「漢方薬の基礎と呼吸器領域での漢方薬の使い方」をテーマに御講演いただきました。
杏林大学呼吸器内科「あんずの呼吸」
内科医(というかブログ筆者)にとって「漢方薬」は「やっかいもの」のように感じている人が多いのではないでしょうか?
私のイメージでは「漢方薬」=「副作用」のような捕らえ方で、漢方薬は副作用が厄介だから近寄らないという状態を長年続けてきました。
実際に、研修医1年目で「間質性肺炎」や「肝機能障害」の原因が「漢方薬」と推定される患者様を診療させていただいた経験がとても色濃く残っているためかもしれません。
ただ、薬剤の副作用、最近の「マスコミ」の言葉を借りて言うと「薬害」はどのような薬剤でも起こりうるものです。
抗がん剤や抗菌剤などのように「生きている細胞」を障害することで効果を発揮する薬剤は、漢方薬よりももっと副作用が多いのではないか?と最近は感じるようになってきております。
「抗菌剤」は生きている「細菌」をやっつけるための薬ですし、「抗がん剤」にいたってはもともと「自分の体の細胞が変化したもの」をやっつけるわけですから副作用があって当然です。
おそらく、医師になりたてのころの自分は「漢方薬は副作用が無い(少ない)」というイメージを持っていたのに、それを覆されたというショッキングな出来事が「漢方薬」=「副作用」みたいな印象を植え付けられてしまったのかもしれません。
それに対して「抗菌剤」は「ペニシリンショック」や「抗菌剤関連下痢症」のように、医学部教育時点から「副作用があるぞ!!」という勉強をしているし、「抗がん剤」にいたっては「副作用あってあたりまえ」のような薬剤のイメージを持っているため、実際の副作用の頻度が(漢方薬と比較して)とても多いにもかかわらず、その情報が「折り込み済み」のためにあまり問題に感じなかったのかもしれません。
皿谷先生のいろいろと教えていただいたことを活かして、さいたま赤十字病院呼吸器内科でも「漢方処方・東洋医学」分野にも勉強の手を広げていこうかと思っております。
(ただしまだまださいたま赤十字病院呼吸器内科では漢方薬の修行を開始したばかりですので患者様から「漢方で」といわれてもちょっと対応できないところがあるのはご了承ください)
これからも日々努力・勉強を重ねて言って、いろいろな診療・治療方法を会得していくことが、患者様方にさいたま赤十字病院呼吸器内科を選んでいただけるものと信じております。
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