以前もブログでご案内させていただきましたが、問合がございましたので「百日咳疫学調査」について再度ご案内させていただきます。
2009年3月より、さいたま赤十字病院呼吸器内科では、順天堂大学医学部感染制御科学・細菌学教室の先生方が日本国内で行っている「成人百日咳の疫学調査」に参加いたしております。具体的にどういった患者様に「百日咳疫学調査」をお願いいたしているか?
①「成人」が対象ですので、18歳未満の子供の方は対象外です。今回は「成人」が対象となります。
②百日咳を疑うような「咳」症状がある患者様
③「抗菌剤」を内服・点滴などを受けていない患者様
「抗菌剤」とは「ペニシリン」や「セフェム」「マクロライド」などのいわゆる「抗生物質」と「フルオロキノロン」や「S/T合剤」などの「合成抗菌剤」をあわせた言葉です。なので、さいたま赤十字病院呼吸器内科を受診される前に他院で「抗菌剤」「抗生物質」を処方されたり、点滴されたりしている患者様は今回の「百日咳疫学調査」の対象には原則なりません。ご了承ください。
よく近医で処方される「抗菌剤」の例
・クラリス、クラリシッド、クラリスロマイシン、ジスロマック、エリスロシン、ルリッド
・クラビット、オゼックス、アベロックス、ジェニナック
・サワシリン、オーグメンチン、ユナシン、ビクシリン
・フロモックス、メイアクト、ケフラール、サマセフ
その他いろいろな抗菌剤がありますが、抗菌剤を今回の「咳」のエピソードで処方・内服されている方は原則として「百日咳疫学調査」の対象外です。
④百日咳の検査は鼻腔(鼻の穴)から綿棒のような検体採取キットを鼻の一番奥まで挿入して行います。鼻やのどにもともとご病気のある患者様は検査が困難となるかもしれません。
⑤費用については、「百日咳疫学調査」の検査にかかわる料金は無料ですが、通常の外来診察料や初診料、紹介状がない方にかかる特別料金、採血検査などの料金は「保険適応」の診療費がかかります。
⑥検査検体は順天堂大学に郵送して、結果をさいたま赤十字病院呼吸器内科にお知らせいただきます。結果を患者様にお伝えするまでに約2週間程度かかります。同時に行わせていただきました、百日咳関連や咳症状の原因精査のための検査結果も同時にお伝えしております。
⑦検査結果が判明するまでは、症状・所見から必要があれば「百日咳」にも有効な抗菌剤を処方させていただきますが、各患者様の症状所見から処方する薬剤は異なります。また「咳」症状が出現してから時間がかなりたっている場合には、抗菌剤の必要性がわかりませんので、検査結果判明後に抗菌剤を処方させていただくかどうか判断させていただく場合がございます。
⑧そのたご不明な点はさいたま赤十字病院呼吸器内科スタッフまでご連絡ください。
すべての「咳」症状の原因が「百日咳」ではございません。あくまでも「咳」の原因のひとつにすぎません。長引く咳症状で心配な病気は「肺癌」「肺結核」「気管支喘息」「慢性閉塞性肺疾患COPD」「間質性肺炎」「心不全」「喉頭癌」「副鼻腔炎(蓄膿症)」「逆流性食道炎」など多彩なものがあります。
かかりつけの医療機関にまずはご相談いただき、「咳」症状が改善されない場合などはさいたま赤十字病院呼吸器内科に「紹介状」を作成してもらって、ご予約いただけましたら幸です。
さいたま赤十字病院呼吸器内科のかかり方につきましては下記をご参照ください。
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