2009年6月30日火曜日

8/20 第3回さいたま感染症勉強会

2009年8月20日(木曜日)に第3回さいたま感染症勉強会が開催されます。

第3回の当番幹事を務めていただいている国立成育医療センターの大宜見先生から案内メールがきましたのでさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでも紹介させていただきます。

2009年8月20日(木曜日)に第3回さいたま感染症勉強会を開催させていただくこととなりました。

おかげさまで、第1回さいたま感染症勉強会を昨年11月、第2回を本年3月に行い、盛況のうちに終えることができました。

第3回のテーマは「カテーテル関連血流感染症」です。
講師に自治医科大学付属病院感染制御部部長である森澤雄司先生をお招きし開催させていただきます。

下記大日本住友製薬スタッフへの参加希望メールをご送付いただけましたら幸いです。(ある程度の参加人数の把握のためです)

前回より、ケータイ電話を使用した問題選択枝解答システムも導入し、より皆様に積極参加しやすい勉強会にする予定です。皆様是非御参加いただけますようよろしくお願いいたします。

         第3回当番幹事 国立成育医療センター 膠原病・感染症科 大宜見 力



第3回 さいたま感染症勉強会


さいたま市周辺エリアの初期研修医,レジデント,感染症に興味のある医師・薬剤師・検査技師など医療従事者を対象に、感染症の診断と治療の基礎知識を学んで頂く機会として≪さいたま感染症勉強会≫を開催させていただきます。日常診療でしばしば見かける病態について、症例を通してみんなで勉強していく“肩のこらない”会にしたいと考えております。議論の内容は“初期研修医が十分ついて来れる”レベルに設定いたします。また、毎回テーマごとに感染症のプロをお招きし、コメントと総括をお願いする予定です。

 第3回は「カテーテル関連血流感染症」をテーマに、教育講演と2題の症例検討を行います。
コメンテーターは、自治医科大学付属病院感染制御部部長である森澤雄司先生にお願いしました。
森澤先生は、臨床感染症のみならず、感染管理学において日本の第一人者でおられます。昨今は新型インフルエンザの対策に奔走され、各種メディアでお見かけした方も多いことと存じます。感染管理上避けては通れない血管内留置カテーテルについても詳しい知見をお持ちの方です。カテーテル血流感染は最も重要な病院感染のひとつであり、症例を通してより実践的な勉強が出来ればと思います。

なお、前回と同様に「携帯電話」を利用しキーパット方式にて質疑に対し、回答を頂けるようなシステムを用います。積極的に皆様にご参加いただけるインタラクティブな勉強会になるかと思います。ご多忙とは存じますが、ぜひご参加下さいます様、宜しくお願い申し上げます。

 第3回当番幹事 国立成育医療センター 膠原病・感染症科 大宜見 力

上記システム参加のため携帯電話をご持参ください
(携帯電話がなくても聴講は可能ですが選択枝の回答には参加できません)

記日時:平成21年8月20日(木)18:50~22:00

場所:大日本住友製薬(株)埼玉支店 7階会議室   

さいたま市大宮区宮町2-35 大宮MTビル7階
048-649-7011(大日本住友製薬 埼玉支店)会費:1000円                           

以上会場設営の都合上出欠返信メールを、大日本住友製薬株式会社 埼玉支店   
岩田孝之様 宛 takayuki-iwata@ds-pharma.co.jp までお願い致します。

  幹事  讃井 將満、石岡 春彦(自治医科大学附属さいたま医療センター)
       小田 智三、佐藤 亮 (さいたま赤十字病院)
       大宜見 力      (国立成育医療センター)

                            共催:さいたま感染症勉強会 大日本住友製薬株式会社

カテーテル関連血流感染症(CRBSI)対策の極意

昨日6月29日は東京医大で開催された青木先生の「感染性心内膜炎・カテーテル関連血流感染症」の勉強会に行ってきました。

感染性心内膜炎は普段呼吸器内科医やっているとそれほどなじみがない疾患でしたが、勉強になりました。

カテーテル関連血流感染症(CRBSI:Catheter Related Blood Stream Infection)の方は、膨大な情報量の米国感染症学会(IDSA:Infectious Diseses Society of America)のガイドラインの内容を中心に講義されていました。

カテーテル挿入期間で「短期間留置カテーテル=14日未満留置」と「長期留置カテーテル=14日以上留置」に分けて考えるようです。また、カテーテルタイプなどでもいろいろと違いがあるようでした(情報量がとても膨大でブログ作者もかなり消化不良な感じです。)

呼吸器内科医の視点からとても大事だと思ったのは、以下の点でした。
「大腿静脈から留置されたカテーテルによるCRBSIでは経験的治療で
   ・グラム陽性球菌
   ・グラム陰性桿菌
   ・Candida
の3菌種をカバーする抗菌材を投与する」
というものです。呼吸器内科医は、他科の医師よりも比較的大腿静脈をCVカテーテル挿入部として選択する患者様が多いのではないかと思います。NPPV人工呼吸管理中の患者様や気胸で気胸や胸水貯留などで胸腔ドレーン留置中の患者様などですと、イメージとしてあまり、鎖骨下や内頸静脈は選択したくないという気持ちがあるかと思います。(筆者の個人的な意見かもですが)。

カテーテル関連血流感染症の究極的な対策はなにか?青木先生は「カテーテルを入れないこと!!」とおっしゃっていました。そのとうりかと思います。
「カテーテルが入っていなければカテーテル関連血流感染症は生じない!!」
というのはカテーテル関連血流感染症対策の極意ではないかと思います。

ただ上記はあくまでも理想上のことで、実際の臨床実践ではなかなかそうはうまくいきませんので、CVなどのカテーテルを挿入したら、すぐに「いつこのカテーテル抜けるか?」を日々考えるというのが大事とのことでした。

イヤなカテーテル関連血流感染症を少しでも減少させる努力をさいたま赤十字病院全体でしていくことが求められています。

IDSAのガイドラインをぜひご参照ください(もちろん英語ですが...)

2009年6月27日土曜日

一般細菌性肺炎と異型肺炎の鑑別 聴診所見での驚きの鑑別診断

昨日の若手医師セミナーで徳田安春先生のお話をお聞きいたしました。

その中で勉強になったのは、聴診所見から「一般細菌性肺炎」といわゆる「異型肺炎」を鑑別するという驚異の方法でした。

これまで、日本呼吸器学会の成人市中肺炎ガイドラインでも「一般細菌性肺炎」と「異型肺炎」の鑑別はいろいろと記載されていましたが、「呼吸音」の聴診所見から鑑別するという発想は見たことも聞いたこともありませんでした。

まず、なぜ「一般細菌性肺炎」と「異型肺炎」を区別しなければいけないか?

