2009年10月30日金曜日

感染症・化学療法学会合同東日本地方会

本日と明日は感染症関連の学会で勉強させていただいております。

こういった勉強させていただけるのもさいたま赤十字病院呼吸器内科の他のスタッフの皆様の協力があって始めて可能なのです。

学会や勉強会に参加できる幸せを十分に認識してしっかりと勉強させていただきますね!

写真は学会会場の東京ドーム周辺の夜景です

2009年10月28日水曜日

第58回日本感染症学会東日本地方会学術集会

今週末、2009年10月30日金曜日、31日土曜日は

第58回日本感染症学会東日本地方会学術集会+第56回日本化学療法学会東日本支部総会の
合同学会開催です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科からも1演題発表させていただきます。
さいたま赤十字病院呼吸器内科レジデントのエースが発表予定です。

演題名:Rhodotorula mucilaginosa菌血症の1例

聞きなれない菌名かもしれませんが、酵母様真菌の一菌種です。

コロニーがピンクっぽい特徴的なものなので、サブロー培地でコロニーを観察すると、プロの眼ではすぐに推定できるそうですが、ブログ作者の眼では、わかりませんでした。

担癌患者さんや、免疫不全状態の患者さんで、CVカテーテル挿入中にカテーテル血流感染症の形で発症することの多い真菌だそうです。

死亡率は12-14%程度、しかし、真菌性眼内炎を発症すると高率に失明にいたる怖い菌種です。

抗真菌薬の選択には注意が必要で、皆様がしばしば使用される「アゾール」や「キャンディン」系の抗真菌剤は無効なことが多いみたいです。

(アゾール系:フルコナゾール、ミコナゾール、ボリコナゾールなど)
(キャンディン系:ミカファンギン、キャスポファンギン、アニデュラファンギンなど)

そこで、Rhodotorula Spp.を考慮した場合には、アンホテリシンBが使用されます。
文献上も多くがアンホテリシンBで治療されており、in vitroでの薬剤感受性も良好です。
現在日本でも、リポソーマルアンホテリシンBが使用可能となっておりますので、治療薬としてはこちらが主流となるでしょうか。

注意点は、CVカテーテル血流感染での真菌感染症が多いため、エンピリックに使用される頻度の多い「ミカファンギン」や「フルコナゾール」が無効の可能性が高い点ではないかと思います。

血液培養で酵母様真菌が検出されたら、それは非常事態です!!必ず、最終菌名の同定まで心がけるように努力いたしましょう!!

興味のある方、お時間の許す方はは是非、私どもの演題発表を聞きにきてください。
皆様のご意見をいただければ非常に勉強になるかと思います。

2009年10月27日火曜日

医療の限界

さいたま赤十字病院呼吸器内科の読者の皆様は、以前のアンケート結果から、「患者」の皆様や「患者家族」の方々、医師や研修医、その他医療従事者の皆様などさまざまな職業・立場の方々であると思います。

皆様方がそれぞれの立場で「医療」に対する「思い」や「信念」「希望」「絶望」などいろいろなことを感じていらっしゃるのではないかと思います。

ブログ作者は最近は「医療の限界」を常々感じている次第です。

医療は「万能」ではない。アタマではわかっているつもりでも、現実を突きつけられると、医療従事者としては「無力感」を感じざる終えないのも真実かと思います。

若手の医療従事者の方々は、おそらく「医療」に「希望」「願望」を見出すことに努力されているかもしれません。
また、「患者」の皆様も、医療に自分の生きる「希望」をかけていらっしゃるかもしれません。

しかし、現実には、多くの医療従事者が医療に「絶望」を感じる場面があるのではないかと思います。

目の前の「患者」の皆様に対してどうすることもできない事態.
長年医療従事者をやっていると誰しもそのような経験をされているのではないかと思います。

医療従事者は決して「神」ではないのです。
自分自身の実力を十分に把握して、絶対に「無理をしない」ことが求められます。

自分の能力を大きく超えたことをしようとするときに、ヒトは大きな過ちをすることになるのではないでしょうか?

