2010年9月30日木曜日

ありがとうございました

2006年10月にさいたま赤十字病院呼吸器内科の公式ブログとしてはじめさせていただきました、

「さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ」

ですが、初代作者権管理人は本日を持って引退させていただきます。

約4年間の長い間、ブログ読者の皆様には大変お世話になりました。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの目標は?

①さいたま赤十字病院の知名度・認知度を上げること

②一般の方々に呼吸器疾患・感染症疾患の情報を提供すること

③医療系学生、研修医、初学者の皆様に、いろいろな勉強会などの情報を提供すること

④さいたま赤十字病院を初期研修先として候補に入れて頂けるようになること

⑤さいたま赤十字病院呼吸器内科の知名度・認知度を上げて、呼吸器内科医をめざす皆様に多数見学にきていただくこと

などを目標としておりました。

どれだけ目標を達成できたのかは、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様のご評価次第かと思います。

ブログ作者・管理人としてはさいたま赤十字病院に多数の見学者がいらしてくださったり、初期研修医のマッチングでの応募者増加などそれなりの効果はあったのではないかと思っております。

また、呼吸器内科に来院して頂ける患者さんの中に、「ブログ見て来ました!」と言ってくださる方々がいらしたりと、こちらもそれなりの知名度・認知度上昇に貢献できたのかな?と思っております。

今後、私の後を引き継いでブログ継続してくれるスタッフが見つかりましたらその方に本ブログを託そうかと思っております(それまでの間はたまに現れる予定です)

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをご愛読いただきまして大変ありがとうございました。

これからも「さいたま赤十字病院呼吸器内科」を暖かい目で見守って頂けましたら幸いです。

2010年9月15日水曜日

希望するすべての子供に予防接種を!キャンペーン

日本医師会が、素晴らしキャンペーンをやっているみたいです。

「希望するすべての子供に予防接種を!キャンペーン」

日本感染症学会公式WEB SITEに署名協力のお願いが掲載されております。

http://www.kansensho.or.jp/news/gakkai/100913yobou.html
(上記URLで日本感染症学会WEB SITEにつながります)



ご賛同いただける皆様は是非、署名にご協力ください!

多剤耐性菌を正しく理解するためのQ&A~日本感染症学会

日本感染症学会の中の先生方がいろいろと頑張っておられます。

「一般の方へ情報提供:多剤耐性菌を正しく理解するためのQ&A」
http://www.kansensho.or.jp/topics/100913publicqa.html
(上記URLで日本感染症学会WEB SITEに接続いたします)

が日本感染症学会公式WEB SITEに掲載されておりました。


著者の署名入りで、一般市民の皆様むけに説明が詳細にされているかと思います。

以下WEB SITEからの引用です。

「はじめに」
最近、報道が続いている多剤耐性菌の感染事例を受けて、日本感染症学会では一般の方向けに情報提供をさせていただきます。多くの耐性菌の名前が出て、死亡例も報告されていることから、多くの方々は混乱や不安をお感じのことと思います。ただし大切なことは、正しい知識を持って対応することであり、不必要に恐れたり、過剰な反応を示さないことです。耐性菌に関する状況はこれからも変化する可能性はありますが、現在の状況と今後の対応を踏まえて、Q&A形式で解説を加えさせて頂きます。なお、個々の多剤耐性菌の解説は本学会ホームページの該当する項目をご参照ください。」


大事なので、以下も引用させていただきます。

Q:多剤耐性菌による院内感染は病院の責任なのでしょうか?
A:多くのマスコミは多剤耐性菌による院内感染が起った場合、病院側の医療ミスという前提で報道されるパターンが多いと思われます。ただし“院内感染”という言葉のとらえ方自体が医療関係者と一般の方々とではもともと異なっているので、まずはその違いを明確にしなければいけません。“院内感染”の一般的な定義は、入院後48時間以降に起こった感染、というものであり、何らかの病気を持った方が入院後に起こした感染というとらえ方を医療関係者はしています。院内感染の原因となった菌は、入院後に病院内で感染した場合もありますが、患者さん自身が菌を保菌した状態で入院してこられる場合もあります。つまり入院後に多剤耐性菌による感染症が起こったとしても、全てが病院内で新たに感染したとは限らないのです。また医療行為を行う上で、感染症のリスクが高まることは避けられないことですので、入院後に起こるいわゆる“院内感染”はどんなにがんばってもゼロにすることはできません。
 ただしごくまれにしか分離されない多剤耐性菌による感染者がひとつの病院内で多数発生した場合、感染者が全員保菌状態で入院してくる確率は頻度的にかなり低くなりますので、このような事例では病院内で多剤耐性菌が広がってしまった可能性が高くなります。院内での多剤耐性菌の流行(アウトブレイク)が起こらないように医療機関では常に感染防止策の徹底を心がける必要があります。しかしたとえ十分と思われるレベルの感染防止策を実施していたとしても、目に見えず、何ら症状を示さない多剤耐性菌による院内での流行は完全に防げるわけではありません。もし不幸にして院内での流行が発生してしまった場合には、病院としてどのように耐性菌による感染防止策に取り組んでいたのかを検証し、問題点が指摘されればすぐに改善する必要があります。


以上引用させていただきました。
「”院内感染”はどんなに頑張っても「ゼロ」にすることはできません」


と上記引用文にも記載されております。
ただし、院内感染症のリスクをある程度低減することは可能と考え、少し前にCDC 12STEPSをご紹介させていただきました。
耐性菌問題は「患者」⇔「医療従事者」双方の努力なしでは解決できないかと思います。
なんらかの理由で、病院・医療機関に長く「入院」「通院」することそのものが耐性菌暴露のリスクとなるものとブログ作者は考えております。
患者さんにお願いしたいことは、「もう少し入院させておいてください~」などということを言わずに、退院可能な病状なら即退院!という原則をお守りいただくこと(入院期間がながければ長いほど耐性菌暴露・院内感染のリスクはそれだけ高くなります)。「抗生物質もください!」などということを言わないこと」逆に「ホントウに抗生物質必要なんですか?」と医師に質問してみるくらいが良いかと思います。ホントウに必要なら医師がしっかり説明してくれるはずです。
→ホントウに必要なら必ず処方されたとうりに飲み切ること(いい加減な抗菌薬の使い方は、耐性菌を生み出すリスクにつながる可能性があります)
医療従事者の側も、「標準予防策」「接触感染予防策」「感染症診療の基本原則を守った診療」などの基本事項を徹底すること。
双方の不断の努力が、耐性菌問題・院内感染問題を解決に導くのではないかと考えております。


何か起こったときに考えれば良い~という発想では何時まで経っても改善できないのが耐性菌・院内感染問題なのかと思います。何か起こってからでは遅すぎるのです・・・

2010年9月13日月曜日

第2回感染症セミナー

第59回日本感染症学会東日本地方会学術集会で勉強になりそうな会の申し込み受付中のようです。

第2回感染症セミナー

(上記URLで第2回感染症セミナー申込WEB SITEにつながります)

「症例から学ぶ感染症セミナー」対象者は、感染症の勉強したい医療従事者という感じでしょうか?

近年、日本感染症学会は日本の感染症業界のリーダーとしての自覚が出てこられたのか、いろいろと素晴らしお仕事をされております。

そのひとつが、「感染症教育」の充実への努力でしょうか?

まだまだ、日本で臨床感染症を勉強することのハードルは高いのかもしれませんが、少しずつ改善してきていることを実感いたしております。


2010年9月11日土曜日

12 Steps to Prevent Antimicrobial Resistance:CDC

多剤耐性アシネトバクターを皮切りに、多剤耐性菌の話題が最近立て続けに報道を賑わわせております。

抗菌薬耐性菌や院内感染症の報道を毎日されてはいますが、ではどのようにしたら院内感染症や多剤耐性菌の出現を改善することができるのか?の方法論まで言及したものはまだまだ少ないのではないかと思われます。

以前から、世界中の感染症業界の皆様は、

「このままでは使える抗菌剤はなくなってしまうよ~」とか
「院内感染対策しないと犠牲者が増えるよ~」
と度々警告を発しておりました。

その代表的なものが、CDCが提唱しております12 STEPSです。

上記サイトは”12 Steps to Prevent Antimicrobial Resistance Among
Hospitalized Adult 
という「成人の入院患者での抗菌薬耐性菌防止のための12ステップ」というものです。

それ以外にもいろいろな耐性菌防止キャンペーンをおこなっております
Campaign to
Prevent Antimicrobial Resistance in Healthcare Settings

で今回ご紹介する
12 Steps to Prevent Antimicrobial Resistance Among
Hospitalized Adult

まずは予防”PREVENT INFECTION"です
Step1:Vaccinate ワクチン
   インフルエンザウイルスのワクチンや肺炎球菌ワクチンなど、ワクチンで予防可能なものはしっかりと予防しましょうねというお話

Step2:Get the catheter out いらないカテは抜去しようね!
    カテーテル(尿路、血管内など)や、治療で使う各種挿入物(異物)は留置しておくと院内感染症発症のリスクとなるから、イラナイカテ(異物)はさっさと抜去!

Diagnose & Treat Infection Efectively しっかりとした感染症の「診断」と「治療」をしましょう
Step3:Target the pathogen 病原体をしっかと特定!
    適切な抗菌化学療法で命が救える:抗菌薬の投与設計、標的病原体をしっかと!

Step4:Access the experts 専門家に相談しましょう
    ここはなかなか日本では難しいかもしれませんが、院内・院外の感染症専門家に相談できるシステムが必要かと思います

Use Antimicrobials Wisely 抗菌薬を賢く使う!
Step5:Practice antimicrobial control 抗菌剤の使用をコントロールする
    抗菌薬の適正使用に導くためのシステムを導入:抗菌薬届出制・許可制もひとつ?