それは、抗菌剤の選択が全く異なるからです。

「一般細菌性肺炎」では、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラクセラカタラーリスなどの細菌による肺炎で、β-ラクタム系抗菌剤(ペニシリン系、セフェム系など)が有効です。これらの抗菌剤は細菌の「細胞壁」にアタックすることにより、抗菌作用を発揮します。人間の細胞には「細胞壁」がないため、基本的にはヒトの細胞には作用せず、こういった点からも安全性の比較的高い薬剤かと思われます。

これに対して、いわゆる「異型肺炎」では、「マイコプラズマ」「レジオネラ」「クラミドフィラ」などのいわゆる「細胞内寄生菌」による感染症のため、寄生されている細胞(マクロファージなど)の内部に入って作用するような薬剤が必要となります。例えば、「マクロライド系」「テトラサイクリン系」「キノロン系」などの薬剤が細胞内寄生菌に対して有効な薬剤となります。ただ、これらの薬剤はヒトの細胞にもある、細胞内器官をターゲットとするため、ある程度副作用の頻度がある薬剤となります(小児や妊娠中に禁忌となっている薬剤もあります)。

このため、「一般細菌性肺炎」と「異型肺炎」を鑑別することは、どのような抗菌剤を選択するかという非常に治療の根幹にかかわる部分で大事なことであるといえます。

この非常に大事な鑑別を「呼吸音」の聴診所見から行おうということなので、非常に興味深い内容でした。もちろん、採血もレントゲンも「無し」です。非常にコストのかからない鑑別診断です。

詳細は”Phasic characteristics of inspiratory crackles of bacterial and atypical pneumoniae"
 Y Norisue,Y Tokuda,et al:Postgraduate Medical Journal 4/8/08 2008 Aug;84(994):432-6

をご参照ください。

要点は呼吸音の聴診トレーニングは必要かと思いますが、聴診所見で
    ・Pan(holo)-inspiratory crackles:通常 うっ血性心不全や肺水腫で聴取
    ・Late inspiratory crackles:通常、間質性肺炎、早期うっ血性心不全
で聴取する肺雑音をしっかりと聴取できることが必要です。
呼吸器内科のトレーニングをしていれば、「間質性肺炎」のLate inspiratory cracklesはそれほど問題なく聴取可能な気がします。間質性肺炎の患者様で、背部から両側肺底部を聴診して、吸気途中から聞こえ初めて、吸気終末まで聞こえるいわゆる「ベルクロラ音」様のものではないかと思います。
もう一つのPan(holo)-inspiratory cracklesは、うっ血性心不全や肺水腫の患者様で吸気開始時から吸気終了時までに聴取するいわゆる湿性ラ音のことではないかと思います。これもそれほど難しくなく効きなれている聴診所見かと思います。

この2種類の聴診所見で「一般細菌」と「異型肺炎」を鑑別します。

市中肺炎で
   ・Late inspiratory cracklesが聴取されれば「異型肺炎」の可能性が高く
   ・Pan-inspiratory clacklesが聴取されれば「一般細菌性肺炎」の確立が高い
というものです。詳細は上記文献を参照していただきたいですが、非常に驚きました。

もちろん、その他の鑑別方法、「日本呼吸器学会市中肺炎ガイドライン2005」や「グラム染色」などをさらに組み合わせれば、もっと「感度」「特異度」の高い鑑別が可能かもしれません。

なぜこれが大事か?問題の背景には、日本では「マクロライド系抗菌剤が肺炎球菌に無効な場合が多い」ということがあるかと思います。頻度として非常に高く重症例も多い「肺炎球菌肺炎」とそれ以外の鑑別が大事なのではないかと思います。









2009年6月26日金曜日

結核は忘れた頃にやってくる!!

結核は今でも「コワイ」病気です。
「結核なんて薬で治るんじゃないの?」と思っている人が多いかもしれませんが、残念ながら抗結核剤が効かない(効きにくい)結核菌による感染が急速に世界中で広まって来ています。

MDR-TB:multidrug resistant tuberculosis:多剤耐性結核や「超」多剤耐性結核といわれる結核菌の感染症の患者様が徐々に増えてきており、治療法が「無い」状況が現実のものとなってきております。
こんななかで、イヤなニュースをWEBで見ました。

「結核集団感染、20代男性死亡 同僚ら9人治療 大阪」asahi.comより
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200906260005.html

「市によると、男性は07年1月にせきが出始め、08年秋ごろから体調が悪化。同年12月には仕事ができなくなって退職した。09年2月10日、運ばれた病院で検査した結果、結核と判明した。同日中に専門病院に転院したが同月23日、亡くなった。男性は搬送されるまで一度も医師の診察を受けていなかった。」

と記載があります。一番問題なのは、「咳」症状があるにも関わらず、ずーっと 医師の診療を受けていなかったことがあると思います。
以前にも本ブログでも書かせていただきましたが、「長引く咳は要注意!!」です。

とくに2~3週間以上の咳症状がある場合には必ずお近くの医療機関で「結核ではないですよね?」と医師に質問しつつ診療を受けることをお勧めいたします。

「肺結核」は自分だけの問題・病気ではなく、他人への「感染」を通じて「社会全体」に影響を及ぼす病気です。治療方法のない「結核菌」が出現している現在、「肺結核」はもしかしたら「新型インフルエンザ」よりももっと社会への影響は大きいかもしれません。

しつこいようですが、「長引く咳は要注意!!」ですので、ちょっと咳続いているかも。。。と思われましたらお近くの医療機関に受診してください。
もし「肺結核」が疑われましたら「結核専門医療機関」への紹介をしてもらってください。

残念ながらさいたま赤十字病院では「肺結核」の診療は行っておりません。
「結核」を疑われました患者様についてはさいたま赤十字病院から「結核医療機関」に紹介させていただいておりますので御了承ください。

2009年6月25日木曜日

内科初期研修医・呼吸器内科後期研修医募集中

さいたま赤十字病院では初期臨床研修医を募集いたしております。

ブログ作者も昔、初期研修を大学病院で1年、市中病院で1年(市中病院はPGY2で)研修させていただきました。
多くの有名研修病院があり、そういったところは輝かしい「歴史」があり、その施設で初期研修を修了した「偉人」がいるため、されに人気の研修施設となるという構図があるのではないかと思います。

しかし、有名研修施設・病院で研修をうければだれでも「スゴイ臨床医」になれるのでしょうか?

そうではないと思います、有名な研修病院は、学生時代に高い倍率でセレクションがかかっているため、初期研修をはじめる「前」から、優秀な医師が集まっているだけではないかと推察いたします。

そういった「優秀」な人は別にどこの研修病院で初期研修を行っても結局変わらずに「優秀」だと評価されるようなきがしております。

要は研修病院・施設が「良い」のではなく、研修を受ける初期研修医自身が「優秀」なだけではないかと思います。

さいたま赤十字病院は幸か不幸か「有名」な研修病院ではありません。
これはある意味「チャンス」ではないかと思います。倍率もそれほど高くないことが予想されますし、なにより「自由」な研修ができます。

自分自身の「能力」が試されるのが初期研修ですから、別にどこの病院・施設で研修してもそれほど変わらないのではないかとブログ筆者は考えております。なにより「大学病院」と「市中病院」の両方で初期研修を行った経験からですからある程度確からしいことを言っていると自負いたしております。

どこで「初期研修」するべきか?いろいろと迷っている医学部学生の皆様多いかと思いますが、「さいたま赤十字病院」での初期研修は決して「損」はさせないと思います。

自分の「能力」をレベルアップさせるための「環境」に注目して初期研修病院をぜひ選んでください。

「どこ」で研修をうけるかではなく「どのように」研修を受けるかが大事だとおもいますよ。

また、さいたま赤十字病院呼吸器内科でも後期研修医(レジデント)の先生を募集中です。
一度見学に来ていただけるといろいろと中の世界が見えて興味深いと思います。
皆様の見学をこころから街申し上げております。

