2010年5月8日土曜日

反面教師

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は「反面教師」って言葉をしっているでしょうか?

ブログ作者は、「反面教師」という言葉を、研修医の頃に聞いてそれ以降よくわからないまま好んで使用しておりました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/反面教師
(ウィキペディアの「反面教師」の説明)

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=反面教師&stype=0&dtype=0
(Yahoo辞書の簡単な説明)

この4月から、さいたま赤十字病院でも新人の皆様が多数いらっしゃったわけですが、1ヶ月過ごしてみて、いかがでしたでしょうか?

初期研修中は、いろいろと新しいことばかりで大変かと思います。

指導医に「恵まれた」とか「ハズレだった・・・」とかいう言葉もそろそろ聞こえてきそうな時期かな?と思います。

どんな世界でも、なんでも知っていて、完璧に「教えてもらう」なんて環境はそうそうありません。
(そもそも「勉強」とは教えてもらうものではなく、自ら進んで「学ぶ」ものなのですからね)

医師の世界なんて、近年専門領域が非常に細分化されてきていますから、専門以外の領域について「知らない」ことなんてよくあることなのかもしれません。

ただ、「知識」の面については、自分で「調べる」ことをすれば、現在のインターネット社会ではそれほど「困る」ことはないのかもしれませんね。

「技術」についても、経験をつんでいけばそれなりに身につくものかと思います。
あせる必要は無いものですね。

初期研修の「最初」に指導医から「学ぶ」必要があるのは、おそらく「知識」「技術」という面よりも「姿勢・態度」の面が非常に重要なのかな?とさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は考えております。

初期研修の最初の時期に「知識」「技術」をみにつけたいと思うのは当然ですし、そういった事の方がなんか「成長」している実感があり、うれしいことなのかもしれません。

でも、ホントウにみにつけなければいけないのは、どのように「目の前」の患者さんにアプローチしていくのか?という「姿勢・態度」やその「思考過程」そのものなのかと思います。

「レントゲンが読める」とか、「心電図がワカル」とか、そういった枝葉の事柄なんかよりも、もっと「先」に身につけることが必要なことがある気がするのです。

患者さんへの「アプローチ」の方法や、「姿勢・態度」「思考過程」については、おそらく教科書をよんでも身につかないのではないかと考えております。

指導医の患者さんに接する「姿勢・態度」を診たり、その「思考過程」を追っていくことではじめて学ぶことができるのではないかと思っております。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者のような、できの悪い「指導医」なんかは、患者さんへのアプローチの仕方が「マズイ」場合もしばしばあったりします。。。

指導医皆が『尊敬』に値する「姿勢・態度」で患者さんに接しているかといえば、なかなか疑問なんではないでしょうか?

また、患者さんへのアプローチ・思考過程についても、「とりあえず、検査『一式』やっておいて~!」
的な、「地引網診療」になっている「指導医」の皆様もまだまだいてしまうのかもしれませんね。

http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/be2f96605f33f428c4d6d47a524d1431
(感染症診療の原則「地引網診療 してますか?」)

研修医の皆様は、こういった「ちょっとマズイ」アプローチをされている指導医に、その場で「おかしいんじゃないですか?」と意義を唱える必要はありません。

指導医の気分を損ねることはないからです。

でも、「ああいったアプローチは、よくないんではないか?
『反面教師』にして自分は違うアプローチをしよう・・・」
と、心の中で思ったり・考えたりしていれば、自ずとどんな指導医からでも「学ぶ」ことができてしまうのです!

非常に大事なことなのですが、一度マズイ・理想的でない姿勢・態度・アプローチ・思考過程がみについてしまうと、その状態から完全に「抜け出すこと」はなかなかムズカシイものなのです。

だから、初期研修の最初の時期に、それなりの「姿勢・態度」アプローチの仕方を身につけておかないと「大変なこと」になってしまうのです。

「あ~~あ・・・ハズレの指導医にあたってしまったな・・・」と思っているそこの研修医の皆様。

そう思った指導医でも、「反面教師」という裏ワザで、「ハズレ」の指導医を「理想」の指導医に変えて有意義な研修生活をおくってくださいね。

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