも抗菌剤内服されている方々にはこの「クロストリジウムディフィシル関連下痢症」が発症する場合がありますので、抗菌剤を内服中に下痢症状の悪化がありましたら担当医のご相談くださいね。


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