2009年6月23日火曜日

タバコを吸い続けていると...COPDについて

日本は世界の先進諸国と比較して,タバコに対して寛容な国なのだといわれています.

つい最近まで,TVで多数のタバコのCMが流されていました.

呼吸器・肺の病気は皆様もご承知のとうり,「タバコ」の有毒ガスによって生じる疾患が非常に多いのが特徴です.
また「タバコ」が辞められないというのはそれだけで,「ニコチン依存症」という精神疾患の可能性があったりします.お酒がやめられないとか,麻薬中毒者とかと一緒ですね.

タバコを吸い続けている人に非常に多い病気が「慢性閉塞性肺疾患」=”COPD”です.
これは,昔,「肺気腫」とか「慢性気管支炎」とか言われていたものを,タバコなどの有毒ガスの慢性的な吸入によって発症する病気の一群として整理しなおした結果,シンプルに”COPD”と呼びましょうということになりました.(WHOがいろいろと考えてくれています)

この”COPD”を早期に発見して,タバコをやめていただくこと.また,必要があれば吸入薬の使用を開始することは,非常に有意義なことであるということが,海外での大規模研究でわかっています.
吸入薬には「スピリーバ」や「アドエア」などの薬剤があり,さいたま赤十字病院呼吸器内科でも,患者様の病状に応じて処方させて頂いております.

では”COPD”を早期に発見するためにはどうすればよいか?

先ずは「タバコ」を吸っている,もしくは以前吸っていた人に,「肺(呼吸)機能検査」や胸部レントゲン,CT検査,を受けていただいて,”COPD”に合致する検査結果があるかどうか調べます.
タバコを吸っていて,なってしまう病気には”COPD”以外にも「間質性肺炎」や「肺癌」など他の病気もあるため,必ず検査を行って確認することが必要です.

”COPD”と分かったら,「タバコをやめること」これが一番大事になります.

「タバコは辞めたいけど,自分の力だけではちょっとムリかも」と思ったら,是非「禁煙外来」をご利用ください.
「禁煙外来」についてのお問い合わせは,毎週木曜日の午後2時~4時の間に下記電話にかけていただき,「禁煙外来の相談希望」とお伝えください.
専属の看護師が相談させて頂き,適応と判断されましたら「禁煙外来」の予約を取らせて頂きます.
    電話番号:048-852-1111(代表電話)

さいたま赤十字病院呼吸器内科は「タバコ」による呼吸器・肺疾患の啓蒙活動を今後も行ってまいります.
 

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