さいたま赤十字病院呼吸器内科のブログです. 呼吸器疾患のことや,医療問題・社会問題など様々な内容のブログにしていきます.リンクフリーです。TOPページへは、下の方にある「ホーム」をクリックしてください!
2009年12月31日木曜日
2009年終了!ありがとうございました
2009年12月30日水曜日
大正富山メディカルシンポジウムin埼玉2009のご案内
2009年12月29日火曜日
仕事納め
しかし、ブログ作者は日をまたいでの仕事をさせていただいているため、「仕事納め」の実感はあまりありませんが。。。
さいたま赤十字病院呼吸器内科に、本年も多数の患者さん・ご家族の皆様にお越しいただきまして大変ありがとうございました。
私どもの診療内容は、患者さん・ご家族の皆様のご期待に添えたのでしょうか?
病院に「何」を求めていらっしゃるか?によりますが、多くは、「呼吸器専門診療」をお求めになり、
さいたま赤十字病院呼吸器内科を「選択」していらっしゃっているのではないかと思います。
その「期待」に応えるのが私どもの「使命」なのですが、7人皆それぞれ、得意分野、診療経験、勉強内容など異なるため、全ての患者さんに「同じ」診療レベルで対応できるかというとなかなか難しいところもあります。
しかし、さいたま赤十字病院呼吸器内科のスタッフ皆がレベルアップをはかっていく「努力」をすることにより、解決可能な問題も多数あるのではないかと考えます。
来年も、さいたま赤十字病院呼吸器内科はさらなる飛躍を遂げるように日々精進いたしてまいります。
2009年12月26日土曜日
命の値段
2009年12月21日月曜日
E-TEST
もしかしてe-mailでテストするの?とか思われた方々。残念ながら不正解です。
E-TESTとは、細菌に対する抗菌剤の検査室での有効性の指標となる、MICを測定するための検査方法です。
さいたま赤十字病院でも少し前からMRSAの菌血症の治療にバンコマイシンの詳細なMIC測定の為に院内導入致しました。
まだまだ聞き慣れない先生方も多くいらっしゃるようですので、実際の検査写真を上に掲載致しました!
培地上に置いてある短冊みたいなのがE-TESTのスティックです。スティックに数字が書いてあり、一定時間培養後にMICの数値を読み取ります。
なんでさいたま赤十字病院でMRSA菌血症に詳細なMIC測定が可能なE-TESTを導入したのか?
日本の多くの病院と同様に、MRSAのバンコマイシンに対するMICは以前より測定しておりましたが、そのMIC最小値は”2以下”というかなり大雑把な結果しか出ませんでした。
近年、MRSAの治療に際して、”バンコマイシンのMICが2以下”という大雑把な測定結果では、治療が上手くいかないという症例が多数報告されるようになってきました。
そこで、もっと詳細なバンコマイシンMIC測定が必要ではないか?
バンコマイシンでMRSA菌血症を治療するには、MIC1以下である方が良いのではないか?
バンコマイシンはAUC/MICというPK/PDパラメータで有効性の判定ができると言われており、このAUC/MICが350-400を超えないとバンコマイシンでのMRSA菌血症の治療は難しいといわれております。
このAUC/MICの分母にあたらバンコマイシンのMICが2以上ではもはやこの"350-400"という数値は越えられない壁となってしまうため、実はそれ以下のどのくらいのMICなのかを詳細に測定する必要性がありました。
このため、このたび、MRSAが血液培養で培養差れた場合に、バンコマイシンの詳細なMIC測定のために”E-TEST"を導入させていただいたというわけです。
実際には、0.5刻で、0.5、1.0、1.5、2.0。。。とかなり細かく判定できるようです。
実際に、ブログ作者もバンコマイシンE-TESTを使用して、MRSA菌血症の治療をすでに始めておりますが、従来のバンコマイシンMIC2以下という結果よりも、より自信をもって治療の望むことができております。
まだまだ、MRSA感染症は院内感染症の大御所といった感がありますから、今後も注意深く診療してまいりたいと思います。
2009年12月15日火曜日
平成21年度院内感染対策講習会勉強内容(その①)
・勉強させていただいたことのポイント
・セラチアやエンテロバクター、シトロバクターなど腸内細菌群の一部は低温(1~4℃)でも発育する!
輸液を事前調整して、冷蔵庫に保存していても輸液中で増殖してしまう恐れアリ!要注意。
・緑膿菌は大問題!特にカルバペネム、アミノグリコシド、フルオロキノロンの3剤に耐性を獲得している 多剤耐性緑膿菌”MDRP”の拡大
・緑膿菌:水回りに注意!乾いた環境では生存困難。
コンタクトレンズ保存液、モップ、スニーカー、野菜・果物、加湿器など
内視鏡の先端、シャワーヘッドなども死角
・健常人の便中に緑膿菌保菌:2.6~24%:腸管からのBacterial translocationに注意!
・細菌の抗菌剤耐性化機構
・抗菌剤の不活化酵素の産生:βラクタマーゼなど
・作用点の変異:PBPの変化など
・抗菌剤の排出:Efflux機構
・pre-MDRP:2剤耐性菌に注目!
