感染症診療の全てがつまった日本語の教科書で、これ一冊でほとんどの感染症臨床状況で「困らない」内容です。
1400ページ以上もある、途方も無い情報量のため、初学者が通読するにはなかなか困難かもしれません。でも、感染症でなにか「困ったこと」や「知らない言葉」があったときには、真っ先に本書を開いて読むことで解決できることはとても多いかと思います。
第1版の登場時はまだ日本感染症診療の「夜明け前」であったため、筆者の青木先生が日本中で啓蒙されている「感染症診療の原則」を紹介するという役割が非常に大きいと感じました。
第2版登場時した現在は、臨床感染症に興味を持つ人々の大幅な増加、また日本での正しい感染症の普及過渡期のため、多くの地域で「感染症診療の原則」の考え方を身につけた医師が後輩医師や周囲の医師への正しい感染症診療の考え方の普及活動をしている時期ではないかと思います。
しかし、なかなか自分の周囲に感染症専門家の医師がいるかというとまだまだの状況かと思います。
(日本感染症学会の会員数は12000人を超えていますが、日本の感染症専門医の数は800人強であったかと思います。)
本書がそばにあるだけで、心強く感染症診療に従事できるのではないかと思います。
10500円以上の価値がある本だと思います。感染症診療の扉を開きたい人々は是非本書を手に入れることを強くお勧めいたします。
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