Step6:Use Local Data ローカルデータ(ANTIBIOGRAM?)を使いましょう
    院内感染症で問題となる「緑膿菌」や「アシネトバクター」などは、各医療機関毎に抗菌薬の感受性パターンが異なります。そのため、各医療機関毎に”ANTIBIOGRAM"を作成してそれを参考に抗菌剤の選択を行うことかと思います。

Step7:Treat Infection,not contamination
Step8:Treat Infection,not colonization
   これは簡単でしょう!「感染症」を治療するのであって、「コンタミ」(雑菌の混入)や「保菌」状態でただそこに居るだけの菌(悪さはしていない菌)を治療するために抗菌剤を使わない!!
でも結構難しいのです・・・喀痰から”MRSA”検出!→即バンコマイシン・・・やめましょう:本当に感染症をきたしているのか?ただそこに「居る」だけの菌なのか・・・
「緑膿菌」や「アシネトバクター」なんて、ただそこにいるだけの菌に必死に抗菌薬使っていたらそれこそ「多剤耐性〇〇」になってしまいますよ・・・

Step9:Know when to say "no"to vanco バンコマイシンが本当に必要ですか?
   バンコマイシンが本当に必要な感染症なのか?バンコマイシンの乱用は耐性菌の選択・拡大につながる危険性があります

Step10:Stop Treatment when infection is cured or unlikely
      感染症が治ったり、実は感染症ではなさそうだとわかったらすぐに抗菌薬を中止しましょう

Prevent Transmission 耐性菌伝播の防止
Step11:isolate the pathogen 病原体を隔離する
  標準予防策、接触感染予防策、空気感染予防策など、感染経路別に必要な対策をとりましょう!現在話題の「多剤耐性アシネトバクター」は?→接触感染予防策

Step12:Break the chain of contagion 感染の連鎖を断ち切る!
   「感染の連鎖を断ち切る」 なんかかっこいい表現ですね
   院内感染がアウトブレイクする前に、感染の発症を早期に気づいて、「感染の連鎖を断ち切る」努力が求められております。
院内感染で、耐性菌が患者さんから医療従事者の手指・医療機器などを介して他の患者さんへ伝播することが分かっております。手洗いなどの基本的な感染対策の徹底が院内感染対策の基本なのではないかと思います。コメント欄にもご意見いただいてますので是非読んでみてください。

以上、簡単にCDC 12 STEPSという院内感染症対策について書かせていただきました。
院内感染症は「ゼロ」になることは無いにしても、CDC 12 STEPSのようなものを参考に各医療機関で可能な院内感染症対策を行うことによって『減らす』ことは可能なのではないかと思います。

院内感染アウトブレイクがこれまでもしばしば報道されてきましたが、これまで制圧できていないいアウトブレイクは無いのではないかと思います。
大変だとは思いますが、医療従事者・患者さんなど病院に関わる全ての方々の不断の努力があればそれなりの効果のある感染症対策ができるのかな?と思います。

2010年9月9日木曜日

NDM-1産生菌~日本感染症学会の分かりやすい説明

日本感染症学会から、先日話題になった「NDM-1」「NDM-1産生菌」

についての医療従事者向けの分かりやすい解説がWEB SITEに掲載されております。

http://www.kansensho.or.jp/topics/100908ndm-2.html
(上記URLで日本感染症学会WEB SITEに接続)

臨床現場では、しばしば「いつもと同じような患者さんだろう・・・」

「いつもどうりの診療でなんとかなるし・・・」

という感じで対応する場合が多いのではないかと思います。

実際に、「インフルエンザ」は似たような症状・所見で多数の患者さんが来院しますし、

肺癌も、人それぞれ異なると入っても、おおきな捉え方では似たようなプレゼンテーションで受診されます。

同様に、新たな耐性菌による「感染症患者」さんも、おそらくそれとはワカラナイ臨床症状・所見で来院されるのでしょう。

どうすれば、「慌てない」で新たな耐性菌感染症に対応可能となるのでしょうか?

前もって、「NDM-1産生菌」のような情報をつかんでおき、

「もしかしたら今日にも自分の目の前に新たな耐性菌感染症患者さんが現れるかもしれない」

と常にこころの片隅にとどめておくと、「おっやっときたか!」と慌てずに対応できるのではないかと思います。

常日頃、最新の情報に接する機会を作っておくことが大切かもしれませんね

2010年9月7日火曜日

日本感染症学会の動き

昨年の「新型インフルエンザ騒動」でも、大活躍をされた『日本感染症学会』。

今回の「耐性菌騒動」でも、いろいろと頑張ってくれそうです。

多剤耐性アシネトバクターについて
http://www.kansensho.or.jp/topics/100907acinetobacter-2.html

多剤耐性菌に対する日本感染症学会の考え方
http://www.kansensho.or.jp/topics/100907acinetobacter.html


先週末より多剤耐性細菌による院内感染事例や外国で感染された症例が立て続けに報道されています。日本感染症学会は、理事会を中心に関連他学会と強く連携しながら、多剤耐性菌の諸問題について専門家集団としての意見を集約し、発信して参ります。
2010年9月7日
日本感染症学会理事長
岩本 愛吉
短いので、上記に「多剤耐性菌に対する日本感染症学会の考え方」を全文記載しました。

ただし、「考え方」はこれから発信されるようですね。。。

昨年の「新型インフルエンザ騒動」では、専門家集団として威力を発揮されました。

今回は、耐性菌による感染症患者さんの診療(治療)のプロフェッショナル、細菌学・微生物学の専門家、臨床疫学・感染制御学の専門家などの多職種の共同作業になるかと思われます。

「全部感染症の専門家なんじゃないの???」と思われるかもしれませんが、実は色々と仕事内容が異なったりします。

マスコミの皆様や、インターネットのおかげでこれだけ大きな騒動となった「抗菌薬耐性菌問題」。

日本の感染症業界の真価が問われております。

2010年8月28日土曜日

祝! 「ダプトマイシン」製造販売承認申請~

万有製薬が日本で「ダプトマイシン」の製造販売承認申請されたようです。

http://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2010/research_0827.html
(上記URLで万有製薬ニュースルームサイトに接続します)

さいたま赤十字病院をはじめ、”MRSA”感染症の診療で大変困っている医療機関は非常に多いのではないかと思います。

特に、近年MRSAのVCMに対するMICが”2”の株の治療が問題となっております。

VCMのMICが2以上のMRSA菌血症、感染性心内膜炎や脊椎炎などの長期にわたる治療期間が必要なMRSA感染症の最適な治療薬が無くて困っている方々が多かったのではないかと思います。

こういった治療に難渋するVCMが聞きにくいMRSA感染症(主には血流感染症)に対する治療薬として日本でも早期導入が期待されていた薬剤がこの「ダプトマイシン」です。

是非なるべく早い時期に使用可能となることを切望いたします。

どのような薬剤も、しっかりとした「適応」を吟味して使用することが大切です。

いくらVCMが効きにくいMRSA感染症にダプトマイシンが有効であるといっても、乱用されたのではすぐに「耐性」を取られてしまうのかもしれません。。。

本当に必要な状況は、VCMに対するMIC2以上のMRSA菌血症、感染性心内膜炎、骨髄炎などではないかと思います。
(治療期間が短いものは現状でもリネゾリドなどで治療可能だったりします:例MRSA人工呼吸器関連肺炎など)

「ダプトマイシン」は大切なVCMで治療に難渋するMRSA感染症治療薬です。
日本で使用可能となっても乱用はせずに、しっかりとした細菌学的検査結果に基づいた治療を心がけたいですね。

2010年8月26日木曜日

第5回さいたま感染症勉強会のご案内

正式な案内状が届きましたので、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆さまにも
お知らせさせて頂きます。

第5回 さいたま感染症勉強会


さいたま市周辺エリアの初期研修医,レジデント,感染症に興味のある医師・薬

剤師・検査技師など医療従事者を対象に、感染症の診断と治療の基礎知識を学ん

で頂く機会として≪第5回さいたま感染症勉強会≫を開催させていただきます。

日常診療でしばしば見かける病態について、症例を通してみんなで勉強していく“肩のこ

らない”会にしたいと考えております。議論の内容は“初期研修医が十分ついてくる事がで

きる”レベルに設定いたします。また、毎回テーマごとに感染症のプロをお招きし、コメン

トと総括をお願いする予定です。

  第5回は「尿路感染症・ウロセプシス」をテーマに、教育講演と2題の症例検討を行いま

す。コメンテーターは、帝京大学医学部内科学講座(感染症)講師 松永 直久 先生にお

願いしました。

松永  直久先生の第一回目の講義は大変好評でした。今回も非常に分かりやすく、明日

からの臨床に生かせるようなためになる話をしていただく予定です。ご多忙とは存じます

が、ぜひご参加下さいます様、宜しくお願い申し上げます。

5回当番幹事 横浜市立市民病院

佐藤 亮

ケイタイゴング参加のため携帯電話をご持参ください

(携帯電話がなくても聴講は可能ですが選択枝の回答には参加できません)





日時:平成22年9月6日(月)18:50~21:50

場所:大日本住友製薬(株)埼玉支店 7階会議室

   さいたま市大宮区宮町2-35 大宮MTビル7階

   048-649-7011(大日本住友製薬 埼玉支店)

会費:1000円



会場設営の都合上出欠返信メールを、大日本住友製薬株式会社 埼玉支店 浜田  晋治  宛 

shinji-hamada@ds-pharma.co.jp までお願い致します。



共催:さいたま感染症勉強会 

大日本住友製薬株式会社

幹事:讃井 將満(東京慈恵会医科大学)

小田 智三(さいたま赤十字病院)

大宜見 力(国立成育医療センター)

佐藤 亮(横浜市立市民病院)

石岡 春彦(自治医科大学附属さいたま医療センター)

当日は軽食をご用意しております

~プログラム~
【製品紹介】 18:50~19:00  メロペン、アムビゾーム              
       大日本住友製薬株式会社
       
ケータイゴング説明
当番幹事挨拶:佐藤 亮(横浜市立市民病院)

テーマ「尿路感染症・ウロセプシス」

【症例検討会】
コメンテーター:帝京大学医学部内科学講座(感染症)講師 松永 直久 先生
症例①   19:00~19:50
座長:自治医科大学附属さいたま医療センター 石岡 春彦 先生
自治医科大学附属さいたま医療センター 榎本 真也 先生
症例②   19:50~20:40
座長:東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部 准教授 讃井 將満 先生
「下腿アンプテーション後に発熱した70歳男性」
東京慈恵会医科大学 感染制御部 保科 斉生 先生

~ 休 憩 (10分間) ~
【教育講演】 
20:50~21:50
座長:横浜市立市民病院
佐藤 亮 先生
「迷いを晴らしたい~尿路感染症へのアプローチ~」  

演者:帝京大学医学部附属病院感染制御部
帝京大学医学部内科学講座(感染症)講師 
   松永 直久 先生

以上です。
外来でも入院でも非常に遭遇する機会の多い「尿路感染症」

臨床医であれば、おそらく遭遇しない方のほうが少ないと思われる疾患ですね。

でも基本的な考え方を勉強する機会は実は少なかったりするのではないでしょうか?

この機会に是非尿路感染症の勉強を皆さまと一緒にできましたら幸いです。

2010年8月19日木曜日

しろくま

ブログ作者は暑い夏をのりきるためにいろいろなアイスを食べて研究を重ねております

そんな研究のなかでたどり着いたのが『しろくま』です

九州地方で作られているようですがムチャクチャおいしいアイスです

まだまだ暑い夏が続きますが美味しいアイスでも食べて楽しく過ごしましょう!

2010年8月18日水曜日

耐性菌は抗菌薬使わなければ出現しない~

「抗生物質が効かないスーパー耐性菌・・・」こういったニュースはこれまでもいろいろとありました。

これまでニュースに登場することがあった抗菌薬「耐性菌」はどのようなものだったのか?