・カルバペネム+キノロン耐性菌の増加!→MDRPへ
・Bacterial translocation:腸管→門脈を介して肝臓へ:その後全身性敗血症:内因性感染
・感染源が不明な時は上記を常に考慮
・カンジダ、マイコバクテリウムアビウム:HIV、MRSA、腸内細菌の一部
・監視培養
・選択的腸管内殺菌:Selective Digestive Decontamination
・ムコイド型緑膿菌:アルギネート:菌体外多糖産生:貪食抵抗性、補体殺菌感受性あり、全身感染は起 こしにくい(慢性感染):敗血症にはなりにくい?
・細菌の要塞:”バイオフィルム”形成:カテーテルの抜去が必須
・アシネトバクター
・ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
・自然界に広く分布
・乾燥に抵抗性、低温でも増殖
・VAPの重要な病原体
・多剤耐性菌の増加:カルバペネム耐性のアシネトバクターに注意
・市中感染型アシネトバクター:今後、脅威になってくる?
・東南アジアで蔓延?
・日本でも発症あり。
・CA-MRSAの増加
・「とびひ」増加CA-MRSA 51%
・VRE:バンコマイシン耐性腸球菌
・VRE:鶏に成長促進剤:アポバルシン投与:バンコマイシンとアポバルシンが構造似ている
・プラスミドを介した耐性遺伝子の伝播
・環境(食肉・魚)への抗菌剤の使用が新たな耐性菌をもたらすのか?
今日はここまでにします。また明日勉強させていただいた内容とともにご報告いたします。
上記文章は、講習会での勉強内容を記録させていただきましたが、ブログ作者の聞き間違いなどあるかもしれません。実地臨床で活用される場合には、必ず教科書などでご確認の上、自己責任でご利用いただけますようお願いいたします。
内容的に間違いのご指摘や、ご意見ご要望はコメント欄に記入いただけましたら幸いです。
平成21年度院内感染対策講習会
さいたま赤十字病院では、院内感染対策に全病院スタッフが日々取り組んでおりますが、新しい知見を取り入れて更なるレベルアップを図る為に、診療業務を休ませていただき、講習会に参加させていただいております。
今日と明日勉強した事項は広く院内だけでなくブログ読者の皆様にも還元させて頂く予定ですのでよろしくお願いいたします。
2009年12月11日金曜日
EGFR遺伝子変異検査の重要性
2009年12月10日木曜日
カウンター10000突破!ありがとうございます
一月にカウンターが約5000回っている計算になります。
ページビューと言うのは、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログのどの記事を表示して頂いてもカウンターがカウントされる仕組みのため、そのように呼ぶようです。
最近は、各方面の皆様より、ブログ見たよ!とお声がけいただくことも以前より増えてまいりました。
これからも皆様により訪れていただけるように努力をしてまいりますので、これからも変わらず御愛読の程よろしくお願い申しあげます!
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ管理人より
2009年12月8日火曜日
肺機能勉強会
2009年12月7日月曜日
研修医だより第3号のご紹介
2009年12月6日日曜日
医学用語変換にお困りですか?~Google IMEの紹介~
第19回IDATENインタラクティブケースカンファレンス勉強内容その①
アメリカはじめ諸外国では行われていなかった学校・学級閉鎖。日本独自のインフルエンザ感染拡大予防策。ただし、その代償として新型インフルエンザ感受性者は多数残存してしまう。
2009年12月5日土曜日
メモをとってはいけません!~勉強のコツその2~
2009年12月4日金曜日
X'mas ツリー
街中で見かけた綺麗なクリスマスツリーの写真です。
病院という所は毎日多くの苦しんでいらっしゃる患者さん方が集まる場所です。
スタッフも患者さんもたまには病気と闘うことを忘れる時間も必要なのかな?と思いますが皆様如何でしょうか?
ブログ更新遅延のお詫び
最近何かと忙しく、なかなかブログ更新が出来ない状況が続いております。
今夜くらいからは再びさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ更新が可能となる予定ですので、どうか皆様これからも本ブログをよろしくお願いいたします。
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ管理人
2009年12月2日水曜日
12月のアンケート:来年はどのような年になりますか?
2009年12月1日火曜日
11月アンケート結果発表!!
「本ブログで取り上げてほしい話題は?」でした。
では結果発表です!!
・肺癌・呼吸器感染症 11票:27%
・肺炎・呼吸器感染症 17票:42%
・気管支喘息・アレルギー疾患 8票:20%
・肺線維症・間質性肺疾患 3票:7%
・新型インフルエンザ 9票:22%
・医療問題・社会問題 11票:27%
・一般NEWS 3票:7%
・医療NEWS 9票:22%
・さいたま赤十字病院の紹介 14票:33%
・その他 4票:10%
総投票数 40票(重複投票可能)
「肺炎・呼吸器感染症」と「さいたま赤十字病院の紹介」が比較的多数を占めていたでしょうか?
