病院というところは、いろいろな「病気」を持つ方々(もしくは、病気を心配されている方々)が集まる特殊な空間です。
「自分の体は大丈夫だろうか?」と心配されていらしたり、また、自分の「意思」とは「無関係」に救急車で搬送されてきてしまったり・・・
いろいろな理由・事情で「病院」という特殊な環境にいらっしゃるのではないかと思います。
そもそも「病気」なんかに縁が無い方が通常「幸せ」なわけですから、健康な生活を送っている時にはあまり「病気」のことなんて考えない方々も多いのではないかと思います。
普段、「健康」なときには、それほど考えなかった「病気」の事。でも、一度「病気」になると話はガラっと変わっていきます。
「自分は重症なのではないか?」とか、「自分はうまく治療できるんだろうか?」などなど・・・
健康な時には思いもよらなかった「不安」や「迷い」などの「心配事」が怒涛のごとく自分の「心」に押し寄せてくるものなのです。
自分で体験しないとなかなかわからないことなので、これまで健康な人生を送られてこられた皆様にはなかなか理解しづらいことかもしれませんが、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は「医師」となる前に何回か入院したり、手術したりした経験があるため、病気になったときの『不安感』というものがどういったものであるかということをある程度理解しているつもりです。
この病気からくる『不安感』というものは、時として同じような患者さんの「行動」に反映されることがあります。
それは、「自分だけは『特別扱いしてほしい!』」という願望からか、お医者さんや看護師の皆様などへ、「贈り物」をするという行動にでられる方々がいらっしゃることです。
「贈り物」をする行動の背景には、「他の患者さんとは『違う』対応を私にはしてください!」という言外の意味合いが込められているのかな?と思いますが、実際にはそういったことはあまり有効には働きません。
そもそも、「特別扱い」というのをどのように考えるかです。
たとえば、「あの患者さんのところには、お医者さんも、看護師さんも頻回にくるけど、どうして私のところにはそれほどこないの?という疑問を持たれている患者さんもいらっしゃるかもしれません。
通常は上記疑問の「答え」は「患者さんの病状によってスタッフが訪れる回数が変わる」というのが正解です!!
「生命の危険がせまっている患者さん」のところに、頻回に訪れるのは皆様にもご理解いただけるかと思います。
決して「贈り物」があるからとかそういう理由ではないのです。。。
もし患者さん方が、「特別扱いして欲しい」からではなく、純粋な「感謝の心」から、贈り物をしようと考えられているなら、その「心」はとてもありがたいものです。
患者さん方に、「贈り物」以外に、どのようにしたら「感謝の心」を表せるか?というとてもお医者さんらしいお願いをしたいと思います。
それは、「初期研修医」や「若手看護師」などの、経験値の少ない若手スタッフを温かい眼で見守っていただくことなのです。
「私はベテランのお医者さんや看護師さん以外はお断りします・・・」
なんて言われると、若手のスタッフは皆、萎縮してしまって、「経験値」をつむことができなくなってしまいます。
みんなだれでも、「初心者」の時期があります。
その時期に患者さんが十分に優しい心で受け入れていただけたら、それこそ一番の「感謝の心」の表現の仕方なのではないでしょうか?
医師や看護師になりたてのころに、患者さんからいただいた優しい「感謝の心」はその後の医療従事者の人生をとても豊なものにするに違いありません。
逆に、その大事な初心者の時期に、患者さんから冷たくされれば寂しい医療従事者となってしまうのかもしれませんね。。。
さいたま赤十字病院は、お医者さんや看護師さんになりたての方々が「研修」する病院となっております。
温かいお心で、若手スタッフの「診療」・「教育」に皆様のご理解・ご協力をおねがいいたします。
さいたま赤十字病院呼吸器内科に受診・入院された患者さんで、私どもに「感謝の心」をお示しになりたい皆様は、「贈り物」以外の方法でその「心」をお示しいただけましたら幸いです。
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