”MRSA”(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、”VRE"(バンコマイシン耐性腸球菌)、”セラチア”、”多剤耐性緑膿菌”(MDRP)などなどです。

これらに共通するキーワードが”院内感染症”ということになるかと思います。

(近年”CA-MRSA”という市中感染症でのMRSAもありますが・・・)

これらの菌種は、病院や療養施設などの医療機関と縁の無い方々には、ほとんど影響しないものと考えられます。逆に、なんらかの基礎疾患があったり、病院や医療機関に入院・通院歴があったり、抗生物質を使用された経験があったり・・・そういった方々に感染症を引き起こす可能性がある耐性菌になります。なので「院内感染症」という表現がされる場合が多いのかと思います。

要は元気な方々には、あまり問題となりにくい細菌であると言えるかもしれません。

それに対して、”大腸菌”、”肺炎桿菌”という菌種は、病院とは普段縁のない方々にも感染症を来す可能性のある病原菌です。「院内感染症」に対して、広く市中で発症する可能性があることから「市中感染症」という言葉で表現することが多いかと思います。

例えば、「膀胱炎」などの尿路感染症。市中感染症として発症した尿路感染症の原因菌の多くは「大腸菌」です。

さいたま赤十字病院で、血液培養から検出されてくる、「グラム陰性桿菌」のなかで最も検出頻度の多い菌もこの「大腸菌」です。(二番目が肺炎桿菌・・・)

前回のブログ記事で、ご紹介させていただきました”NDM-1”というβ-ラクタム系抗菌薬を分解する酵素を産生する菌種は、この「市中感染症」を来す可能性がある「肺炎桿菌」と「大腸菌」であったため、その影響力がなんとなくご理解いただけるのかな?と思っております。

ただし、日本で”NDM-1”という酵素を産生する「大腸菌」や「肺炎桿菌」が検出されたというわけではありません。
現時点で、日本国内ではまだ報告されていないのではないかと思います。

「大腸菌」や「肺炎桿菌」の抗菌薬耐性遺伝子は、何も”NDM-1”だけではありません。
すでに日本でもある程度広まってしまっている”ESBL”というβ-ラクタム系抗菌薬を分解する酵素を産生する「大腸菌」「肺炎桿菌」がジワジワとアジア諸国や日本中にも広まっているようです(詳しい方教えてください。)

しかし、日本で検出される「大腸菌」や「肺炎桿菌」の多くは日本で通常使用されている抗菌薬で治療可能な菌種がまだまだ多いのではないかと思います(ここら辺は地域差があるかもしれませんが)。

いろいろと異論があるところかもしれませんが、

「耐性菌は抗菌薬を使わなければ出現しない」

とブログ作者は思っております。

要は「種保存の法則」を「細菌」に適応すれば、理解可能かと思います。

細菌は「抗菌薬」という自分たちの生存を脅かすものに対して、なんとかするためにいろいろな抗菌薬から自分たちの身を守る「術」を獲得しているのです。
だから「抗菌薬」にさらされればさらされるほど「耐性菌」は進化していくのかと思っております。
むやみに「抗菌薬」をヒトが使用し続けた結果として多くの抗菌薬が効きにくい「スーパー耐性菌」なんかを産み出したのでしょう。
人類の「自業自得」と言えなくもないのが「耐性菌問題」なのかもしれません。

マスコミの皆様などがセンセーショナルに「耐性菌」報道をすることは、無用な不安を煽るだけというご意見もありますが、ブログ作者は「耐性菌コワイ」と皆様が思っていただけることは実は必要なことだと考えております。

「抗菌薬耐性菌コワイ」
「どうする?」
「耐性菌は抗菌薬使わなければ出現しない」
「じゃあ抗菌薬(本当に必要なとき以外は)使わなければイイジャン!」

という発想になっていただければ幸いです。
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は「呼吸器内科外来」をやらせていただいております。

最近は以前ほどではありませんが、感冒様症状などで、患者さんの側から

「先生!カゼ早く治したいから抗生物質とか『強い薬』処方してくださいよ~」

などと、医師に「抗菌薬」の処方を要求してくる患者さんがまだまだいらっしゃいます。

「耐性菌は抗菌薬使わなければ出現しない!」ということを是非ご理解いただき、
「抗菌薬」「抗生物質」は医師が本当に必要と判断した場合のみに処方させていただく薬剤であることを覚えておいてください!

2010年8月15日日曜日

輸入したくないもの・・・海外旅行者要注意!NDM-1:あらたな耐性菌のお話

夏休みは、海外旅行に行かれるヒトも多数いらっしゃるのではないでしょうか?

どちらの国に行かれるにしても、一般的に健康管理が大切であることはご理解されているのではないかと思います。

これまでは、海外旅行後の感染症というと?「マラリア」とか「チフス」、「デング熱」など、その地域特有の病原体による感染症を考慮する場合が多かったのではないかと思います。

しかし、近年一般的な病原体による感染症、例えば「肺炎」「尿路感染症」などでも海外旅行後の患者さんについては抗菌薬の選択などで十分注意することが必要な時代となってしまっているようです。

昨年KPC:Klebsiella pnumoniae carbapenemaseというカルバペネムまで分解してしまう酵素を産生するクレブシエラという菌があることをご紹介いたしました。(幸い日本ではまだそれほど問題になっておりませんが)

「クレブシエラはオソロシイ」
http://srcrespiro.blogspot.com/2009/06/blog-post_15.html

今度は、NDM-1:New Delhi metallo-β-lactamase 1というあらたなキーワードの登場です。。。

”Drug resistant 'superbug' found in hospitals in London and Nottingham"
http://www.dailymail.co.uk/health/article-1302432/Drug-resistant-NDM-1-superbug-London-Nottingham-hospitals.html

上記WEB SITEによると、インド、パキスタンからイギリスへの帰国者でNDM-1というメタロβラクタマーゼ産性する「大腸菌」「肺炎桿菌」がみつかっているようです。

カルバペネム系を含むほとんど全ての抗菌剤に耐性という、オソロシイ菌で、しかも「プラスミド」上にNDM-1遺伝子が存在するため、菌種の壁を超えて、このNDM-1遺伝子が広まってしまうことが脅威になるというようなことが書いてあるようです。

また、こういった耐性菌が英国に持ち込まれる背景に、「メディカルツーリズム」と言われる、英国以外の地域に渡航しての侵襲的医療行為があるのではないか?ということも示唆されています。

こういった「耐性菌」と戦うためにあらたな抗菌剤の開発が必要ですね・・・

とはさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、結論付けたくありません。

もちろん、新たな耐性菌の脅威に対して、それに対抗可能な抗菌剤の開発は必要かと思います。

アジアの諸国でこういった「耐性菌」が出現→拡大していく背景には、「抗菌薬」を使用せざる負えない社会状況・衛生状態があるのではないかと推測いたします。

こういった地域では、「医療のレベルアップ」、「新たな抗菌剤開発」といった対策よりも、

「キレイで衛生的な飲み水の安定的な確保」


「下水道、下水処理場を整備して、川の水をキレイにする」


「食料の安定的供給よる栄養状態の改善」


などの対策のほうがよっぽど役に立つのではないかと思います。

医療従事者の視点からは、このあらたな”プラスミド”上の耐性遺伝子”NDM-1”の存在を認知すること。

現在のところ、”Escherichia coli” ”Klebsiella pnumoniae”で確認されていること。

Escherichia coliやKlebsiella pnumoniaeによる、尿路感染症、肺炎、敗血症、胆道感染症などが、海外渡航歴にある患者さんに発生したときは、「万が一にはNDM-1産生菌によることもあるのかな・・・」と頭の片隅においておくこと。
とくにキーワード「メディカルツーリズム」も要注意です・・・
(近年日本からのアジア各国への医療目的の渡航もあるとおききしております)

取り急ぎできることはそういったことでしょうか?

アジア諸国からの帰国者に限らず、海外渡航歴のある患者さんでは、旅行者に特殊な感染症だけに注目するのではなく、一般的な「肺炎」「尿路感染症」「敗血症」などの病態でも、治療薬の選択に注意しなければならない時代となってしまったのかもしれませんね。

2010年8月11日水曜日

血液培養採取したのはいいけれど・・・

さいたま赤十字病院に私・本ブログ作者が赴任して6年目となります。

さいたま赤十字病院で働き始めた当初、さいたま赤十字病院全体の血液培養採取セット数は・・・

おおよそ月間100~150セット程度で推移していました。

血液培養採取せずに、抗菌剤投与などは日常茶飯事でしたし、”血培2セット採取”なんていうのは夢のまた夢という感じでした・・・

そんななかでも、「なんとかしなくては」という意識のある一部の医師・診療科の先生方が孤軍奮闘して血培2セット採取をされておりましたが、病院全体に広まる気配は感じられませんでした・・・

ブログ作者は、「どうしたものかな?」と思いつつ、とりあえず、最初の2年間はじっくりと「感染症診療の基本的考え方」を院内のスタッフの皆様に啓発していく活動を続けておりました。

感染症診療の基本的考え方がある程度、内科系の先生方、研修医・レジデントの皆様に浸透しつつあるかな?と考えたところで、次のターゲットを「看護師」の皆様といたしました。

さいたま赤十字病院では、血液培養を実際に採取していただくのは、看護師の皆様となるため、看護師の方々にご理解・協力をいただけなければ「血培2セット!」と言っても、言うだけで終わってしまうと感じたからです。
また、看護師の皆様への血培教育については、優秀なICNの協力がいただけたのも大きかったと思います。

看護師の皆様に、「血液培養」の講義をさせていただき、なぜ”2セット4本”採取が必要なのか?について十分な理解を頂いた上で、実際の血液培養採取方法を自作ビデオで見ていただくことを繰り返しました。
(血培採取方法ビデオは、当時さいたま赤十字病院呼吸器内科で働いていた志の高いスタッフの皆様のご協力でスバラシイものができております)

ここまでの綿密な下準備に、約2年ついやしました。

そして、ある日突然「今日から血液培養は2セット4本をスタンダードに!」としてしまいました^^

それからはイッキに「抗菌剤投与前に血培2セット4本採取」という、さいたま赤十字病院の血培文化が浸透していき、お陰さまで2010年7月は月間500セットを越えるまでの血液培養採取数となりました。

突然の「血培業務負荷が」増えたのに、文句ひとつ言わずに日々頑張っていただいた細菌検査室スタッフの皆様には、本当に感謝いたしております。

ここまでは、ただの自慢話になってしまいましたが・・・

じつは、血液培養検査は、”2セット4本”採取がつづけば、いろいろと嬉しい?問題が生じてくるのです。

血液培養では菌が「生えた」のに、菌種の「同定」が困難な菌がしばしば見つかってくるのです・・・

血液培養の検体数が増えれば増えるほど、この”UNKNOWN"な菌の検出問題が全面にでてくるようになります。

あいては「血液培養」から検出されてきた菌です。起因菌である可能性がむちゃくちゃ高いにもかかわらず、「犯人」が誰かわからない・・・こんな恐怖はなかなか経験できませんね(したくもないですが)
戦っている相手=菌種同定困難な菌:をターゲットにして治療することの「イヤ」な感じは経験してみないとわからないかもしれません・・・

では菌種同定困難な菌を同定する方法はあるのか?

