2009年6月16日火曜日

次期衆議院選挙はよりよい医療にするためのチャンスです

NIKKEI NETのニュースに気になるニュースが配信されておりました。

「次期衆院選で重視する政策、1位は「年金・医療」 世論調査」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090615AT3S1501815062009.html

上記URLクリックでニュース元記事につながります。

現在の医療は、医師だけではなく、看護師、検査技師、医療事務など多数の病院や医療機関で働く医療従事者の献身的な努力で成り立っております。
しかし、その献身的な努力ももはや限界に来ており、医師や看護師などの過労死の問題などもTVや新聞などでご覧になった方も多いかと思います。

医療費抑制を唱えている人々は、経済状況が悪いのに医療費アップして「医者」だけ儲けるのはおかしい!!という論調の人がいますが、実際には病院で働く人々の多くは「医者」ではありません。
さいたま赤十字病院でも800人~900人程度の職員が日々献身的に働いておりますが、医師はそのうち約120人しかいません。人件費の多くは「医師」以外の人件費なのです。

医療費をあげることは、看護師や事務職員や検査技師など多くの職員の待遇を改善することにつながるわけですので、現在の医療システムを維持していくには必要なことであると考えております。

以前も記載させていただきましたが、おそらく医療を受ける側と立場=患者様の立場で考えると、10年以上前の医療状況がとても幸せな状況であったと思います。
10年以上前には、「病気がある程度よくなったからすぐに退院してください!!」とか医療従事者が言うことも、患者様が言われることもそうはなかったように思います。
しかし、現在はDPCや在院日数短縮を国の方針として指導しており、そうしないと病院が赤字になるシステムを強制させられているため、残念ながら「もっといさせてください」という患者様やご家族の希望には全く添えない状況となっております。

どちらがいいのか?それは患者様となる「国民」が決めるべきではないかと思います。
「医療」にもっとお金をかければおそらく「長期入院」も可能となると思います。
ただし、そのためにはどこかから「お金」を持ってこないといけませんのである程度「痛み」を伴うこと(たとえば消費税増税など)が必要なのは言うまでもありません。

日本が「高福祉高負担」でいくのか?「低福祉低負担」でいくのか?
どちらかしか選択肢はありません。お金は払いたくないけど医療や福祉は受けたいというのは、もうムリなのは皆様もご理解いただけるかと思います。

もうひとつ理解していただかなければならないのは、「今」と同じ医療費負担では「未来」には間違いなく医療のレベルが落ちるということです。「患者」となる可能性がある「高齢者」がどんどふえていく社会で、「今」と同じ医療費負担では、間違いなく医療のレベルは落ちるとブログ作者は考えております。
「今」と同じ医療レベルを維持するだけでも相当な医療費コストの負担増になることは覚悟しないといけません。

こういったことも含めて、皆様がどういったことを「医療・福祉」に求めていくのか?

よくあるのが、医師・看護師をはじめ、医療従事者に直接、今の医療制度についての「不満」をぶつけられる患者様ご家族がありますが、私ども医療従事者にいくら言われても医療制度やシステムは変わりません。もし変えられる可能性があるとするとやはり近々行われる「衆議院選挙」になるかと思います。

皆様ぜひ、候補者、政党の「医療・福祉」政策を比較して、もし「今」の医療以上のレベルの医療の継続を望むならば「医療費を大幅に増加する!」という政策を掲げている候補者・政党に投票するようにお願いいたします。

0 件のコメント: