2009年6月30日火曜日

カテーテル関連血流感染症(CRBSI)対策の極意

昨日6月29日は東京医大で開催された青木先生の「感染性心内膜炎・カテーテル関連血流感染症」の勉強会に行ってきました。

感染性心内膜炎は普段呼吸器内科医やっているとそれほどなじみがない疾患でしたが、勉強になりました。

カテーテル関連血流感染症(CRBSI:Catheter Related Blood Stream Infection)の方は、膨大な情報量の米国感染症学会(IDSA:Infectious Diseses Society of America)のガイドラインの内容を中心に講義されていました。

カテーテル挿入期間で「短期間留置カテーテル=14日未満留置」と「長期留置カテーテル=14日以上留置」に分けて考えるようです。また、カテーテルタイプなどでもいろいろと違いがあるようでした(情報量がとても膨大でブログ作者もかなり消化不良な感じです。)

呼吸器内科医の視点からとても大事だと思ったのは、以下の点でした。
「大腿静脈から留置されたカテーテルによるCRBSIでは経験的治療で
   ・グラム陽性球菌
   ・グラム陰性桿菌
   ・Candida
の3菌種をカバーする抗菌材を投与する」
というものです。呼吸器内科医は、他科の医師よりも比較的大腿静脈をCVカテーテル挿入部として選択する患者様が多いのではないかと思います。NPPV人工呼吸管理中の患者様や気胸で気胸や胸水貯留などで胸腔ドレーン留置中の患者様などですと、イメージとしてあまり、鎖骨下や内頸静脈は選択したくないという気持ちがあるかと思います。(筆者の個人的な意見かもですが)。

カテーテル関連血流感染症の究極的な対策はなにか?青木先生は「カテーテルを入れないこと!!」とおっしゃっていました。そのとうりかと思います。
「カテーテルが入っていなければカテーテル関連血流感染症は生じない!!」
というのはカテーテル関連血流感染症対策の極意ではないかと思います。

ただ上記はあくまでも理想上のことで、実際の臨床実践ではなかなかそうはうまくいきませんので、CVなどのカテーテルを挿入したら、すぐに「いつこのカテーテル抜けるか?」を日々考えるというのが大事とのことでした。

イヤなカテーテル関連血流感染症を少しでも減少させる努力をさいたま赤十字病院全体でしていくことが求められています。

IDSAのガイドラインをぜひご参照ください(もちろん英語ですが...)

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