じつは、大学病院や感染症研究所、一部の民間検査機関に菌株を送付させていただき、「遺伝子同定」という手法を用いると菌種の同定が可能なのです。

ただし、「手間」と「時間」と「お金」がかかる(らしい)のですが、さいたま赤十字病院では、これは絶対に同定していただかなくては・・・という場合には上記のような施設に菌株を送付して同定していただいております。


ですが、「健康保険」は使用できませんので、病院が検査代金を負担するか、検査実施機関が無償奉仕していただくかしかないのです・・・


患者さんの診療内容に非常に影響する「菌種同定」という検査が、健康保険を使ってひろく一般的に実施できていない状況は、あまりよろしい状況ではないのではないか?と常々考えております。

考えている暇あったら、なんとかしろ!と怒られてしまうかもしれませんが、なかなかさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者ひとりのチカラではムズカシイので、こういったことを多くの医療従事者の皆様が機会あるごとに声を上げていただくと、未来には良い方向に向かうのかもしれませんね。

そんなことを以前思い知ったのが、カプノサイトファーガによる敗血症の症例でした・・・

さいたま赤十字病院では、ブログ作者が赴任して以降、2症例Capnocytophaga canimorsus敗血症を経験いたしております。
血液培養をまずは採取することが大事なわかですが(これがないと診断そのものがまず困難)、血液培養が陽性となったにもかかわらず、分離培養そのものがまず困難だったり、分離培養できても同定の段階で?となってしまったりするのがこのCapnocytophaga canimorsusだったりします。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/capnocytophaga.html#06
上記厚生労働省のWEB SITEもご参照ください。

上記サイト内の症例数はおそらく、実際の症例数のほんの一握りなのではないかと思っております。

「血液培養」の段階で、そもそも血液培養がなされずに闇に葬られていった症例・・・

せっかく「血液培養」がなされていても、菌種同定の段階で闇に葬られた症例・・・

また、動物咬傷後の抗菌剤投与により血液培養採取にもかかわらず菌検出困難であった症例・・・

さいたま赤十字病院の症例のように、しっかりとした診断がついても、保健所届出疾患ではないため届け出ていない症例などなど・・・

こういったものを合わせれば、かなりの症例数になるのではないかな?と推定しております。

近年、どこの医療機関でも、「血液培養」採取そのものはできるようになっているのではないか?と思っております。

血液培養採取が「あたりまえ」となった次のステップが、検出結果の適正な判断・解釈かと思われます。

そこら辺の血液培養結果を適正にチェックして主治医グループに還元していくシステムが皆様の医療機関にはしっかりとあるでしょうか?

血液培養から「〇〇菌が検出されました!」とだけ報告されて、あとのフォローがなされているのでしょうか?

ここら辺が次の日本の感染症診療レベルアップのポイントかな?と思っております。

2010年8月8日日曜日

花の後

7月18日のブログ記事でご紹介した花が咲き終わったあとにできる野菜の写真です

正解はオクラでした

オクラが八百屋やスーパーの店先に並んでるのはよく見かけますが、実際にどの様になっているのかは観たことがありませんでした。

実際にその場に出掛けて観る事で新たな発見があるのかも知れませんね

ブログ作者は呼吸器や感染症の様々な問題を皆様から相談されますが、やはり実際に患者さんのベッドサイドに伺って初めて気づく事が多いと感じております

2010年8月5日木曜日

第44回 Tokyo Infection Conferenceのお知らせ

第44回Tokyo Infection Conferenceの案内が届きました。

9月はいろいろな勉強会に参加できそうです。勉強の秋になりそうですね。

 第44回Tokyo Infection Conferenceのご案内

日時:平成22年9月10日金曜日19:00~

場所:社会保険中央総合病院 2階研修センター

参加費:500円(サンドイッチと飲み物が毎回でてます)

症例担当施設
    演題1:杏林大学

    演題2:さいたま赤十字病院

今回は、ひさしぶりにさいたま赤十字病院からも症例提示させていただきます。

診断クイズとしては面白みがないかもしれませんが、いろいろな点で教訓となった症例です。

皆様といっしょに勉強させていただけましたら幸いです。


9/6 第5回さいたま感染症勉強会開催のお知らせ

さいたま感染症勉強会もお陰さまで、回を重ねてなんと第5回です。

開催概要がきまったので、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様にもお知らせさせていただきます。

広く医療従事者の皆様にご参加いただける感染症の勉強会です。

皆様2010年9月6日月曜日夜の予定はあけておいてください!


第5回さいたま感染症勉強会


盛夏の候、先生方におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
本会は、さいたま市周辺エリアの初期研修医,レジデント,感染症に興味のある医
師・薬剤師・検査技師など医療従事者を対象に、日常診療でしばしば見かける病態
について、症例を通してみんなで勉強していく“肩のこらない”会にしたいと考えてお
ります。内容は“初期研修医が十分ついてくる事ができる”レベルに設定いたします。
今回は、下記のとおり「尿路感染症・ウロセプシス」をテーマに症例検討会と教育
講演を予定しております。
帝京大学医学部  松永直久先生の第一回目の講義は大変好評でした。今回も非常に
分かりやすく、明日からの臨床に生かせるようなためになる話をしていただく予定で
症例検討会では携帯を使ったクイズを行なう予定です。ぜひ携帯電話を持ってお
ご多忙とは存じますが、ぜひご参加下さいます様、宜しくお願い申し上げ
第5回当番幹事 佐藤 亮

日時:2010年9月6日月曜日 18:50~21:50:毎回遅い時間までご苦労様です

場   所 :大日本住友製薬株式会社埼玉支店 7階 大会議室

教育講演  :帝京大学医学部  松永直久先生

毎回、基本的な症例提示と講師の先生のクリニカルパールの沢山つまったコメントが非常に勉強になります。皆様お誘い合わせの上ご参加ください!

2010年8月4日水曜日

予防接種について考える

感染症診療の原則というブログに「予防接種パブコメの内容」という記事がありました(下記URLでご参照ください)

予防接種は誰のために接種するのでしょうか?


「もちろん自分が感染症にならないように!」にきまってるでしょ~

と言われそうですが、実は予防接種の効果は接種されたヒトだけではなく、周囲の人々、地域全体に広がっていくものなのです。

どういうことか?というと・・・
ある病原体に対する予防接種をうけたヒトが増える

→ある病原体に対する免疫力(抵抗力)のあるヒトが増加する

→地域である感染症が侵入してきても抵抗力があるヒトが多いため蔓延しない

→みんなが幸せ!!

という感じのことが起こりえます。

実際に、以前世界中で猛威をふるった「天然痘」はこの「予防接種(ワクチン接種)」で根絶することができた=人類が克服できた「感染症」なのです!
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g3/k01_40/k01_40.html
(上記IDWRサイトに天然痘の記載があります)

その他の感染症の予防接種では、残念ながら「天然痘」のように人類が克服するまでに至るような結果が得られたものはまだありません(がそれをめざしている「麻疹」などはありますね)

http://homepage3.nifty.com/TOKU/ima/mashin.htm
(上記URLで「麻疹ゼロ作戦」WEB SITEにつながります)

患者さんのなかには予防接種の接種をうけることが何らかの理由で困難な方もいらっしゃいます。免疫不全などがあると、ワクチンそのものの有効性が低下したり、ワクチンに使われている弱毒菌(ウイルス)そのものが悪さをする可能性があるからです。
(不活化ワクチン(生きている病原体ではないワクチン)の中には免疫不全状態でも使用可能なものもあります)

しかし、こういった予防接種がそもそも接種できない患者さんでも、周囲の皆様ができるだけ予防施主をうけることで、その患者さんが予防接種の恩恵に預かることが可能となるのです。

そんな予防接種について、厚生労働省がいろいろな方々に意見をもらうことを行っておりました(パブリックコメントというようです)

(さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も「B型肝炎ワクチンの定期接種化について」の意見を送らせていただきました)

下記のURLで投稿されたパブリックコメントを見ることができます
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0616-3o.pdf
多数の皆様が「予防接種」にどういった見解・意見をもっているのか?
日本の予防接種システムをどのようにしたら改善していけるのか?

非常に興味深いご意見が拝見できます。

皆様、この機会に是非「予防接種(ワクチン)」について考えてみてはいかがでしょうか?

2010年8月1日日曜日

生水注意報

夏は森林浴に良い季節ですね〜

山に登ると、綺麗な川や沢の水が流れていて思わず口にしたくなる気持ちになるかもしれません

しかし、生水にはいろいろと危険がひそんでおります

様々な細菌や、エキノコックスなどの寄生虫など〜それなりのリスクを伴うのが生水なのかと思います。

見た目にはとても綺麗な山の湧水。でも目に見えないリスクも考えて行動いたしましょう

上記写真は山梨県の西沢渓谷です〜埼玉県からも秩父の山を越えると以外と早く行けますよ

募金自動販売機

普通に清涼飲料を販売してる自販機の片隅に赤い羽根募金のボタンがありました

試しに(募金のため)100円入れて募金ボタンを押しました

すると『募金ありがとうございました!』の音声が流れましたが…赤い羽根は出てきませんでした〜

募金自販機初めて拝見しましたが、各地にあるのでしょうか?

2010年7月30日金曜日

結核は忘れたころにやってくる~


上記写真は、喀痰のチールニールセン染色の写真です。
どこに結核菌がいるかわかりますか?

「ただの市中肺炎だよね?」
という思い込みが思わぬ落とし穴だったりいたします。

常に「もしかして結核?」とアタマにおいておくと後で大変なことにならずにすむのかもしれません

とくに「肺結核」については、積極的に除外診断をする必要があります。
私ども呼吸器内科医でも、「非典型例」を多数拝見しております。
さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者なんかは、画像クイズで何回「肺結核」をハズしたことか・・・
皆様「結核は忘れたころにやってくる!」ですので常にアタマの片隅においておきましょうね






2010年7月24日土曜日

「経口補水液」という発想~OS-1



毎日、非常に暑い猛暑日が続く過酷な季節となりました。。。

特に、埼玉県は日本中でも「熱い」地域として有名です。

毎日、熱中症でお命を落とされる方々のニュースを拝見していると残念な気持ちになります。

自然現象や気候変動に完全に立ち向かうことは、人間には困難なのかもしれないなあ~とも思ってしまいます・・・

しかし、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も、医療従事者のひとりですので、なんにも提案しないのもイヤです。
なので熱中症対策のひとつとして上記写真の「OS-1」をご紹介させていただきます。

「経口補水液」という発想自体は、以前からありましたが手軽に利用できる「商品」として発売しているのは、ブログ作者は、この大塚製薬が発売している「OS-1」が初めてではないか?と思っております。

ラベルには下記の文章が書かれております
「オーエスワンは、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴なう脱水症状、高齢者の経口接種不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態に適しています。」

と記載されております。

同じ大塚製薬が発売している「ポカリスエット」とは電解質などの組成が異なるようです。

Na+ 50mEq/l K+ 20mEq/lなどなかなか電解質をそれなりの量配合されているようです。

ただし、「カリウム」がはいっているようなので、本当に極度の脱水状態や急性腎不全までいたっているような脱水症状。もともと腎機能の弱っている方々などは注意が必要でしょうか?