                          さいたま赤十字病院内科・呼吸器内科スタッフ一同

禁煙外来 毎週木曜日 午後2時~午後4時

さいたま赤十字病院呼吸器内科によくお問い合わせのある事項に「禁煙外来」があります。

さいたま赤十字病院もようやく2009年1月より「禁煙外来」をはじめさせていただきました。

COPDや肺がん、間質性肺炎などの喫煙関連肺疾患の患者様。

脳梗塞、心筋梗塞など動脈硬化性疾患の患者様。

「タバコはやめたい」けど自力では困難な患者様。

是非さいたま赤十字病院呼吸器内科の「禁煙外来」をご利用ください。

禁煙外来は完全予約制です。禁煙外来担当の看護師が電話でいろいろと質問させていただき、「禁煙外来」の適応と判断されましたら禁煙外来を予約させていただきます。

電話相談は毎週木曜日の午後2時~午後4時の間に下記に電話をして「禁煙外来希望」とお伝えください。
  電話番号:048-852-1111(代表電話)

皆様の禁煙をサポートする「禁煙外来」をぜひご利用ください。

2009年6月24日水曜日

「先生」と呼ばれる職業

「先生」と呼ばれる職業にはどのようなものがあるでしょうか?

「国会議員」「学校や塾の教師」などいろいろな職業の人が「先生」と呼ばれますが、「医師」もまた「先生」と呼ばれることのある職業のひとつです。

こういった「先生」と呼ばれる職業の共通点は何でしょうか?
いろいろと考えてみましたが、人々や個人に「マイナスイメージを感じさせる言葉」をしっかりと言えるor言わなければいけない立場の人々ではないかと思いました。

「マイナスイメージを感じさせる言葉」とは?

国会議員ではあれば「増税」などの痛みを感じることを有権者に言うこと。

教師であれば生徒に「勉強しなさい!」と言うこと

医師であれば患者様に「タバコ」や「お酒」をやめなさい!ということ

だったりします。「人に嫌われる言葉」=「マイナスイメージを感じさせる言葉」でも、言わなければいけない人々。個人や集団を正しい道に誘導していかなければいけない人々が「先生」と呼ばれる人々ではないでしょうか?

今の「医師」ははたして「先生」と呼ばれるに値する言葉を「患者様」にかけられているでしょうか?

患者様に嫌われる言葉でも、必要があればきちんとお話できる医師。こういったことの積み重ねが患者様の信頼を得られる医師になっていくのではないかと思います。

こう考えていくと、医師という職業はゼッタイに「サービス業」にはなれないことがわかります。

「サービス業」では「お客様にプラスのイメージを感じていただくこと」が最も大切なことになるかと思います。
「サービス業」のひとつである、「ホテル」に泊まって「嫌な感じの言葉」を言われたら二度と利用してもらえなくなるかもしれません。

さいたま赤十字病院呼吸器内科では、患者様やご家族に「マイナスイメージ」を感じさせる言葉を多く話さざる終えない状況もあるかと思います。
例えば、「タバコを止めましょう」とか「お酒を飲まないでください」などなど。
もっと深刻な内容としては、「レントゲンやCTで肺癌が疑われます」とか「今の医療レベルでは治療方法の難しい(無い)病気です」「余命1-2ヶ月程度かも」など。でも患者様に嫌な感じを抱かれようとも、「言わなければいけないこと」はお話させていただきたいと思います。「真の先生」となれるように。

2009年6月23日火曜日

タバコを吸い続けていると...COPDについて

日本は世界の先進諸国と比較して,タバコに対して寛容な国なのだといわれています.

つい最近まで,TVで多数のタバコのCMが流されていました.

呼吸器・肺の病気は皆様もご承知のとうり,「タバコ」の有毒ガスによって生じる疾患が非常に多いのが特徴です.
また「タバコ」が辞められないというのはそれだけで,「ニコチン依存症」という精神疾患の可能性があったりします.お酒がやめられないとか,麻薬中毒者とかと一緒ですね.

タバコを吸い続けている人に非常に多い病気が「慢性閉塞性肺疾患」=”COPD”です.
これは,昔,「肺気腫」とか「慢性気管支炎」とか言われていたものを,タバコなどの有毒ガスの慢性的な吸入によって発症する病気の一群として整理しなおした結果,シンプルに”COPD”と呼びましょうということになりました.(WHOがいろいろと考えてくれています)

この”COPD”を早期に発見して,タバコをやめていただくこと.また,必要があれば吸入薬の使用を開始することは,非常に有意義なことであるということが,海外での大規模研究でわかっています.
吸入薬には「スピリーバ」や「アドエア」などの薬剤があり,さいたま赤十字病院呼吸器内科でも,患者様の病状に応じて処方させて頂いております.

では”COPD”を早期に発見するためにはどうすればよいか?

先ずは「タバコ」を吸っている,もしくは以前吸っていた人に,「肺(呼吸)機能検査」や胸部レントゲン,CT検査,を受けていただいて,”COPD”に合致する検査結果があるかどうか調べます.
タバコを吸っていて,なってしまう病気には”COPD”以外にも「間質性肺炎」や「肺癌」など他の病気もあるため,必ず検査を行って確認することが必要です.

”COPD”と分かったら,「タバコをやめること」これが一番大事になります.

「タバコは辞めたいけど,自分の力だけではちょっとムリかも」と思ったら,是非「禁煙外来」をご利用ください.
「禁煙外来」についてのお問い合わせは,毎週木曜日の午後2時~4時の間に下記電話にかけていただき,「禁煙外来の相談希望」とお伝えください.
専属の看護師が相談させて頂き,適応と判断されましたら「禁煙外来」の予約を取らせて頂きます.
    電話番号:048-852-1111(代表電話)

さいたま赤十字病院呼吸器内科は「タバコ」による呼吸器・肺疾患の啓蒙活動を今後も行ってまいります.
 

医療事故調査委員会や警察へ届るべき医療事故

病院ではいろいろな医療事故が生じ、残念ながら不幸な転帰をとることもあります。

どういった医療事故を医療事故調査委員会や警察に届けるべきか?
いろいろな意見があるかと思いますが、厚生労働省の研究班が一定の見解をまとめてくれたようです。

「医療事故:警察への通知「悪質行為」限定…厚労省研究班案」 毎日JPより
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090623k0000m040038000c.html

・医療機関がどの範囲の事故を調査委に届け出るか?
  
  ・明らかに誤った医療行為で死亡した「医療過誤死」

  ・病気の進行や合併症だと医学的に説明ができない「死因不詳」のケース

医療事故調査委員会が警察に届けるべき事例としては

(1)故意

(2)隠ぺいや偽造

(3)同じ医療過誤を繰り返すリピーター医師

(4)医の倫理に反する故意に近い悪質な医療行為。
  (4)の例として▽医学的根拠のない医療▽著しく無謀な医療▽著しい怠慢

悪意のない過失で診断ミスや患者・薬剤の取り違えなどが起きた場合は、行政処分の対象

    基本的な医学常識の欠如や非常識な不注意による事故などは、さらに検討

との記載です。

非常に適切な内容かと思いますが皆様のご意見はいかがでしょうか?