ただし、日々の努力により、自分の能力のレベルアップをはかることは最低限必要ではないかと思います。
「昨日」知らなかったこと、できなかったことが、「今日」ひとつでも知ること、できることになれば、その積み重ねにより日々進歩していくことができると信じております。

医療従事者は一生勉強の日々である所以はこのようなところからきているのではないかと常日頃考えております。

自分自身が提供できる「医療の限界」は「自分の限界」によって規定されております。
自分の能力のレベルアップ以外には提供できる「医療の限界」は拡がりませんね。

2009年10月23日金曜日

胃ろう増設

さいたま赤十字病院呼吸器内科では胃ろう増設を自分たちで行っております。

もちろん、消化器内科の先生方や内視鏡室スタッフの皆様のご協力をいただいて行っておりますが、自分たちで、胃ろう増設術を行っている呼吸器内科グループはそれほど多くないのではないでしょうか?


さいたま赤十字病院では上記写真の内視鏡を使って胃ろう増設を行うキットを使用して胃ろう増設を行っております。


呼吸器内科でなんで胃ろう増設術やるの??という疑問があるかもしれませんが、近年、とても


「誤嚥性肺炎」の症例が増加しており、そういった方々については、経口での栄養摂取よりも、胃ろうからの径管栄養のほうがベターなことも多いためです。


経鼻胃管からの径管栄養の方法もありますが、これでは、「自己抜去」のリスクや、チューブが「気管・気管支」内に挿入されてしまうリスクなど、危険性が多いため、あえて胃ろうからの径管栄養を選択いたしております。


呼吸器疾患では、多くの方々は消化管は正常なことが多いため、なるべく末梢・中心静脈ラインは入れないに越したことがありません。
カテーテル血流感染症の極意は「カテーテルを体内に入れないこと」byDr。青木
というのが、本当だと思います。


なるべく、末梢も中心静脈もラインを使わないようにする方法のひとつは「胃ろう」からの「径管栄養」ではないかと考えております。


ちなみに、私どもの本業は「呼吸器内科」ですので、他院からの「胃ろう増設術」依頼は全く受け付けておりませんのでご了承ください。

レプトスピラってしってますか?

レプトスピラ症は、Leptospira interrogans
という細菌によって生じる感染症です。

ネズミなどの尿中にいる菌で、それが何らかの原因で人体に感染を生じるとレプトスピラ症を発生する可能性があります。

重篤になると、肝腎障害が生じ、重症度によっては命にかかわる可能性もあります。

また、レプトスピラを疑わせる病歴の聴取が大切で、ネズミにかかわるような生活歴・職業歴については十分に聴取する必要があります。

治療は、ペニシリン、セフトリアキソン、ドキシサイリンなどで治療されます。

そんなレプトスピラ症がフィリピンで広まっているというニュースです。


フィリピン:台風後に疫病、148人死亡

(毎日.JPより。いつも大変お世話に張っております)
「レプトスピラ症は発熱などを伴い、重症の場合は肺出血などを起こし死に至る。台風による洪水で住宅街に流れ込んだゴミや汚泥が放置され感染が拡大。保健省は16日、拡大防止の臨時ガイドラインを発表したが、21日までにマニラ首都圏だけで1963人が入院した。同国は先月末に台風16号、今月初旬に台風17号で計765人が死亡。現在も10万人が避難生活を送る。」

各国の衛星状態などに左右される感染症。世界中では、今も多くの感染症で悩み苦しんでいる人々がいることを忘れないようにしないといけませんね。また世界に旅行に出かける時には、必ずその地域で流行している感染症情報に十分注意するようにしてくださいね。

(レプトスピラ症の詳細情報のWEB SITEです)

ケータイ電話から見やすくなりました!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様

本ブログはgoogle bloggerで作成されておりますが、本日からケータイ電話からのブログ参照が以前よりも格段に見やすくなっております。

特別な変更はしていないため、google bloggerの変更により、ケータイでの参照がしやすくなっているのではないかと思います。

皆様、通勤通学などのときにでも、ケータイ電話からもぜひご参照ください。

今後ともさいたま赤十字病院呼吸器内科ブログをよろしくお願いいたします。

                       さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ管理人

2009年10月22日木曜日

パンデミックワクチン

新型インフルエンザワクチン接種が医療従事者向けに開始されました。

写真の左赤い方が新型インフルエンザワクチンの外箱、右側青い方が季節性インフルエンザワクチンの外箱です。

新型インフルエンザワクチンの外箱にはパンデミックワクチンと記載されております。

やはり今回の新型インフルエンザはパンデミックインフルエンザという認識なのでしょうかね?