熱中症や脱水症状だと、すぐに「点滴」と発想してしまう皆様も多いかもしれませんが、ある程度までの病状であれば、経口水分摂取でなんとかなる場合もあるかと思います。

点滴は、静脈などの血管に直接輸液をいれる方法のため、「痛み」を伴いますし、気をつけていても「バイキン」が入ってしまい「菌血症・敗血症」などになってしまうことも稀にはありえます。

「熱中症・脱水症」では、それなりの重傷度の方々にはもちろん早めの輸液療法が必要かと思いますが、軽症レベルの方々なら「OS-1」のような「経口補水液」を利用するのもひとつの手かと思います。

ただ、残念ながら現在各地の薬局で「品不足」となっているようです。

そんなに難しくなく自宅で似たようなものを作成することもできます。
水に食塩と砂糖を溶かすだけですからね・・・
(作り方は検索サイトで「経口補水液」”WHO dehydration”などで調べると多数みつかります)

水+塩+砂糖 で作るWHO solusionは「カリウム」がはいっていないので、より使用しやすいかもしれません(味はそれほどおいしくないのですが・・・贅沢言っていられないときもありますよね)

まだまだ暑~い夏が続きますが、いろいろな知恵と工夫でなんとかのりきってください!

2010年7月23日金曜日

カウンター50000突破!ありがとうございます

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様のおかげで

この度、カウンターが50000を突破いたしました!

2009年10月にカウンター設置させてからのカウント開始ですので、それまでの過去3年間

も含めると、本当に多くの皆様にお越しいただいていることを実感しております。

これからも末永くさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの閲覧をよろしくお願い致します。

2010年7月18日日曜日

何の花かな?

花の写真です

何と言う植物の花でしょうか?

ヒント〜夏野菜

ファミレスのサラダバーで活躍中かと思います

観察眼を養うことも医療従事者の大切な能力ですね

2010年7月17日土曜日

豚さんのウラの顔

昔から蚊取り線香の容器?と言えば豚の陶器が有名なのですが、実際に使った経験がある方々は少ないのでは無いでしょうか?

豚の裏側はどうなってるのか?

以前ブログ作者は見てみたいと思いつつ見る機会が有りませんでした

今回うまく写真が撮れましたので大公開です!

まあ予想通りでしょうか?

2010年7月10日土曜日

夏と言えば…

日本の夏の風物詩のひとつが蚊取り線香かと思います

除虫菊という菊から蚊取り線香が作られると聞いた事が有りますが今でもかわらないのでしょうか?
最近では火を使う蚊取り線香から液体やチュッと噴霧するタイプのものに変わってきてますから蚊取り線香を見かけることも少なくなりましたね

蚊が媒介する病気で世界中で一番頻度が多く、注意しなければいけないのは『マラリア』でしょうか?

東南アジアなどでは『デング熱』なんかも注意が必要ですかね〜

日本では日本脳炎が有名かと思いますが、ワクチン接種などいろいろと対策が必要かと思います

血を吸われてカユイだけでも大変なのに蚊から病気までもらってしまうのは勘弁して欲しいですね

2010年7月3日土曜日

EBICって何?

ひとつ前のブログ記事で”EBIC”という言葉が出てまいりましたが、

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログでは初めて登場した言葉でしょうか?

”EBIC"というのは、Ebivence-Based Infection Controlの略称のようです。

詳細は下記「NPO法人EBIC研究会」のWEB SITEをご参照ください! 

http://www.ebic.jp/

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、よくわからないまま今回が初めて参加っせていただきましたEBICセミナー。

興味があるかどうかというよりも、必要に迫られてある意味「させられている」方々も多いかもしれない感染制御の仕事。。。

でも、感染制御のお仕事もやりがいのある仕事なので、ハマルとなかなか楽しいものです。

EBIC研究会をしったきっかけは、多摩感染症セミナーで講師をされている佐竹先生が宣伝されていたからという理由でした

ぼちぼち感染制御のお仕事ももう少し頑張らなければいけないと思いつつ勉強させていただいております

勉強した内容を、どのように患者さんやスタッフに「還元」していくのか?
そこら辺は、ただ単に「勉強」しただけではうまくいかない自分の「知恵」と「努力」が必要なことかな?と思いつつなかなかうまくいかないところでもあります・・・

マネをすることは勉強の基本事項であるとは思いますが、全く忠実に「再現」することが必ずしも「良い」ことであるかといえばそうではないことも多々あるのが世の常です。

他の医療機関が行っていることや、各種マニュアル、ガイドラインをただ単に「マネる」ことはひとつの方法ではあります。しかし、そこら辺を各医療機関の実情に合うように「変化」を持たせることも必要なんだな~ということをあらためて認識いたしました。

自分の医療機関にあったものにアレンジして「感染制御」を行うチカラを養うことが求められているのでしょうね~

第12回EBICセミナー

今日から明日まで、永田町の砂防会館で開催されている、

第12回EBICセミナーに参加させていただいております

感染制御関係の勉強会ですが、とても広い会場いっぱいに勉強熱心な皆様がいらっしゃりとても驚きました

こういった勉強会で学んだ事をどうやって臨床現場に還元していけるかが大切になります

そこら辺のことも考えつつ2日間修行しようかと思います

2010年6月29日火曜日

血培ボトル4種類

上の写真はさいたま赤十字病院で実際に使用されている血液培養検査用のボトルです

左から嫌気〜好気〜抗酸菌/真菌〜小児 となってます

各血培ボトル毎に採血量が異なりますのでラベルに記載された採血量をご確認下さい!

2010年6月16日水曜日

気分転換!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログのテンプレートを変更してみました!

見た目がガラッとかわりましたよね?

仕事や趣味・遊び・勉強・・・何かに行き詰まった時には、うまく気分転換することで、その後良い方向に向かうということもあります。

気分転換しても何もかわらないこともしばしばありますが、変わらなくても心気一転またがんばれたりもするかな?と思います。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様はどのような気分転換・生き抜きなどされているでしょうか?

日々同じような仕事・生活をしていると、何かと行き詰まることはあるものかと思います。

うまく気分転換をして新たな物事にチャレンジできる「心」を養うのも必要かもしれませんね!

2010年6月12日土曜日

国立ハンセン病資料館

今日は清瀬にある国立ハンセン病資料館を訪れました

清瀬の緑に囲まれた静かな環境にあるハンセン病の資料館です

日本の過去の感染症対策をふりかえることは、現在〜そして未来の感染症にどのように向き合って行くべきかに必ず役立つかと思います

また感染症はひとりの人間に生じる病気です。感染症対策は病気ばかり診るのではなく、一人の人間としての患者さんの存在抜きに語られてはいけないことを痛感いたしました

散歩するにも非常によい場所です。皆様ぜひ一度国立ハンセン病資料館を訪れてみてはいかがでしょうか。

2010年6月7日月曜日

血液培養は「陰性」であることを喜ぶための検査である

今回のタイトルは

「血液培養は『陰性』であることを喜ぶための検査である」

ですが、このありがたいお言葉は、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者が尊敬している某大学病院感染制御の偉い先生からお聞きしたものです。(決してブログ作者が思いついた言葉ではありません・・・)

先日開催された、さいたま赤十字病院の院内感染対策勉強会で”5分間”お話させて頂く時間をいただきましたので、上記メッセージを中心にお話させていただきました。

実は感染制御担当部長からは「5分間で血培のコンタミネーションを少なくするような方法論について」話すようにいわれていたのですが、そもそもなぜコンタミネーションが「罪」となるのか?についての理解がなければ、いくら「消毒しっかり」とかいっても意味がないと判断して上記のお話をさせていただきました。

なぜ「血液培養は『陰性』であることを喜ぶ検査」であるのか?

これがわかっていらっしゃる皆様は、この後は読まなくてよいかもしれません。

もし、”?”と思われている皆様はもう少しお付き合いください。

なんで「血液培養」検査をするんでしょうか?

それは「『菌血症』でないことを証明するため」であるとブログ作者は考えております。

感染症というのは、どこかの臓器・部位に「感染病巣」を形成いたします。

その「感染病巣」のみに病原体がとどまっているのか?それとも、感染病巣から病原体が血流にでてしまい、「菌血症」の状態になってしまっているのか?
その見極めのために「血液培養」検査は行うのです。

「悪性腫瘍」に例えてみると?

「感染病巣」=「原発巣」

「血液培養検査」=「転移病変の検索」

とでもいえるでしょうか?

もし、「感染病巣」に病原体がとどまらずに、「菌血症」の状態となっていたら・・・病原体が血流に乗って全身の臓器に感染病巣を形成してしまっている可能性につきい十分に注意する必要がでてくるかもしれません。

場合によっては、「転移病巣」に相当する「感染病巣」が先にみつかって、「原発巣」に相当する「初感染病巣」が後に判明するなんてことも珍しくありません。

たとえば、「ブドウ球菌による脊椎炎」が先にみつかって、血液培養でも「ブドウ球菌」が検出。後に初感染病巣であった、「感染性心内膜炎」が判明した・・・なんてこともそれなりにありうるのです。

血液培養検査の目的が「『菌血症』でないことの証明」のためである以上、「血液培養陽性」という結果はあまり喜ばしい結果ではないことになります。

だから、万が一「血液培養陽性」となって、感染病巣がはっきりしていなかったりしたら、それこそ「必死」で感染病巣を検索する必要があります。

また、血液培養は「陰性」であることを喜ぶための検査であるわけですから、万が一「陽性」となった場合には、かならず「血液培養陰性化」を確認して「喜ぶ」ことをしなくてはなりませんね。

この、「血液培養再検」→「血液培養陰性化の確認」がきちんとされているかどうか?はその医療機関がしっかりと「感染症診療できているかどうか?」のひとつの指標になるのではないか?とさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は考えております。

「まず『血液培養採取』する」までは、結構な数の医療機関・医療従事者が行っているような時代になりつつありますが、まだまだ「陽性」となった「血液培養」検査の「再検」をおこなって、「血培陰性化」をきちんと確認されている医療機関・医療従事者の皆様は少ないのではないか?と推定いたしております。

さいたま赤十字病院で、最近血液培養が再増加しているのは、ここの「血液培養陰性化チェック」の徹底を図っているからではないか?と考えております。

「血液培養陽性」患者さんの治療で抗菌化学療法が「効いている」かどうかの一番の判断材料が「血液培養陰性化」の確認です。

決して”CRP"値の低下ではありませんので、皆様よろしくお願いいたします。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は

「血液培養は『陰性』であることを『確認』して喜ぶ経験」をしているでしょうか?