医療事故調査委員会が生かされるかどうかは、事故の責任者・担当者を単に処罰するという発想ではなく、医療事故の内容を皆で共有し、同じような事故が同一医療機関だけでなく、他の医療機関でも教訓として生かされるようなシステムを構築していくことかと思います。

2009年6月21日日曜日

百日咳疫学調査 再掲

以前もブログでご案内させていただきましたが、問合がございましたので「百日咳疫学調査」について再度ご案内させていただきます。
2009年3月より、さいたま赤十字病院呼吸器内科では、順天堂大学医学部感染制御科学・細菌学教室の先生方が日本国内で行っている「成人百日咳の疫学調査」に参加いたしております。

具体的にどういった患者様に「百日咳疫学調査」をお願いいたしているか?

①「成人」が対象ですので、18歳未満の子供の方は対象外です。今回は「成人」が対象となります。

②百日咳を疑うような「咳」症状がある患者様

③「抗菌剤」を内服・点滴などを受けていない患者様

「抗菌剤」とは「ペニシリン」や「セフェム」「マクロライド」などのいわゆる「抗生物質」と「フルオロキノロン」や「S/T合剤」などの「合成抗菌剤」をあわせた言葉です。なので、さいたま赤十字病院呼吸器内科を受診される前に他院で「抗菌剤」「抗生物質」を処方されたり、点滴されたりしている患者様は今回の「百日咳疫学調査」の対象には原則なりません。ご了承ください。
よく近医で処方される「抗菌剤」の例
    ・クラリス、クラリシッド、クラリスロマイシン、ジスロマック、エリスロシン、ルリッド
    ・クラビット、オゼックス、アベロックス、ジェニナック
    ・サワシリン、オーグメンチン、ユナシン、ビクシリン
    ・フロモックス、メイアクト、ケフラール、サマセフ
その他いろいろな抗菌剤がありますが、抗菌剤を今回の「咳」のエピソードで処方・内服されている方は原則として「百日咳疫学調査」の対象外です。

④百日咳の検査は鼻腔(鼻の穴)から綿棒のような検体採取キットを鼻の一番奥まで挿入して行います。鼻やのどにもともとご病気のある患者様は検査が困難となるかもしれません。

⑤費用については、「百日咳疫学調査」の検査にかかわる料金は無料ですが、通常の外来診察料や初診料、紹介状がない方にかかる特別料金、採血検査などの料金は「保険適応」の診療費がかかります。

⑥検査検体は順天堂大学に郵送して、結果をさいたま赤十字病院呼吸器内科にお知らせいただきます。結果を患者様にお伝えするまでに約2週間程度かかります。同時に行わせていただきました、百日咳関連や咳症状の原因精査のための検査結果も同時にお伝えしております。

⑦検査結果が判明するまでは、症状・所見から必要があれば「百日咳」にも有効な抗菌剤を処方させていただきますが、各患者様の症状所見から処方する薬剤は異なります。また「咳」症状が出現してから時間がかなりたっている場合には、抗菌剤の必要性がわかりませんので、検査結果判明後に抗菌剤を処方させていただくかどうか判断させていただく場合がございます。
   
⑧そのたご不明な点はさいたま赤十字病院呼吸器内科スタッフまでご連絡ください。

すべての「咳」症状の原因が「百日咳」ではございません。あくまでも「咳」の原因のひとつにすぎません。長引く咳症状で心配な病気は「肺癌」「肺結核」「気管支喘息」「慢性閉塞性肺疾患COPD」「間質性肺炎」「心不全」「喉頭癌」「副鼻腔炎(蓄膿症)」「逆流性食道炎」など多彩なものがあります。

かかりつけの医療機関にまずはご相談いただき、「咳」症状が改善されない場合などはさいたま赤十字病院呼吸器内科に「紹介状」を作成してもらって、ご予約いただけましたら幸です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科のかかり方につきましては下記をご参照ください。

2009年6月20日土曜日

レジデントのための感染症診療マニュアル 第2版


感染症診療の全てがつまった日本語の教科書で、これ一冊でほとんどの感染症臨床状況で「困らない」内容です。
1400ページ以上もある、途方も無い情報量のため、初学者が通読するにはなかなか困難かもしれません。でも、感染症でなにか「困ったこと」や「知らない言葉」があったときには、真っ先に本書を開いて読むことで解決できることはとても多いかと思います。
第1版の登場時はまだ日本感染症診療の「夜明け前」であったため、筆者の青木先生が日本中で啓蒙されている「感染症診療の原則」を紹介するという役割が非常に大きいと感じました。

第2版登場時した現在は、臨床感染症に興味を持つ人々の大幅な増加、また日本での正しい感染症の普及過渡期のため、多くの地域で「感染症診療の原則」の考え方を身につけた医師が後輩医師や周囲の医師への正しい感染症診療の考え方の普及活動をしている時期ではないかと思います。

しかし、なかなか自分の周囲に感染症専門家の医師がいるかというとまだまだの状況かと思います。
(日本感染症学会の会員数は12000人を超えていますが、日本の感染症専門医の数は800人強であったかと思います。)
本書がそばにあるだけで、心強く感染症診療に従事できるのではないかと思います。

10500円以上の価値がある本だと思います。感染症診療の扉を開きたい人々は是非本書を手に入れることを強くお勧めいたします。


2009年6月19日金曜日

ようやく「新型インフルエンザ」の対応を現実的に変更

新型インフルエンザの厚生労働省の政策が改定されたようです。

「全医療機関で診療、新型インフルの運用指針を改定」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090619-OYT8T00573.htm

さいたま赤十字病院でも「発熱外来」を運用しておりましたが、多数の患者様が「発熱」症状で来院されるわけですから、どの患者様が「新型インフルエンザ?」かどうかなんてはっきりいって判別するのは難しいのが実情でした。

厚生労働省や政府の方々が現実的な対応にしてくれてありがたいです。
もしかしたら今後やってくるかもしれない「鳥インフルエンザAH5N1」やまた「未知」の感染症などにもいつでも「気が付ける」ように、日ごろからトレーニングし続けていかないといけませんね。

2009年6月17日水曜日

さいたま赤十字病院公式HPとリンクしました

このたびさいたま赤十字病院公式HPとリンクしていただきました。

さいたま赤十字病院公式HP作成スタッフの皆様大変ありがとうございました。

近日中に公式HPもリニューアル予定と伺っております。

公式HPともどもさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをよろしくお願いいたします。

また、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログはリンクフリーです。
相互リンクをご希望の方はコメント欄にその旨お書きください。

皆様のご意見を反映してこれからもより良い情報提供の場にしていこうと思います。

ブログで取り上げてほしいテーマは?

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様。

これまでのブログ評価アンケートを締め切り、新たなアンケートを作成いたしました。
左側の下方、ブログアンケートをご注目ください。
アンケートの回答は本ブログで取り上げてほしいテーマの選択枝を選んでください!!

アンケートを参考にブログ内用を更新してまいります。

これまで、いろいろなテーマについて書かせていただきましたが、どうだったでしょうか?