2009年10月21日水曜日

抗菌剤の乱用のツケはおいくら!?耐性菌は高くつくお話

リニューアルした最新医療ニュース。

今回はキーワードの一部を英語としたことで、海外での医療ニュースも提供されるようになりました。

そんな、最新医療ニュース(感染症)でみつけたニュースです。

Study: Antibiotic-resistant infections cost U.S. $20 billion annually

「毎年抗菌剤の過剰使用により、医療関連コストが20億ドルも増加!!米国」
(HEALTHCARE FINANCE NEWSより)

「MRSAやVREのような抗菌剤耐性菌により、米国での医療関連コストが1年間で20億ドル増加している。最近の研究結果より、医療従事者の抗菌剤の乱用により、この問題が生じていることがわかった。

研究者は、抗菌剤耐性菌関連医療コストは1患者あたり、18588ドル~29069ドルかかったとしている。また、耐性菌感染により、病院滞在日数が6.4~12.7日延長した。このような患者による病院医療コストは、全体で10.7億ドル~15億ドルかかっていると概算される。

さらに、この研究では、抗菌剤耐性菌感染症により6.5%の超過死亡が生じ、耐性菌感染症が無い場合よりも死亡率は2倍以上高くなると結論づけた。

"These costs will only continue to increase if we don't amend our behavior and practice a more prudent usage of antibiotics."
「我々が、抗菌剤の使用をより慎重にするような行動改正をしない限り、(抗菌剤耐性菌関連の)コストは増え続けていくだろう」

The study is published in an Oct. 15 issue of Clinical Infectious Diseases.

WEB SITEの一部を日本語にしました。

抗菌剤耐性菌問題は、アメリカでも大問題化と思いますが、アメリカらしいのはコストをしっかり意識しているところでしょか?
本文の最後の方にもあるように、抗菌剤を処方する「医師」の考え方・行動を”改革”していかないと、大変なことになりそうです。

2009年10月20日火曜日

抗菌剤耐性菌問題の未来

抗菌剤の開発の歴史は、新たな耐性菌出現の歴史でもあります。

ペニシリンが発見されて数年で、ペニシリン耐性ブドウ球菌が出現したとされているようですし、現在まで、新たな抗菌剤が開発されても、何年後(もしくは1年以内?)にはその抗菌剤に対して耐性菌が出現するという残念な結果となっております。

そういった、抗菌剤をめぐる世界情勢を考慮されたのか、ノーベル賞化学賞のニュースです。

英米の3氏にノーベル化学賞 リボソームの構造解明

(産経ニュースWEB SITEより)

「既存の抗生物質に対して耐性を獲得した菌の出現が深刻な脅威になっている。3氏の研究で薬剤耐性菌に関する理解が飛躍的に深まり、次世代の抗生物質の開発に向けてさらなる研究の発展が期待されている。」(「」内引用です)

こういった基礎研究にノーベル賞を授与されるのは、世界中での抗菌剤耐性菌研究の励みになるのではないでしょうか?

耐性菌関連のニュースで、きになるWEB SITEがあったので、紹介します。

「薬剤耐性菌が抗生物質関連製品の収益を衰退させる」
(DREAM NEWS WEB SITEより)
抗菌剤耐性は最初1950年頃にペニシリンについて発見されました。しかし新たな薬剤が発見され上市される割合をはるかに超える警告段階にまでこの問題は深刻化しています。そのため、既存の抗生物質の効能の維持が医療の保護にとって重要であると同社では述べています。
「処方される抗生物質の半数ほどが不要であり、抗生物質がすべてのものを治療し有害ではないという誤った情報によって今なお存在しています。」
「多くの病院では救急室で感染の存在が確認できない場合は第3世代のセファロスポリンを用いています。しかしその多くの場合において効能はなく、耐性のある細菌を増やしてしまうという新たなリスクを生んでいるのです。」」「」内引用です。

上記記事は非常に怖い内容が書かれていますが、実際に世界で「耐性菌の脅威」が広がっているのは事実です。

なので、抗菌剤の適正使用をブログ作者は切に望みます。

地道な努力の積み重ねが『抗菌剤耐性菌問題の未来』を明るいものにするのかもしれませんね。

2009年10月19日月曜日

肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」再接種可能か?