(長くなったので、「コンタミネーション」のお話はまた日をあらためて・・・)

2010年6月6日日曜日

父の日のギフト~肺炎球菌ワクチンギフト~

2010年の父の日は14日後の6月20日日曜日だそうです。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は「父の日」の贈り物を決められたでしょうか?

そもそも「送る予定ありません・・・」というヒトはまあ良いかもしれませんが、父の日ギフト何贈ろうか迷っていて決まっていません・・・というヒトは是非おつきあいください。

父の日といっても、そもそも「父」に該当される方々には、様々な年齢層の皆様がいらっしゃるかと思います。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者自身が、自分の子からみれば「父」ですし、私の男親も「父」となります。

もし、父の日ギフトの対象の方が、ある程度の年齢(65歳台以上くらい?)の皆様に、送るもので迷っていらっしゃるのであれば、「肺炎球菌ワクチンギフト」はいかがでしょうか?

以前より「1歳のお誕生日にはしか(麻疹)ワクチンプレゼントを!」という事を感染症業界の皆様が訴えていたのを思いだしました。
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/cpn04.html
上記URLで国立感染症研究所感染症情報センターWEB SITEにつながります。

また、世界の子どもたちへのワクチンプレゼント活動もユニセフギフトとして行っているようです。
https://www2.unicef.or.jp/card/sgift/report2.html
上記URLでUNICEFのWEB SITEにつながります。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は呼吸器内科医らしく?「肺炎球菌ワクチン」を「父の日ギフトに!」という提案をしてみようかと思っております。

この「肺炎球菌ワクチンギフト」はご年齢が65歳以上の「おとうさん」へのプレゼントとして最適なのかな?と思っております。
(若いおとうさんへは、他のプレゼントの方がよろしいかもしれません)

もちろん5年以内にすでに肺炎球菌ワクチン接種住んでいる皆様は接種対象者になりません。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様で、父の日ギフトの選択に迷っている皆様、もし他によいプレゼントがなければ「肺炎球菌ワクチンギフト」は如何でしょうか?

さいたま赤十字病院呼吸器内科でも現在肺炎球菌ワクチン接種が可能です。
費用は8000円+消費税、(別途費用がかかる場合があります)

「新型インフルエンザ」などで、話題になると途端に品切れとなる肺炎球菌ワクチンですが、現在は在庫に余裕がある状況です。皆様是非ご検討ください!

2010年6月4日金曜日

満員御礼!血培検査〜

本日、いつもどおり細菌検査室を訪れましたら〜

『血培ボトルもう入りません〜』

と言う嬉しい悲鳴?を細菌検査室スタッフの皆様からお聞きいたしました!

着実にさいたま赤十字病院の感染症診療レベルアップが計られているかと思います〜

2010年5月29日土曜日

魔法のバイタルサイン

昨日は、2010年度第一回の若手医師セミナーに参加させていただきました。

https://secure.pfizer.co.jp/rseminar/index.php
(上記URLクリックでファイザー若手医師セミナーWEB SITEにつながります)

筑波大学の徳田安春先生が、バイタルサインをメインに、内科救急診療の基礎的事項をお話されておりました。

患者さんが重症かどうかは、検査結果をまっていては「遅すぎる」場合がしばしばあります。

救急搬送されてくる患者さんでは、それこそ病院到着「前」の救急隊からのバイタルサイン情報で、前準備が必要だったりもします。

呼吸器内科では、「気管支喘息重積発作」や「緊張性気胸」「肺血栓塞栓症」などで、緊急の処置・対応が必要な患者さんが救急搬送されてくる場合が多々あります。

場合によっては、「歩いて」上記のような重症患者さんが来院される場合も少なくありません。

救急車で来院される場合には、ある程度「バイアス」が働いて、「重症かも」と想定して対応するのでまだよいのですが、歩いて外来にいらしたときに、重傷度評価の能力が問われることがしばしばあります。

「歩いてきた患者さん」≠「軽症」

の原則?がありますが、救急外来では、しばしば『救急車』で来院された患者さんを「優先」してしまい、自力で歩いて来院された患者さんが「後回し」になる可能性をはらんでおります。

そこで、大事なのが「バイタルサイン」となります。

多くの救急医療機関では自力で来院された患者さんはまず、看護師の皆様がバイタルサインや簡単な病歴を取っていただき、トリアージを行っていただくことが多いのです。

この、最初にとられる『バイタルサイン』で、優先して診療させていただいた方が良い患者さんかどうかを見抜けるチカラがトリアージナースの皆様に求められているのでしょう。

また、近年、在宅診療・訪問診療が盛んになってきており、さいたま赤十字病院呼吸器内科でも近隣の在宅医療診療所や訪問看護ステーションにおねがいして在宅診療を依頼しております。

在宅ではいろいろな検査機器など使用するのはなかなかムズカシイ状況ですので、病院などに救急搬送するかどうかはやはり「バイタルサイン」で評価されることが必要なのではないかと思われます。

てっとりばやく、しかもなんの医療機器も必要とせず、測定できるバイタルサインってなんでしょうか?

さいたま赤十字病院』呼吸器内科ブログ作者の考える大事なバイタルサインは?

①意識状態:GCSやJCSで数値化!

②呼吸回数:20回以上は頻呼吸。30回以上は重大な疾患隠れている?

③脈拍:多すぎずのも少なすぎるのも大変!

④頚静脈:第5のバイタルサイン:徳田先生のお話で始めて知ったバイタルサイン!
(難しく考えずに、頚静脈(外頸静脈)が怒張しているか、虚脱しているかだけでも役に立ちます!)

上記4つは、時間と場所を選ばず評価可能な「魔法のバイタルサイン」かと思います。

病院の救急外来であれば、血圧計やSpO2モニター、体温計などいろいろな医療機器によるバイタルサインの評価が可能です。

しかし、在宅では、いろいろな医療機器がなかったり、こわれていたりしてはかれなかったりするバイタルサインがあります。

また道でだれかが倒れていたりしたら医療機器なんてなかったりするでしょう。

そんな状況でも①意識状態、②呼吸回数、③脈拍、④頚静脈 の4つの「魔法のバイタルサイン」はいつでもだれでも評価可能(トレーニングは必要ですよ~)なのです。

しかも、パッと見で、わかるものばかりですのでものの1~2分で、超重症患者さんは慣れてくればすぐに見分けることができるかと思われます。

さいたま赤十字病院のように3次救急医療機関では、いろいろな医療機器が使い放題?のためそれほど困らないのかもしれません。(それでもバイタルサインは大切です)

限られた医療資源しかない環境では、自分の五感(と時計)だけですぐに測定可能なバイタルサインの評価・利用方法に習熟していることはとても有力な武器となるのではないでしょうか?

次回は病歴と身体所見のお話のようです。

大事な内容は何回聞いても勉強になるものです。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、青木先生の「感染症診療の原則」のお話をいろいろなところで10回以上お聞きいたしておりますが、何回きいてもあらたな発見があるから不思議なものです。

よく研修医の皆様に「メモをとらない!」ようにお話いたしております。

メモをとっている時間があれば、お話をよく聞いて、その場で覚える努力をしたほうが手っ取り早いと考えております。

忘れちゃうんじゃない?という疑問にたいしては・・・大事なことは繰り返しなんども聞く機会があるから大丈夫!と説明いたしております。

そうです。なんどもなんども繰り返し同じ話を聞くこと。それが一番の勉強法なのではないか?とさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者はつねに考えております。

皆様の明日からの勉強にすこしでもお役にたてれば幸いです。

草加せんべい

こちらは全国的にも有名な草加せんべいです

堅い歯ごたえのある煎餅で、醤油味が染みていてなかなか飽きのこない味かと思います

ねぎみそ煎餅

さいたま名物の元祖ねぎみそ煎餅です

深谷と言う埼玉県のネギ産地として有名な地域のおいしいネギを使ったねぎみそ煎餅

さいたまにお越しの際は是非一度御賞味ください!

2010年5月27日木曜日

さいたま赤十字病院正面玄関に、紫陽花を中心とした季節の花を飾られたようです

綺麗ですね

さいたま赤十字病院を訪れた際には是非ご覧ください!

2010年5月25日火曜日

前呼吸器内科部長送別会


2010年5月22日土曜日に大宮駅周辺の某所で盛大に開催されました前呼吸器内科部長の送別会の写真です.

さいたま赤十字病院呼吸器内科前部長,竹澤信治先生のこれまでの業績をたたえて,多数の皆様(女性が多いのは気のせいでしょうか?)がお集まりいただけました.

この場をお借りいたしまして,ご参加いただきました皆様に厚く御礼申し上げます.

2010年4月からは,送別会を主催されました,さいたま赤十字病院新部長松島秀和先生がさらなるグレードアップをはかった呼吸器内科にしていっていただけるのではないかと思います.

こんな楽しい雰囲気のさいたま赤十字病院呼吸器内科では来年度のレジデントの先生方を大募集中です!
ぜひ見学にいらして,自分の目でみてご評価いただけましたら幸いです.

2010年5月24日月曜日

研修医だより第二巻(第一号)掲載!

さいたま赤十字病院で初期研修医・後期研修(レジデント)を考えている学生・研修医の皆さまむけに、毎回丁寧に作られている「研修医だより」

最新版がさいたま赤十字病院公式WEB SITEから参照できるようになっておりました。

http://www.saitama-med.jrc.or.jp/iryou/pdf/Resident_news2-1.pdf
(上記URLで研修医だよりPDFファイルに移動します)

さいたま赤十字病院での、研修風景がいろいろと垣間見える良い内容かと思います。

皆さま是非ご参照ください。

実際に、さいたま赤十字病院での研修を希望される皆様は、ぜひ今現在研修中の先生方に直接お話を聞く機会を持って頂くことをお勧めさせていただきます。

研修始めてから、「こんなはずではなかった・・・」と後悔しても始まりませんから、
学生・初期研修医のうちに、いろいろな研修施設の見学をされて、さいたま赤十字病院との比較をいぜひおこなってみてください。

それでも、やはり「さいたま赤十字病院がイイカモ」と思われたらそれは本当に良い選択なのかもしれませんね。

下記病院見学のご案内を公式WEB SITEから転記させていただきます。
「さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログを見て問い合わせしました」とお伝えください。

☆病院見学のご案内

当院における初期臨床研修の実際を知っていただくため、また当院での研修の良さを理解していただくために、是非病院見学に来ていただきたいと考えています。見学に来ていただければ研修医と直接話をする機会を設けます。

見学は随時受け付けていますので、ご希望のかたは直接ご連絡ください。お待ちしています。
【申し込み方法】

氏名・フリガナ・大学名・学年・携帯電話番号・メールアドレス見学希望日・見学希望科(原則1科)を明記し、人事課まで申し込みをしてください。

*内科は、消化器科、呼吸器←注目、血液、糖尿病内分泌、腎・膠原病の臓器別となっています。

問い合わせ先

さいたま赤十字病院 人事課

TEL:048-852-1111(内線2213)

E-mail

jrc.sh-jinji@jcom.home.ne.jp
 
多数の学生・研修医の皆さまの来院をこころからお待ち申し上げております。

2010年5月23日日曜日

B型肝炎ウイルスワクチン~世界ではどうなっているのか?