これまでのアンケート結果は?「本ブログの評価は?」
          良い     8     47%
          ふつう    5     29% 
          いまいち   1     6% 
          わるい    3     18%

でした。「いまいち」「わるい」というご評価も24%ありました。
ブログ読者の皆様の率直なご意見をふまえて、これからも内容を充実してまいりますので、皆様よろしくお願いいたします。ご意見はコメント欄に記載していただくと幸です。

これからも「さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ」をよろしくお願いいたします。

                            

2009年6月16日火曜日

ヘルシアスパークリング by花王


皆様、「ヘルシアスパークリング」もう飲まれましたか?
最初に緑茶のヘルシアが出た時は、飲んでみて正直「まずい」と思って、2度と飲むものか!!
と思いました。
その後、「ヘルシアウォーター」の「アセロラ」味を飲んで、なかなか飲めるようになったジャンと思いましたが、自分から飲みたいと思うほどではありませんでした。
しかし、ついに「おいしい」ヘルシアがでました。
「ヘルシアスパークリング」です。炭酸がカテキンの苦味などを微妙にアレンジしてくれて非常においしくカテキンをとれるようになりました!!
これなら繰り返し飲んでも大丈夫な味です。さいたま赤十字病院呼吸器内科でもひそかにリピーターが増えているようです。ありがとう「花王」さん。

次期衆議院選挙はよりよい医療にするためのチャンスです

NIKKEI NETのニュースに気になるニュースが配信されておりました。

「次期衆院選で重視する政策、1位は「年金・医療」 世論調査」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090615AT3S1501815062009.html

上記URLクリックでニュース元記事につながります。

現在の医療は、医師だけではなく、看護師、検査技師、医療事務など多数の病院や医療機関で働く医療従事者の献身的な努力で成り立っております。
しかし、その献身的な努力ももはや限界に来ており、医師や看護師などの過労死の問題などもTVや新聞などでご覧になった方も多いかと思います。

医療費抑制を唱えている人々は、経済状況が悪いのに医療費アップして「医者」だけ儲けるのはおかしい!!という論調の人がいますが、実際には病院で働く人々の多くは「医者」ではありません。
さいたま赤十字病院でも800人~900人程度の職員が日々献身的に働いておりますが、医師はそのうち約120人しかいません。人件費の多くは「医師」以外の人件費なのです。

医療費をあげることは、看護師や事務職員や検査技師など多くの職員の待遇を改善することにつながるわけですので、現在の医療システムを維持していくには必要なことであると考えております。

以前も記載させていただきましたが、おそらく医療を受ける側と立場=患者様の立場で考えると、10年以上前の医療状況がとても幸せな状況であったと思います。
10年以上前には、「病気がある程度よくなったからすぐに退院してください!!」とか医療従事者が言うことも、患者様が言われることもそうはなかったように思います。
しかし、現在はDPCや在院日数短縮を国の方針として指導しており、そうしないと病院が赤字になるシステムを強制させられているため、残念ながら「もっといさせてください」という患者様やご家族の希望には全く添えない状況となっております。

どちらがいいのか?それは患者様となる「国民」が決めるべきではないかと思います。
「医療」にもっとお金をかければおそらく「長期入院」も可能となると思います。
ただし、そのためにはどこかから「お金」を持ってこないといけませんのである程度「痛み」を伴うこと(たとえば消費税増税など)が必要なのは言うまでもありません。

日本が「高福祉高負担」でいくのか?「低福祉低負担」でいくのか?
どちらかしか選択肢はありません。お金は払いたくないけど医療や福祉は受けたいというのは、もうムリなのは皆様もご理解いただけるかと思います。

もうひとつ理解していただかなければならないのは、「今」と同じ医療費負担では「未来」には間違いなく医療のレベルが落ちるということです。「患者」となる可能性がある「高齢者」がどんどふえていく社会で、「今」と同じ医療費負担では、間違いなく医療のレベルは落ちるとブログ作者は考えております。
「今」と同じ医療レベルを維持するだけでも相当な医療費コストの負担増になることは覚悟しないといけません。

こういったことも含めて、皆様がどういったことを「医療・福祉」に求めていくのか?

よくあるのが、医師・看護師をはじめ、医療従事者に直接、今の医療制度についての「不満」をぶつけられる患者様ご家族がありますが、私ども医療従事者にいくら言われても医療制度やシステムは変わりません。もし変えられる可能性があるとするとやはり近々行われる「衆議院選挙」になるかと思います。

皆様ぜひ、候補者、政党の「医療・福祉」政策を比較して、もし「今」の医療以上のレベルの医療の継続を望むならば「医療費を大幅に増加する!」という政策を掲げている候補者・政党に投票するようにお願いいたします。

2009年6月15日月曜日

クレブシエラは恐ろしい

皆様、クレブシエラという菌種をご存知でしょうか?

”Klebsiella pneumoniae”とか”Klebsiella oxytoca"なんていう菌名をどこかでみたことがあるかも知れません。日本語では前者は「肺炎桿菌」という名前がつけられていますが、実際には肺炎だけでなく胆道感染症などでも比較的よく分離されてくる菌種です。

この「クレブシエラ」が今後の呼吸器感染症診療で重要な位置を占めるものとブログ作者は考えております。
昨日まで開催されていました、「日本呼吸器学会総会」の発表を拝見していて、市中肺炎の死亡例の検討でこの「クレブシエラ」が原因菌であった場合に死亡例が多いというものを見つけました。

なぜ「クレブシエラ」が市中肺炎の原因菌となると「死亡例」が増えるのか?

おそらく「抗菌剤耐性菌」の問題が背景にあるのではないかと思いいます。
日本でも”ESBL"(基質拡張型ベータラクタマーゼ)というβラクタマーゼを産生する菌種が徐々にですが増えてきていることが確認されております。
この「クレブシエラ」も「ESBL」を産生する菌種があり、このタイプの「クレブシエラ」は通常の市中肺炎のエンピリック治療では「カバーできない」可能性があります。
たとえばクリニカルパスで市中肺炎の経験的治療は
         ABPC/SBT+クラリスロマイシン
とされているとします。ESBLを産生しない通常のクレブシエラであればABPC/SBTで治療可能と思われますが、残念ながら”ESBL”はベータラクタマーゼ阻害剤の”SBT”では効果がありません。
そのため、初期治療に失敗してしまう可能性があります。確実に”ESBL”産生クレブシエラに有効な抗菌剤は「カルバペネム系」の抗菌剤になってしまいます。

こうなってくると恐ろしいのは、「市中肺炎でも”ESBL"産生菌問題だからやっぱ「カルバペネム」いっとく?」的な考え方に呼吸器内科医が傾倒してしまわないかということです。
確かにESBL産生菌にも「カルバペネム」有効ですが、そもそも市中肺炎の原因菌の一種ではあってもベスト3には入ってません。しかも、クレブシエラであってもすべてのクレブシエラがESBL産生菌ではないのですから。ここでもしかしたら有効な戦略かと思っているのが、「グラム染色」です。
「グラム染色」でクレブシエラっぽい「グラム陰性桿菌」を認めたら、”ESBL"産生「クレブシエラ」も念頭において抗菌剤を選択できるのではないでしょうか?

エンピリックにはABPC/SBTやCTRXで治療を開始しても、治療効果がイマイチであれば「もしかしたらESBL産生クレブシエラ??」と疑って細菌検査室に結果を早く教えてもらうことなどで対応できるかもしれません。一番問題なのは、「予想できない」ということではないでしょうか?

