2009年7月20日月曜日

自分の意見をしっかりと持つこと

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様はいろいろな、職業、立場のヒトがいらっしゃるかと思いますが、ブログの性質上、何らかの形で「医療」に関連したヒトが多いのではないかと推測しております。

例えば、「患者」だったり、「医師」だったり、「看護師」だったり、「病院事務職員」だったり、「さいたま赤十字病院を暖かく見守る地域住民の方」だったりするかもしれません。
(本ブログはインターネットを介して世界中の人々が読者となれるようにはなっていますが、残念ながら作者の勉強不足で「日本語」でしか作成していないため、読者は日本語が読める人に限定されてしまっているかもしれませんが。)

ブログ作者は、ほとんど「医師」という仕事しかしたことがありません。そのため「ものの見方」を「医師」という非常に限られた立場からしか見ることができていないことを残念に思っています。
ただ、限られた「ものの見方」しかできてはいないかも知れませんが、いろいろな事柄について自分の「アタマ」を使って、なんとか自分なりの「意見」は持つようにすることを心がけております。

ブログ読者の皆様は自分の意見や考え方をしっかりと持っているでしょうか?

対象は何でもいいですが、自分の意見を持つということは結構高度な知的作業が必要な事柄ではないかと思っております。どこかで見聞きしたことをそのまま言うことはたやすいかもしれません。しかし、ある事柄について「自分の意見を持つ」ためには、多少なりとも自分の「アタマ」を使った「思考」という知的作業の過程が必要となります。

立場上、「研修医」の先生方の「指導」(実際にはそれほどエラそうなことはできていませんが)をさせていただいていると、自分の意見をしっかりと持っている「研修医」の先生は、後日非常に実のある研修を送って立派な医師となっているような気がしております。

「研修医」という立場は、病院のなかでは非常に微妙な存在です。

一人前とは扱われずに、でも「医師免許」は持っていて「患者」となる人々を診療する立場。なかなかやりにくいところもあるかと思います。「患者」となる方々の治療方針についても、自分では勝手に決めてはいけないといわれ、それでも診療を継続しなくてはならないというのは非常にストレスのたまる状況ではないかと推測できます。

でも、自分一人では、全部の決定事項を決められなくても、少なくとも「指導医」に対して、自分なりの「意見」を言うことはできるはずです。あくまでも「自分の意見」があればの話ですが。

初期研修期間であまり成長されていないなあ。。。と思う人々は、「自分の意見」を全く言わず、指導医の言いなりになっている人に多いような気がしております。指導医の言うとおりにしておけば、「指導医ウケ」もよくなり、要領のいい研修医として重宝されることでしょう。しかし、自分の「アタマ」を使って考えることをしないとそのツケは、自分が指導する立場になったときに如実に現れてくることでしょう。

そもそも「指導医の言っていること」が必ずしも正しくないのは、多くの医師・研修医の皆様も良くわかっていることではないでしょうか?全部が全部正しいことを言えるヒトっているんでしょうか?

ブログ作者は、研修医の先生方に「自分はいつも正しいことを言っているとは限らないよ!」ということを最初に必ず言うようにしております。なので、ブログ作者の言っていることが本当に正しいのか、あとで必ず「教科書」などを読んで勉強するようにと常日頃、研修医の皆様にお話いたしております。
(ちなみに本ブログで書かせていただいている内容も必ずしも正しいことばかりではないと思っていますので、「そこは違うんじゃない?」と思われましたらコメント欄にどうぞ)

どのような「有名」な医師の指導でもゼッタイに正しいということは無いというのが、ブログ作者の意見です。緊急事態の時には、その場では「指導医」の言うことにとりあえず従って医療行為を行うしかありませんが、必ずあとで「本当に正しい医療行為だったのか?」という「疑いの眼」を持って、教科書や文献を当たることを心がけてほしいと思います。

そういう「疑いの眼」を養っていくことが、「偉大な発見」につながっていくのではないでしょうか?

「医学」は「科学」の一分野であると、ブログ作者は思っております。「科学」は今、現在「正しい」という事柄も「未来」には簡単に覆されてしまうものであるのも歴史が物語っています。

自分の意見が本当に「正しい」のか?常に「疑いの眼」を持って考えていくことが大切ではないかと思います。

現在研修中の先生方は「自分の意見」をしっかりと聞いてもらえる環境で研修されていますか?

さいたま赤十字病院呼吸器内科での研修は「自分の意見」を自由に言える環境であることを保証いたします。(ただし他人を害したりしない限りは)。

「自分の意見」を自由に言える環境であることの「証明」としてさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログが存在できているのではないかと自負いたしております。

呼吸器内科を目指す、初期研修中の先生方、是非さいたま赤十字病院呼吸器内科を見に来てください。

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