「感染症診療の原則」というブログに、世界のB型肝炎ウイルスワクチン事情と、
B型肝炎ウイルス感染症(とその周辺)について、詳細に記述がありました。

下記URLで、「感染症診療の原則」ブログにつながります。
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/83bbc7e5eb1a18939eb68e7f052d2622

非常にわかりやすく、B型肝炎ウイルスワクチンとその周辺の世界情勢を解説くださいっております。

ご一読していただけましたら、B型肝炎対策をどのようにしていけばいいか?
が自ずとみえてくるのではないでしょうか?

臨床感染症講義・総論・抗菌剤スライド

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者が、院内で初期研修医の先生方向けにお話させていただきました講義のスライドを下記アドレスからご参照いただけるようにいたしました。

皆様ご参照いただき、いろいろとコメント欄にご意見いただけましたら幸いです。

臨床感染症講義・総論・抗菌剤
http://docs.google.com/present/edit?id=0AZrC10M88QpzZGd3dmNzaGNfMTE0OW5ocXRjcGZ2&hl=ja

上記URLでスライド参照が可能です。

多数のご意見をお待ち申し上げております。

世界初のがん予防ワクチン~B型肝炎ウイルスワクチン~

日本のワクチン業界は、今「子宮頸がん予防ワクチン」といろいろなところで記載されている


ヒトパピローマウイルスワクチン:「HPVワクチン」の話題が一番盛りあがっているのでしょうか?


「子宮頸がんワクチン」というインパクトのある呼称で、いろいろと普及に勤めたり、公費での接種に結びつけたりする努力をされているようです。


http://cervarix.jp/index2.aspx
(上記でグラクソスミスクライン社のサーバリックスWEB SITEにつながります)


「がん発症を予防するワクチン」としては、実は、10年以上も前から、有効性が確率されているワクチンがあります。


「世界初のがん予防ワクチン」であり、しかも10年以上も前から「日本」で使用されていたワクチンがあるなんて皆様御存知でしたか?


それが、「B型肝炎ウイルスワクチン」なのです。


世界初のがん予防ワクチンは、WHOのWEB SITEにその記載があります。


http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs204/en/
(上記URLでWHOのB型肝炎WEB SITEに接続します)


以下WHO WEB SITEからの引用です。


ポイント
Hepatitis B is a viral infection that attacks the liver and can cause both acute and chronic disease.
B型肝炎はウイルス感染症で、肝臓を障害する。そして、急性もしくは慢性の病態双方をもたらし得る。

The virus is transmitted through contact with the blood or other body fluids of an infected person - not through casual contact.
B型肝炎ウイルスの感染経路は?
  ・血液、体液の接触をとうしての感染で、カジュアルな接触では感染しない

About 2 billion people worldwide have been infected with the virus and about 350 million live with chronic infection. An estimated 600 000 persons die each year due to the acute or chronic consequences of hepatitis B.
20億人のヒトがB型肝炎ウイルスに感染した既往があり、3億5千万人が慢性感染状態にあると推定。毎年60万人が急性or慢性のB型肝炎感染に基づく原因で死亡されていると推定される。

About 25% of adults who become chronically infected during childhood later die from liver cancer or cirrhosis (scarring of the liver) caused by the chronic infection.
小児期にB型肝炎に感染した慢性感染状態の方のウチ、25%の方々が後に肝臓がんや肝硬変症などで死亡される。

The hepatitis B virus is 50 to 100 times more infectious than HIV.
B型肝炎ウイルスはHIVよりも50~100倍感染しやすい。

Hepatitis B virus is an important occupational hazard for health workers.
B型肝炎ウイルスは医療関連労働者の職業感染症として重要である。

Hepatitis B is preventable with a safe and effective vaccine.
B型肝炎は「安全」で「効果的」なワクチンにより予防が可能な疾患。

Hepatitis B is a potentially life-threatening liver infection caused by the hepatitis B virus. It is a major global health problem and the most serious type of viral hepatitis. It can cause chronic liver disease and puts people at high risk of death from cirrhosis of the liver and liver cancer.
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる潜在的に生命の危険性をもたらす肝臓感染症である。
世界的に主要な健康問題で、最も重大なタイプのウイルス肝炎である。
B型肝炎ウイルスは、慢性肝疾患の原因となりえ、人々を肝硬変症や肝臓がんによる「死亡」のリスクへと導く原因となりうるのである。

Worldwide, an estimated two billion people have been infected with the hepatitis B virus (HBV), and more than 350 million have chronic (long-term) liver infections.
世界中で、20億人がB型肝炎ウイルスに感染していると推定されており、3億5千万人以上が(長期の)慢性肝感染状態にあると推定されている。

A vaccine against hepatitis B has been available since 1982. Hepatitis B vaccine is 95% effective in preventing HBV infection and its chronic consequences, and is the first vaccine against a major human cancer.
B型肝炎ワクチンは1982年から利用可能となっている。
B型肝炎ウイルスワクチン接種により、95%がB型肝炎感染症そのものや、引き続き生じてくる満千的な病態を予防することが可能であり、
「主要なヒトのがんに対する最初のワクチンである」

HIVよりももっと、ず~っと感染しやすいウイルスであるB型肝炎ウイルス。

しかも、ワクチンが1982年にはすでに開発され、10年以上も前から日本でもこのワクチンが使用可能となっていたことを皆様御存知でしたでしょうか?

いまも日本中で、B型肝炎ウイルス感染から長い年月を経て発症する肝硬変症・肝臓がんへといたる患者さんが多数いらっしゃいます。

その原因となる「B型肝炎ウイルス」に感染することを予防するワクチンがあるなら、それを国が責任を持って国民全てに接種するのが、本当のB型肝炎対策の基本なのではないでしょうか?

WHOもしっかりと「安全性」「有効性」を示しているB型肝炎ウイルスワクチン。
皆様、是非この機会にまずは、「B型肝炎」は『ワクチンで予防可能な疾患』である事実を認識してください!

子宮頸がんワクチンとして、「HPVワクチン」を公費接種する動きがありますが、それよりも優先して「B型肝炎ワクチン」を先に公費接種するべきだとさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は考えております。
(もちろんHPVワクチンも公費接種できれば理想です)

一般の方々はもしかしたら、お怒りになるかもしれませんが、医師や看護師などの医療従事者の大多くはすでに「B型肝炎ワクチン」を接種されております。
なぜ、医療従事者が一般の方々にB型肝炎ワクチン接種を推奨しないのか研修医の頃から疑問に思っておりました。
自分たち医療従事者だけが、B型肝炎ワクチンの恩恵に預かっていていいのか?
広く一般市民の皆様にもB型肝炎ワクチンのメリットが享受できる時代が速やかに訪れることを希望いたします。

医師賠償責任保険

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は、「勤務医」というカテゴリーに入る医師です。


医師としての業務中の、患者さんに何らかの不利益が生じたときに、それが「民事訴訟」という手続きで損害賠償の責任を問われる可能性があります。


その際の、賠償額を、医師個人に代わって支払っていただくのが「医師賠償責任保険」なのかと思っております。(間違ってましたらコメント欄にお願いいたします)


今回、その更新をおこなったのですが、大事な記載があるのをあらためて確認いたしましたので、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様にもコッソリ?お伝えいたします。


ちなみにブログ作者が入っている保険会社は「損保ジャパン」です。


医師賠償責任保険をご契約いただく皆様へ「重要事項等説明書」より


8.保険金をお支払いできない主な場合


①被保険者または保険契約者の故意によって生じた賠償責任
  ある意味アタリマエかと思います。故意に障害を発生させて保険金請求はできませんね。


②戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動(群衆または多数の者の集団の行動によって、全国または一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持上重大な自体と認められる状態をいいます)に起因する賠償責任
  上記のように日本がなったら世も末かもしれません・・・医師も命の危険が及ぶ状態でしょうか?


③被保険者の使用人が被保険者の業務に従事中に被った身体の障害によって生じた賠償責任


④被保険者と世帯を同じくする親族に対する賠償責任
  お医者さんが身内を診療できない(しにくい)理由のひとつかと思います。
  たとえば、自分の子供の手術をして、なんらかの賠償責任が発生するような場合、自作自演の可能性が問われるかもしれませんね(保険金詐欺など)


⑤被保険者が所有、使用または管理する財物の損壊について、その財物に対し正当な権利を有する者に対して負担する賠償責任
 モノに対する賠償は保障できないみたいですね


【特約条項における保険金をお支払いできない場合】
①海外での医療行為による事故の場合
 海外で働かれる先生方は要注意でしょうか?働く国別に保険加入するのも大変ですね


②美容を唯一の目的とする医療に起因する賠償責任
 美容外科などは、賠償されないのでしょうか?


③医療の結果を保証することによって加重された賠償責任
 「私に任せておけば大丈夫!」などといっては決していけないんですね・・・
 結果はわかりませんよ。。。うまく行くか失敗するか・・・と説明しなければいけないんでしょうかね


④名誉き損または秘密漏えいに起因する賠償責任
 これは結構しらない先生方いらっしゃるんではないでしょうか?
 個人情報の漏洩で発生した患者さんへの賠償責任は保証されないみたいですね・・・

以上が保険金が支払われない主な場合のようです。

上記は重要事項等説明書のホンノ一部です。実際にはもっと分量のあるものとなっております。

大事な内容が含まれていますから、皆様是非ご自分の契約されている保険について確認されてみてはいかがでしょうか?

医師の皆様、しっかりと医師賠償責任保険の契約内容を確認されてから契約されていますか?

もし、確認あまりされていないようでしたら、是非この機会に確認されることをおすすめいたします。

イザというときは、いつくるかわかりませんからね・・・

2010年5月22日土曜日

送別会


今日は、さいたま赤十字病院呼吸器内科の前部長竹澤信治先生の送別会でした〜
これまでさいたま赤十字病院呼吸器内科にご縁のある皆様が多数いらっしゃいました
皆様ありがとうございました!

上記写真ブレすぎのため、近日中に写真頂いてupしなおします・・・

2010年5月19日水曜日

平成23年度さいたま赤十字病院呼吸器内科レジデント見学者募集!