この「予想できる力」を鍛え上げるために、呼吸器内科のトレーニングが必要なのではないかと思っております。

世界ではもっと「恐ろしい」クレブシエラが登場しております。
”KPC”(Klebsiella penumoniae carbapenemase)というカルバペネム系抗菌剤まで分界する酵素を産生するクレブシエラも現実の世界に現れております。

これからしばらくの間、呼吸器感染症は「クレブシエラ」との闘いになるのではないかと思っております。
今から「予想」して対応できるのと、知らずにビックリするのとでは対応力に大きな違いが出てしまうのでさいたま赤十字病院呼吸器内科ではいろいろと策を練っております。

2009年6月13日土曜日

ANTIBIOGRAM

昨日2009年6月12日金曜日、さいたま感染症勉強会特別企画Ⅱが開催されました。
自治医科大学さいたま医療センター集中治療部の讃井先生のご尽力で大庭先生をお招きしての人工呼吸器関連肺炎、院内・施設内肺炎診療についての御講演でした。

非常に多数の参加者に御聴講いただきまして大変ありがとうございました。

今回私が再認識させていただいたのは、”ANTIBIOGRAM"のお話でした。

院内肺炎で抗菌剤をどのように選択するべきか?
その答えが”ANTIBIOGRAM”にあります。

”ANTIBIOGRAM"とは何か?

院内感染症で問題となる菌種に”SPACE"といわれる菌種があります。
S:Serratia marcescens:セラチア
P:Pseudomonas aeruginosa:緑膿菌
A:Acinetobacter baumanii:アシネトバクター
C:Citrobacter Spp.
E:Enterobacter cloacae
などのグラム陰性桿菌軍団です。こういった菌種が肺炎や敗血症を来たすと治療に難渋することが知られておりますが、”SPACE”のなかでも代表格が「緑膿菌」と「アシネトバクター」になるかと思います。
こういった菌種については、医療機関毎もしくは同一医療機関内であっても病棟毎に抗菌剤の感受性が異なってくることがわかっています。なので、「緑膿菌ならこの薬剤」と決めてかかっても、残念ながら施設によっては、有効性が低い可能性があるのです。
このため、自分のところの緑膿菌はどのような薬剤に感受性があるのかをあらかじめ把握しておいて、緑膿菌がターゲットとなるような、院内感染症や免疫不全状態の感染症のときに治療失敗の可能性が低いと考えられる抗菌剤を選択できるようにする方法です。
ただ、この”ANTIBIOGRAM"も定期的に更新する必要があります。たとえば、「今」はピペラシリンがとても感受性がよいからといって、ピペラシリンの処方頻度が増加すると、今度はピペラシリンの耐性菌が増加するなどということが生じてくるからです。
さいたま赤十字病院細菌検査室も定期的に当院の”ANTIBIOGRAM”を院内WEB上に参照できるようにしておいてくれています。しかし、実際に有効活用されているかどうかは?な状況です。
これからは、”ANTIBIOGRAM"の活用にも力を入れていこうと思います。

2009年6月11日木曜日

ティアニー先生の診断入門


皆様は”CLINICAL PEARL"という言葉をご存知でしょうか?
”CLINICAL PEARL"とは、必ずしもEVIDENCEに基づいたものではないけれども、先人の鋭い「観察力」と「知恵」、これに基づく長年の「経験」がもたらした、後世代への「たからもの」なのではないかとブログ製作者は考えます。
本書のPEARLの一例を挙げますと
「慢性閉塞性肺疾患の患者でばち指が認められたら、胸部CTスキャンを撮りなさい。肺癌の可能性がある」
というフレーズがありました。(本書p021)。
解説には、「慢性閉塞性肺疾患ではばち指は稀。そのため、ばち指があらたに出現すれば「肺癌」を考慮するように」ということのようです。
おそらく、この内用に臨床研究に基づいた明確な”EVIDENCE"はないのでしょう。しかし、先人の「観察」「知恵」「経験」がもたらした「教訓」的な言葉なのではないかと思っております。
筆者はまだまだ経験が浅いため、このような「ばち指」での「肺癌」の発見はしたことがありませんが、これをこれを読んでからは「ばち指」とはどのような所見か?「ばち指」っていったいどうやって診断するのか?などに興味を持ち、先にご紹介した「ウイリス先生」の本で「ばち指」について勉強したりと、知識の幅が確実にひろがりました。
本書の題名にもなっている「ティアニー先生」の御講義は、もう4年前?位になるかもしれませんが新宿の傍三角形ビルの一室で開催されていた勉強会で一度だけ効くことができました。
症例検討会形式での講義でしたが、知識の幅がとても広く、また初学者にも鑑別のポイントをわかりやすくご教授いただけたのを記憶しております。
今回ご紹介させていただいた「ティアニー先生の診断入門」はこの本だけで完結するような診断学の全てがつまったような本ではありません。
本書は、私のようなきちんとした「診断学」をまともに勉強使用としてこなかった者にとって、とても痛いところを突かれているように感じる本であると思います。もちろんこれから診断学を一から勉強使用とする人にとっては、私のように「道」をそれた医師人生を歩まないようにするためにも通読されることをお勧めいたします。
さいたま赤十字病院呼吸器内科スタッフはこれからも呼吸器「診断」の勉強をもっと進めて行き、より優れた医療の提供をできるようにしてまいりたいと思います。
「優れた医療」はなにも最先端の「医療機器」だけがもたらすものではありません。
「優れたスタッフ」の育成こそが「真」の良い医療を提供する基礎になるものと信じております。

2009年6月10日水曜日

医療技術の進歩と経済

日本の医療技術は、世界でも有数のものである(と筆者は思っております。)

医療技術は、日々進歩していき、多くの病気の治療方法が開発されてきました。

一昔前なら、どうしようもなかった病気に対して、あらたな治療薬・治療法が開発されることは、その疾患をもつ患者様や周囲の人々にとってはとても「良いこと」であるかもしれません。でも、社会全体の問題となると、必ずしも喜ばしいことばかりかというと難しい問題があります。
こういったことを述べると、「病気が良くなるのはいいことじゃないの?」といわれるかもしれません。
もちろん病気の新しい治療法方が開発、実用化されるのは良いことも多いのですが、問題はその「コスト」にあるかと思います。

例えば、「肺癌」に対して新たに開発された抗がん剤があると仮定します。
「この抗がん剤を使用すると、あと6ヶ月しか生きられないと予想される人が2ヶ月もより長生きできて平均8ヶ月生きられるようになります」。患者様は大喜びです。「6ヶ月」から「8ヶ月」に2ヶ月も命が延びる可能性があるわけですから。
しかし、その薬剤は2ヶ月延命するために100万円もの「コスト」がかかるものでしたら皆様どうお考えになるでしょうか?しかも、「自由な時間」での2ヶ月間ではなく、病院にひたすら通ったり、入院したり「副作用」に苦しんだりして「抗がん剤治療」を継続することで得られる「2ヶ月間」です。

このコスト「100万円」を例えば「肺炎球菌ワクチン接種」の費用に回すと、約100人の患者様が肺炎球菌の予防接種を受けられることになります。(さいたま赤十字病院では約8000円(+消費税)の自己負担で肺炎球菌ワクチン予防接種を施行させていただいております。)
また、季節性インフルエンザワクチンならさらに倍の約200人の患者様に予防接種が可能です。
同じ「100万円」という医療費をかけて、たった1人の患者様の命を「2ヶ月」延ばすのが必要か?
100人の患者様に「肺炎球菌ワクチン接種」を行ったり、200人の患者様に「インフルエンザワクチン接種」を行うほうが有用か?いろいろな意見があると思います。