今回のアンケート結果を参考に、今後もさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様にご支持いただけるような内容を充実させていまいりたいと思います。
これからもさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログのご愛読をよろしくお願い申し上げます。
マウスとキーボードから自由になる!
感染症診療では
「熱・白血球・CRPから自由になる!!」by Dr.青木 が大事です。
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、これからのコンピューターには、「マウス」と「キーボード」から自由になる!!ことが重要なのではないかと考えます。
私が、医師になって、数年が経とうとしていたころ、WINDOWS XPのタブレットPC Editionが発売されました。
その当時、ペンで自由に画面上に文字や絵が描ける、タブレットPCとはどのようなものなの
か?非常に興味深く販売店の店頭で触らせていただいた経験がありましたが、当時のPCの性能ではなかなかスムースに文字や絵を描くことができませんでした。(ただ単に使いこなせなかっただけかもしれませんが)
それから、だいぶ時間が経ちましたが、ついにWINDOWS 7で、WINDOWSタッチが標準搭載される時代となりました。
早速、販売店でタッチパネル搭載機種を触ってみましたが、今回は非常にスムースな動きに「これならイケル!」と確信し、上記写真のもでるをこのたび購入いたしました。
どのようにタブレットPCを使用していくのか?
ひとつは上記写真のように、画像をペンで描画する使い方を考えております。
ブログ作者がもっとも有効な使い方と考えているのは、パワーポイントプレゼンテーションでの使用です。
画面を指先でタッチすることにより、ポインターのように指し示すことが可能です。また、タッチペンで画面に文字や絵を書くとそれが、そのままプロジェクターで投射されるため、ホワイトボードのようにも使用可能なのではないかと思います。
若手医師セミナーなどのインターネットでの勉強会などでも力を発揮するのではないでしょうか?
しつこいですが、これからのコンピューターに求められるもののひとつが
「マウス・キーボードから自由になる!!」
ことではないかと考えます。バリアフリーの視点からも非常に期待をしているタブレットPC。
今後の発展が楽しみですね。
どのような「最後」を迎えるか?~自分の「死」について考える~
「ヒト」も生物の1種であるわけで、必ずだれでも一度は「最後」=「死」を迎えることとなります。
それがいつかは人それぞれです。
本ブログをごらんいただいている皆様の中には、遠い未来に「死」を迎えることを予想されている方もいらっしゃれば、いろいろな病気などでそれほど遠くない時期に「死」が現実のものとなることを実感されているかたもいらっしゃることでしょう。
あまり実感がわかないかもしれませんが、予期せぬ「死」が突然襲ってくる場合だってあります。
健康に過ごしている若い方でも、いつ交通事故にあうかわかりませんし、物騒な事件で突然、他者に命を断たれる可能性だって否定できない世の中です。
だれにも「死」は避けられない切実な問題なのです。
では、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様はどのような「最後」=「死」を迎えたいでしょうか?
せっかくですから、皆様、考えられるうちに自分の人生の「最後」について考えておかれてはいかがでしょうか?
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は人生の最後を飾るのが「死」ではないかと考えます。
「死」を否定的に捕らえるのではなく、絶対に避けられないものである以上、肯定的に捕らえてみてはいかがでしょうか?
人生の最後を、家族や友人に見守られて旅立つこと。
一人でおだやかに最後を迎えること。
病院で最後を迎える場合、自宅で最後を迎える場合、いろいろな状況が考えられます。
病院で最後を迎えられる場合には、延命処置などについても、元気なうちに家族や周囲の方々と相談しておくことは現在の高度医療時代には必須のことかもしれません。
万が一のときに延命処置を希望するのかしないのか?
人工呼吸を希望するのかしないのか?
家族も含めて自分以外の周囲の方々が判断するより、自分自身で前もって決めておくことが、実は家族や周囲の方々にとっても非常に助けになることが多いとブログ作者は考えております。
患者さんが重篤なときに、ご家族に「延命処置・人工呼吸など希望されますか?」ときいても、ご家族が患者さん御本人の意志を知らないと、
「そんな重大なこと決められません!!」
と言われる方々をしばしばお見かけいたします。
たしかに、そんな重大なこと、自分たちの意見だけで決めるのは非常に苦痛なことではないかと思います。もし、そんなとき、患者さん御本人の意志を知っている方がいらっしゃれば、それは非常に有意義なことではないかとブログ作者は考えます。
最近では病院以外に在宅で最後を迎えられる方々も徐々にふえつつあります。
在宅での往診に積極的な医師も増えてきており、自宅で自分の好きなように・自由に余生を過ごして、だれからも束縛されることなく最後を迎えられる方も徐々に増えている状況です。
あなたは、どのような最後を迎えたいですか?
「私はまだまだ死なないよ!!」と思っていらっしゃるそこの「あなた」ほど、自分の人生の最後について家族や周囲の方々と十分今のうちから相談されておくことをお勧めさせていただきます。
ブログ作者も、自分の家族や周囲の者とゆっくりとした時間の中で、自分の「死」について考える時間ができたらよいなあと思っております。