2010年4月3日土曜日

医者やめたい症候群

2010年度初頭に、なんてこと書くんだ!!と、部長や病院幹部の先生方にお叱りを受けるかもしれませんが、あえてこの時期だからこそ書かせていただきます。

ネタ元は「ただの医者じゃない」
http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/yametaichiryo.html
(上記URLで上記WEB SITEにつながります)

上記WEB SITEの有名な先生のように「認知行動療法」などという崇高な内容はさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者にはかけません。

わたくしなりの「医者やめたい症候群」について書かせていただきます。

それなりの「アタマ」を持った方々が、大学医学部に入学して、それなりに勉強して、医師国家試験に合格すると「医師免許」が取得できます。

「医師」となるまでの苦労は、経験してみないとわからないものですが(それはどの職種・業界でもいっしょですが)なかなかに苦労するものかと思います。

そこまでしてなった「医師」という職業なのに、なんで「やめたい」なんて思うんでしょうか?

一番大きい理由は、臨床医を続けていると自分の思い描いている「理想の姿」から自分自身が徐々に遠ざかっていくのが如実にわかってしまうからなのではないかと思っております。

医学部入学前や研修医の時に思い描いていた「理想の医師像」。

誰しもその理想の姿に近づこうと努力するのですが、なかなか、皆が理想どおりに「うまくいく」わけはないのです。

むしろ「理想どおり」の方向に進んでいる医師の数なんてたかが知れているのではないかとおもっております。

また、「理想」が「高すぎる」のも医師の特徴なのかもしれません。
ブログ作者は、研修医時代から本当に素晴らしい「志」を持った臨床医の皆様に多数遭遇してまいりました。
ただし、素晴らしい「志」を持った方々が、5年後、10年後も同様の「志」を持って臨床を継続なさっているのかというとなかなかそういうわけでもないようです。

もちろんさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も「挫折」を幾度となく味わわせていただいております(自慢することではありませんが・・・)

お医者さんは「聖職者」ではありません。
なので、いろいろな「欲望」というなの「悪魔」にも結構ヤラれてしまいます。

「金銭欲」「名誉欲」などが一番やられやすいところでしょうか?

「患者さんの命を救うこと」を目標に、臨床医を継続していたハズなのに、いつのまにか「出世欲」や「金銭欲」が前面にでてきてしまった自分に気付いた時。

心ある医師は「挫折」し、「医者やめたい症候群」になってしまうようにも感じております。

「医者やめたい症候群」には、おそらく「特効薬」はないのでしょう・・・

しかし、本当に医者をやめるかどうか、は周囲の皆様の心の支えがあるかどうかにかかっているのではないかと思います。

周囲の皆様とは、「家族」や「大事なヒト」であったり、「勤務先の同僚」であったり、「他職種の方々」であったりいたしますが、一番大きいのは「患者となる(可能性のある)一般市民の皆様」ということになります。

精神的にも身体的にも疲れている状況で、夜間患者さんを診療させていただいて、患者さんから「ありがとうございます~」と一言あれば、

臨床医は「あのとき医者やめないでよかった~」と本当に思えるものなのです。

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