人それぞれの周囲・環境で意見が違うとは当然思いますが、日本経済が非常に厳しくなっている状況であり、今後もおそらく医療費にかける「お金」がそれほど増えていかないのであれば、もうそろそろ全ての人が「先端技術による最新医療」を受けられるようにすることは困難となってきているように感じております。
「そんなんじゃコマル!!」、「常に最先端の医療を全ての人が平等に受けたい!!」ともし思われる方は是非近々行われるであろう「国政選挙」で自分の一票を「医療にコストをかける人・政党」に投票するようにお願いいたします。

ブログ筆者はこのままの医療費ではおそらく「今」の医療よりも「未来」に受けられる医療は確実に「劣悪」なものとなると思っております。
高齢化社会で「患者」となる可能性のある人は右肩上がりに増加するのに「医療費」が抑えられたら。。。どうやっても「高度な医療」が難しいです。「今」病院にかかっている人は幸せだと思います。
「未来」の人が病気になっても幸せな医療が受けられる社会をブログ筆者は希望いたしております。

「未来」の人々のためには「今」行動することが求められております。

こういったことは、「医療」も「地球環境問題」もおんなじですね。

2009年6月8日月曜日

Dr.ウイリスベットサイド診断


最近ブログ製作者が、読んだ医学書のなかで最もインパクトの強かった本のご紹介です。
私はこれまで自分の診療姿勢が「検査至上主義」的なものであったことをこの本で思い知らされました。初期研修の段階でこのような、丁寧な「問診」「病歴」「身体所見」などからのアプローチを勉強する機会が多くの医師に必要なのだと思いますが、実際の現場はどうでしょうか?
本ブログ作者は残念ながら、「検査至上主義」が染み付いてしまった状態です。
「地引網診療」(byDr.青木)とはよく言ったもので、ろくに患者様を診察もしないで、とりあえず多数の検査を行って、その結果から異常所見を拾い上げて診断するという姿勢は、common diseaseについてはある程度成り立つのですが、一旦「迷宮入り」してしまうともうどうにもなりません。
本ブログの読者の皆様で私のような診療姿勢の人がいましたら、是非この「Dr.ウイリスベットサイド診断」を手にとって読んでみてください。
白黒の文字ばっかりの本で、お世辞にも取り掛かりやすい本とはいえないような感じですが、翻訳された先生方の工夫があり、初学者でも非常にわかりやすい記載となっています。
例えば、各種キーワードの解説が各ページの下段に記載されています。(知らない言葉の多さに、私の不勉強さを痛感することになりましたが)
下記に本書の解説HPリンクを張っておきます。是非ご一読ください。

2009年6月7日日曜日

昨日元気で今日ショック症候群 byDr.青木

本日、都内某所で開催された、感染症の症例検討会に参加させていただきました。

講師の青木先生の臨床示唆に富むお話と、慈恵医大感染制御科の加藤先生のすばらしいプレゼンテーションで、こういうふうにケーススタディを進行していけば、理解が深まるのかと感心いたしました。
本日の経験をさいたま感染症勉強会のプレゼンテーションでも活かしていけるように努力してまいります。

今回勉強したことで最も印象深かったのが「昨日元気で今日ショック症候群」byDr.青木でした。
普段基礎疾患のない、健康な成人で、突然ショックのプレゼンテーションを呈してくる病態として下記をご教授いただきました。特徴的な皮疹を呈していればさらに診断価値が高いようです。

1:TSS:toxic shock syndrome, STSS:streptococcal toxic shock syndrome
   TSSはブドウ球菌によるもの。STSSは溶連菌などによるもの。
   治療はMSSAならCEZ±CLDM、MRSAならVCM±リネゾリド(CLDMやリネゾリドは蛋白合成阻害  
   剤として、毒素産生を抑制?)。STSSはPCG±CLDM?
   トキシックショック症候群については下記のHPに詳細や診断基準の掲載がございます。
   ご参照ください。
   http://www.jhpia.or.jp/standard/tss/tss1.html

2:髄膜炎菌敗血症:PCG、CTRXなどで加療。
   髄膜炎菌感染症の詳細につきましては下記のHP御参照ください
   http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g3/k01_43/k01_43.html

3:感染性心内膜炎(特に黄色ブドウ球菌は進行がとても早いとのこと)

4:リケッチア感染症:ツツガムシや日本紅斑熱とか?MINOで加療
   リケッチア感染症(主にツツガムシ病)については下記ご参照ください
  http://www.eiken.pref.kanagawa.jp/004_chousa/04_reserch/files/33_00.pdf

5:肝硬変症患者でのVibrio vulnificus敗血症:肝硬変患者が「海水」接触や「生の海産物」摂取で生じる重篤な感染症。九州地方での報告が多いですが、数年前にさいたま赤十字病院でも一例経験しております。
   ビブリオブルニフィカス感染症については下記HPご参照ください。
   特に今回の症例呈示でも非常に診断価値の高い「皮疹」の写真が本HPに掲載されております。
   一度見ておくと一生忘れない?
   http://idsc.nih.go.jp/disease/vulnificus/

6:脾機能低下、無脾症(先天的or後天的:脾摘後)
   髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌など
   ペット(犬など)の口腔内にいる菌:Capnocytophaga?も注意
   脾摘後の重症感染症については下記HPご参照ください。臨床病理学的解説も勉強になります。
   http://blog.livedoor.jp/garjyusaiga/archives/51738248.html

7:劇症型Clostridium perfringens(ガス壊疽菌)感染症
 Clostridium perfringensは溶血毒素を産生する嫌気性菌です。血液培養ボトルを観察すると、溶血のため黒色に変化していることからきづかれることもあります。血管内溶血により急速にHb低下が進行することもあるようです。
  http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g1/k01_07/k01_7.html
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansenshogakuzasshi1970/76/7/76_7_562/_pdf


さいたま赤十字病院呼吸器内科でも、6の脾機能低下、無脾症の患者様での「超重症」肺炎球菌肺炎・敗血症患者様についてはしばしば経験いたしておりますが、本当にビックリするぐらい病状の進行が早いのを実感いたしております。こういった患者様の多くは初診時のバイタルサインが重症なのに「CRP」がそれ程高くない、場合によってはCRP<0.5と正常範囲だったりするので要注意です。CRPに依存した診療をしていると大変なことになるなあと実感する病態だったりします。

2009年6月6日土曜日

”NARROW IS ART” ”NARROW IS BEAUTIFUL”

本日、IDATENの勉強会に参加してきました。
本日は特別公演で日本の感染症教育・診療の第一人者「青木真先生」の御講演を聞くことができました。
その中で、”NARROW IS BEAUTIFUL”というお言葉を何回も聴きました。

”NARROW IS BEAUTIFUL”とは、どういう意味か?