気が早いと言われそうですが、

来年度平成23年度のさいたま赤十字病院呼吸器内科レジデント希望の先生方、随時見学可能ですので是非お越しください。

埼玉県内で、呼吸器内科医が7人いる、一般市中病院はそれほどないのではないかと思います。

さいたま赤十字病院は、「3次救急医療機関」であり、かつ「がん拠点病院」という特殊性を生かして、呼吸器内科診療を行っております。

近年はやや、「呼吸器悪性腫瘍」患者さんが多くなっておりますが、救急医学科とも連携させていただき、重症肺炎患者さんのICU離脱後なども診療させていただいております。

呼吸器内科医を目指したときに、どのような施設で研修されるのが、自分にあっているのかは先生方次第なのですが、さいたま赤十字病院呼吸器内かは、「悪性腫瘍」「救急・ICU」「喘息・アレルギー」「感染症」「人工呼吸管理」など、あらゆる分野を勉強使用と思えばできる環境をご提供できると考えております。

院内他診療科での、短期研修も可能ですので、呼吸器内科以外の分野の研修追加も可能です。

スタッフ7人中3人が女性医師のため、女性が働きやすいシステムの構築も呼吸器内科部長自ら率先してがんばっておられます。

都内の呼吸器系の勉強会にも参加しやすい環境で、自ら勉強しようと思っている先生方の「邪魔」をすることは決してありません。

ただし、大学病院や呼吸器センター病院のように、各分野にスペシャリストがいるわけではありませんので、自分の力で勉強する努力は必要となります。

WEB上には、「良いこと」ばかり書いてしまいますので、是非皆様の眼で実際のさいたま赤十字病院呼吸器内科をご覧になってください!

多数の皆様の見学を心からお待ち申し上げております。

見学申し込み時には、「さいたま赤十字病院呼吸器内かブログを見て」とお願い致します。

☆問い合わせ先

     さいたま赤十字病院 人事課
       TEL:048-852-1111(内線2213)

     E-mail: jrc.sh-jinji@jcom.home.ne.jp

2010年5月16日日曜日

見た目にダマサレナイ

美味しそうな大福餅ですね〜

と言われそうな和菓子の写真ですが、この一見大福餅に見えるのも以前ご紹介させて頂きました塩あんびんです!

どんな物事も、先入観や偏見無しで向き合うのはなかなかムズカシイものです

でも今まで見慣れた物事でも先入観や偏見を敢えて捨てて見直してみると、意外な発見が有るのかも知れませんね

偉大な発見と言うのは案外身近なところに隠れているものなのかも知れませんね

2010年5月11日火曜日

あそび心

病院と言う所で日々患者さんと真剣に向き合っていると、それなりに精神力を消耗するものです。

たまには仕事以外の場所でのうまい息抜きも大切かと想います

ただ、なかなか病院の外に行くのはムズカシかったりもしますね

そんなとき、上記写真のようなオブジェ?が置いてあるのを拝見すると嬉しくなりませんか!

誰が置いて頂いたのか存じ上げませんが、その遊び心に感謝します

見学にいらっしゃる学生さんや研修医の皆様。どこに有るのか是非探して見てくださいね〜

2010年5月8日土曜日

きびだんご

岡山土産にきびだんごを頂きました

きびだんごを食べて鬼退治にでも行きましょうか?

どこの鬼を退治しましょう?

とりあえず自分の心の鬼でも退治しに行きますかね〜

反面教師

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は「反面教師」って言葉をしっているでしょうか?

ブログ作者は、「反面教師」という言葉を、研修医の頃に聞いてそれ以降よくわからないまま好んで使用しておりました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/反面教師
(ウィキペディアの「反面教師」の説明)

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=反面教師&stype=0&dtype=0
(Yahoo辞書の簡単な説明)

この4月から、さいたま赤十字病院でも新人の皆様が多数いらっしゃったわけですが、1ヶ月過ごしてみて、いかがでしたでしょうか?

初期研修中は、いろいろと新しいことばかりで大変かと思います。

指導医に「恵まれた」とか「ハズレだった・・・」とかいう言葉もそろそろ聞こえてきそうな時期かな?と思います。

どんな世界でも、なんでも知っていて、完璧に「教えてもらう」なんて環境はそうそうありません。
(そもそも「勉強」とは教えてもらうものではなく、自ら進んで「学ぶ」ものなのですからね)

医師の世界なんて、近年専門領域が非常に細分化されてきていますから、専門以外の領域について「知らない」ことなんてよくあることなのかもしれません。

ただ、「知識」の面については、自分で「調べる」ことをすれば、現在のインターネット社会ではそれほど「困る」ことはないのかもしれませんね。

「技術」についても、経験をつんでいけばそれなりに身につくものかと思います。
あせる必要は無いものですね。

初期研修の「最初」に指導医から「学ぶ」必要があるのは、おそらく「知識」「技術」という面よりも「姿勢・態度」の面が非常に重要なのかな?とさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は考えております。

初期研修の最初の時期に「知識」「技術」をみにつけたいと思うのは当然ですし、そういった事の方がなんか「成長」している実感があり、うれしいことなのかもしれません。

でも、ホントウにみにつけなければいけないのは、どのように「目の前」の患者さんにアプローチしていくのか?という「姿勢・態度」やその「思考過程」そのものなのかと思います。

「レントゲンが読める」とか、「心電図がワカル」とか、そういった枝葉の事柄なんかよりも、もっと「先」に身につけることが必要なことがある気がするのです。

患者さんへの「アプローチ」の方法や、「姿勢・態度」「思考過程」については、おそらく教科書をよんでも身につかないのではないかと考えております。

指導医の患者さんに接する「姿勢・態度」を診たり、その「思考過程」を追っていくことではじめて学ぶことができるのではないかと思っております。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者のような、できの悪い「指導医」なんかは、患者さんへのアプローチの仕方が「マズイ」場合もしばしばあったりします。。。

指導医皆が『尊敬』に値する「姿勢・態度」で患者さんに接しているかといえば、なかなか疑問なんではないでしょうか?

また、患者さんへのアプローチ・思考過程についても、「とりあえず、検査『一式』やっておいて~!」
的な、「地引網診療」になっている「指導医」の皆様もまだまだいてしまうのかもしれませんね。

http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/be2f96605f33f428c4d6d47a524d1431
(感染症診療の原則「地引網診療 してますか?」)

研修医の皆様は、こういった「ちょっとマズイ」アプローチをされている指導医に、その場で「おかしいんじゃないですか?」と意義を唱える必要はありません。

指導医の気分を損ねることはないからです。

でも、「ああいったアプローチは、よくないんではないか?
『反面教師』にして自分は違うアプローチをしよう・・・」
と、心の中で思ったり・考えたりしていれば、自ずとどんな指導医からでも「学ぶ」ことができてしまうのです!

非常に大事なことなのですが、一度マズイ・理想的でない姿勢・態度・アプローチ・思考過程がみについてしまうと、その状態から完全に「抜け出すこと」はなかなかムズカシイものなのです。

だから、初期研修の最初の時期に、それなりの「姿勢・態度」アプローチの仕方を身につけておかないと「大変なこと」になってしまうのです。

「あ~~あ・・・ハズレの指導医にあたってしまったな・・・」と思っているそこの研修医の皆様。

そう思った指導医でも、「反面教師」という裏ワザで、「ハズレ」の指導医を「理想」の指導医に変えて有意義な研修生活をおくってくださいね。

2010年5月3日月曜日

感謝の心

病院というところは、いろいろな「病気」を持つ方々(もしくは、病気を心配されている方々)が集まる特殊な空間です。


「自分の体は大丈夫だろうか?」と心配されていらしたり、また、自分の「意思」とは「無関係」に救急車で搬送されてきてしまったり・・・


いろいろな理由・事情で「病院」という特殊な環境にいらっしゃるのではないかと思います。


そもそも「病気」なんかに縁が無い方が通常「幸せ」なわけですから、健康な生活を送っている時にはあまり「病気」のことなんて考えない方々も多いのではないかと思います。


普段、「健康」なときには、それほど考えなかった「病気」の事。でも、一度「病気」になると話はガラっと変わっていきます。


「自分は重症なのではないか?」とか、「自分はうまく治療できるんだろうか?」などなど・・・


健康な時には思いもよらなかった「不安」や「迷い」などの「心配事」が怒涛のごとく自分の「心」に押し寄せてくるものなのです。


自分で体験しないとなかなかわからないことなので、これまで健康な人生を送られてこられた皆様にはなかなか理解しづらいことかもしれませんが、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は「医師」となる前に何回か入院したり、手術したりした経験があるため、病気になったときの『不安感』というものがどういったものであるかということをある程度理解しているつもりです。


この病気からくる『不安感』というものは、時として同じような患者さんの「行動」に反映されることがあります。


それは、「自分だけは『特別扱いしてほしい!』」という願望からか、お医者さんや看護師の皆様などへ、「贈り物」をするという行動にでられる方々がいらっしゃることです。


「贈り物」をする行動の背景には、「他の患者さんとは『違う』対応を私にはしてください!」という言外の意味合いが込められているのかな?と思いますが、実際にはそういったことはあまり有効には働きません。


そもそも、「特別扱い」というのをどのように考えるかです。


たとえば、「あの患者さんのところには、お医者さんも、看護師さんも頻回にくるけど、どうして私のところにはそれほどこないの?という疑問を持たれている患者さんもいらっしゃるかもしれません。


通常は上記疑問の「答え」は「患者さんの病状によってスタッフが訪れる回数が変わる」というのが正解です!!


「生命の危険がせまっている患者さん」のところに、頻回に訪れるのは皆様にもご理解いただけるかと思います。


決して「贈り物」があるからとかそういう理由ではないのです。。。


もし患者さん方が、「特別扱いして欲しい」からではなく、純粋な「感謝の心」から、贈り物をしようと考えられているなら、その「心」はとてもありがたいものです。


患者さん方に、「贈り物」以外に、どのようにしたら「感謝の心」を表せるか?というとてもお医者さんらしいお願いをしたいと思います。


それは、「初期研修医」や「若手看護師」などの、経験値の少ない若手スタッフを温かい眼で見守っていただくことなのです。


「私はベテランのお医者さんや看護師さん以外はお断りします・・・」


なんて言われると、若手のスタッフは皆、萎縮してしまって、「経験値」をつむことができなくなってしまいます。


みんなだれでも、「初心者」の時期があります。


その時期に患者さんが十分に優しい心で受け入れていただけたら、それこそ一番の「感謝の心」の表現の仕方なのではないでしょうか?


医師や看護師になりたてのころに、患者さんからいただいた優しい「感謝の心」はその後の医療従事者の人生をとても豊なものにするに違いありません。


逆に、その大事な初心者の時期に、患者さんから冷たくされれば寂しい医療従事者となってしまうのかもしれませんね。。。


さいたま赤十字病院は、お医者さんや看護師さんになりたての方々が「研修」する病院となっております。


温かいお心で、若手スタッフの「診療」・「教育」に皆様のご理解・ご協力をおねがいいたします。


さいたま赤十字病院呼吸器内科に受診・入院された患者さんで、私どもに「感謝の心」をお示しになりたい皆様は、「贈り物」以外の方法でその「心」をお示しいただけましたら幸いです。