感染症診療は抗菌剤の開発・進歩の恩恵を受けて飛躍的に発展を遂げてきました。
その成果として、「カルバペネム」や「フルオロキノロン」などのいわゆる”BROAD SPECTRUM"(いろいろな菌種に有効である感じ)の抗菌剤が多数開発されました。「どのような菌でもなんでも効く」というのは、一見よさそうに見えますが、「何でも効くだろう」と考え、あまりアタマを使わないでも感染症診療が一定レベルで「できる」ようになってしまいました。
しかし、このような”BROAD SPECTRUM”の抗菌剤の登場→乱用は多くの恐ろしい抗菌剤「耐性菌」 の出現を招いてしまいました。
このままでは人類は「抗菌剤耐性菌」によって再び「抗菌剤の無い時代」に逆戻りしてしまうかも知れないという危機感が感染症専門家の中には広がっています。

「抗菌剤耐性菌」の問題は実は「地球環境問題」と似たような側面があるのではないかと思っております。それは、当初地球環境問題を専門家が指摘したときには残念ながら多くの人々が「私には関係ない」と思っていたように感じております。しかし、地球温暖化など現実の問題が生じてからこれは「ヤバイ」といまさらながら「地球環境問題」に取り組もうと必死になっています。(まだ日本人には危機感が足りないという指摘もありますが)。
「抗菌剤耐性菌」の問題も以前から「感染症専門家」が”BROAD SPECTRUM”な抗菌剤を乱用していると大変なことになると指摘し、「抗菌剤の適正使用」を呼びかけていましたが、あまり自分の問題として捉えている「医療従事者」とくに抗菌剤を実際に使用する「医師」にはこの言葉を自分の問題として捉えている人は少なかったように見受けます。ブログ作者自身も残念ながら医師になりたてのころはこういったことは自分の問題とは考えていなかったです。
しかし、もう「あとがない」状況です。
そこで”NARROW IS BEAUTIFUL”というわけです。必要最小限の「狭域」スペクトラムな抗菌剤を選択することによって抗菌剤耐性菌の誘導・出現を最小限に食い止めよう!!というわけです。
ブログ筆者はそれに”NARROW IS ART”も付け加えたいと思います。
「狭域」スペクトラムの抗菌剤を使用するには、感染症診療の「知識」と「経験」とそれを使いこなす”ART”が必要と考えます。
これからの感染症診療の標語は

”NARROW IS ART” ”NARROW IS BEAUTIFUL”

というのを提案をしていこうと思います。
さいたま赤十字病院では呼吸器内科からこのメッセージを発して行き、
病院全体→地域全体→日本全体へとこういった「感染症診療の正しい思想」が広まることを期待しております。


上記内用につき、ご意見・ご質問はブログ製作者へメールを!!

さいたま感染症勉強会 特別企画Ⅱ

さいたま感染症勉強会 特別企画Ⅱを開催いたします。

今回は人工呼吸器関連肺炎、院内肺炎の講義です。
皆様是非御参加いただけますと幸です。下記に案内を掲載いたします。

前回の特別企画の林先生の講義もとても勉強になりました。今回もブログ製作者はとても楽しみにいたしております。

新緑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

この度、さいたま感染症勉強会の特別企画として、ミズーリ大学 呼吸器集中治療内科 准教授でいらっしゃる大庭祐二先生をお迎えし、下記の通り教育講演を企画致しました。大庭先生は1994年に渡米され、米国の呼吸器内科・集中治療の臨床の第一線でご活躍されてきた先生で、特にARDSやCOPDの診療に関する著作、ご経験も豊富です。
今回、一時帰国のお忙しいお時間を拝借してさいたま市周辺の皆様のためにVAP(人工呼吸関連肺炎)/HAP(院内肺炎)に関する講義をしていただけることになりました。VAP/HAPは呼吸器・集中治療の観点からも、感染症の観点からも重要なテーマです。皆様のご参加をお待ちしております。

さいたま感染症勉強会世話人を代表して 讃井將満

日時:平成21年6月12日(金)19:00~20:30

場所:大日本住友製薬(株)埼玉支店 7階会議室さいたま市大宮区宮町2-35 大宮MTビル7階 
大日本住友製薬 埼玉支店JR大宮駅東口徒歩6分(東口を出て線路に直行して進み、高島屋のスクランブル交差点を左に曲がりしばらく歩いた道路右側です)

http://www.mapion.co.jp/m/35.90582777_139.62991943_10/TEL: 048-649-7011

【製品紹介】19:00~19:15
【教育講演】19:15~20:30VAP/HAPの診断と治療
ミズーリ大学 呼吸器集中治療内科大庭 祐二 先生

共催:さいたま感染症勉強会 大日本住友製薬株式会社

会場設営の都合上、参加人数を確認させて頂きたく存じますので下記までご連絡よろしくお願い申し上げます。また会終了後、大庭先生を囲んで有志で食事会を企画しておりますので参加希望の方も併せてご連絡お願い申し上げます。
連絡先:takeshi-honda@ds-pharma.co.jp 大日本住友製薬(株) 本田 丈士

2009年6月5日金曜日

呼吸器内科レジデント(後期研修医)募集

さいたま赤十字病院呼吸器内科では来年度平成22年度からの
呼吸器内科レジデント(後期研修医)の先生を募集します。

さいたま赤十字病院呼吸器内科は7人のスタッフで呼吸器疾患の診療に従事しております。
おそらく埼玉県内の一般市中病院では呼吸器内科医の数は多いほうではないかと思います。

スタッフ構成は:部長1名、副部長2名、その他4人です。その他スタッフのうち
1年目のレジデント1人、2年目レジデント1人という感じです。

日本呼吸器学会:呼吸器専門医5人(内指導医数3人)

日本呼吸器内視鏡学会:気管支鏡専門医4人(内指導医数3人)

日本感染症学会:感染症専門医2人(内指導医数1人)

日本化学療法学会:抗菌化学療法専門医1人(内指導医数1人)

日本内科学会:認定内科医5人(内総合内科専門医数2人)

呼吸器外科医2人 (呼吸器外科の先生を数えると呼吸器疾患を専門とする医師合計で9人です)

という感じのメンバー構成です。
もちろん上記資格はすべてさいたま赤十字病院呼吸器内科で取得可能です。
また、院内他科での研修も随時可能ですので、呼吸器内科に所属しながら3ヶ月間
呼吸器外科、神経内科や救急医学科、循環器科、腎臓内科などでオプション研修することも可能です。
さいたま赤十字病院は研修病院としての知名度や認知度はおそらくまだまだ低いのが実情ですし、
いわゆる臨床研修有名病院ではありません。まだまだこれからいろいろと改善していく点が多いかとは思いますが、その分自由度は高い研修が可能なのではないかと考えております。

呼吸器内科を目指す先生方はぜひ一度見学にいらっしゃってください。
スタッフ一同お待ち申し上げております。

見学希望などいろいろとお問い合わせは下記メールまで
E-mail:srcrespiro@gmail.com

2009年6月1日月曜日

救急医学科HPと相互リンクしました

本日よりさいたま赤十字病院救急医学科HPとの相互リンクをいたしました!!

http://www.srcqq.com/index.html

上記アドレスをクリックしていただくと
さいたま赤十字病院救急医学科HPにつながります。

さいたま赤十字病院での研修をご検討の方々は是非救急医学科HPご参照ください。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログと相互リンクご希望の方はメールをください。

一応リンクフリーですが、一言メールいただけますと幸いです。