こちらも、とりあえず未確認です。

肺炎球菌ワクチン、再接種認める方針 厚労省、インフル重症化回避

(上記URLでNIKKEI NETにつながります)

肺炎球菌ワクチンについては、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログで何回も取り上げさせていただきました。

これまで、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)を接種したほうがよいのだろうなあという患者さんがいらしても、一生に一度しか接種できないということを考えて、勧めるのを躊躇したり、接種するのをためらわれたりという問題が生じておりました。

それが、公式に再接種可能となれば、とても喜ばしいことです。

事実現在も、肺炎球菌ワクチン接種5年経過後に再接種している医療機関もあるとかいうお話をお聞きしております。(特に問題はないようです)。

後付でも、公式に5年後再接種を認めていただければとてもありがたいのは事実です。

今あるパンフレットは、もう使えませんね。これだけが心残りです(せっかく沢山取り寄せてたのに)

「季節性」と「新型」インフルエンザワクチン同時接種可能か!

今のところ、まだ未確認ですが、どうやら「季節性」と「新型」のインフルエンザワクチンが同時接種可能と公式になるようです。

新型と季節性ワクチン同時接種可能に


(上記URLでTBSニュースサイトにつながります)動画もありますよ。

医療従事者の間では、不活化ワクチン(インフルエンザワクチンみたいに、感染のリスクが全くないタイプのワクチン)については、同時接種を行っても大丈夫なものがあることはよく知られておりましたが、残念ながら、「添付文書」様により、不活化ワクチンは多くが「1週間」間隔をあけてしか接種シチャダメというルールとなっておりました。

この、よくわからない「ルール」を打ち破る決定がされたのだとしたらとても喜ばしいことです!!

今年は、インフルエンザワクチンだけで、もしかしたら「4回」接種もあるかもと恐れられておりました。
(新型2回+季節性2回の合計4回)

でもこれで、医師と接種対象者の合意があれば2回~1回の接種でインフルエンザワクチン接種が終わるかもしれません。

これは、医療提供者・接種対象者ともに喜ばしいことではないでしょうか?

ただし、「副作用」については、同時接種の場合に、どちらが影響したのか?はわかりにくくなるかもしれませんが。

さいたま赤十字病院でも、この情報を確認でき次第、対応をすぐに検討します。

ただ、ちょくちょく変わることが多いため、対応する側のことも考えて欲しいとは思います。

最新ニュースガジェットを大幅リニューアル!!

自分で言うのもなんですが、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログが他の医療系ブログよりも優れている点は、googleのチカラを借りての「最新医療ニュース」が24時間更新されていることでしょうか?

しかも、世界中のニュースから「キーワード」に関連した最新ニュースを拾い上げてくれます。

ブログ作者も、「最新医療ニュース」ガジェットが一番役に立っております。

せっかく皆様の役に立つ(ハズ)のガジェットですので、この際右側ガジェットを「最新医療ニュース」で、埋めてみよう!と考え、実行いたしました。

・最新医療ニュース(医療全般)

・最新医療ニュース(呼吸器)

・最新医療ニュース(感染症)

・最新医療ニュース(肺癌・悪性腫瘍)

の4カテゴリーに分割させていただきました!!

皆様のご興味のある「キーワード」をクリックしていただくと、関連ニュースが見られます。

非常に便利な、「最新医療ニュース」ガジェット。皆様是非ご活用ください!!

また、「キーワード」は適宜追加・変更が可能です。こんな「キーワード」をいれて欲しいなどご要望がございましたら、コメント欄にご記入お願いいたします。

2009年10月18日日曜日

秋は医者が青くなる?!

秋は、気候がほどよく、食べ物も豊富に採れる過ごしやすい季節です。

そのため、昔から患者さんの数がとても少ない時期で、医者が儲からないから、秋は医者が青くなると言われたのでしょうか。

今年は例年と違う感じで医者が青くなっているのではないでしょうか?

今回の新型インフルエンザ騒動は必ず終わりがあります。

青くなっている医療業界の皆様もう少し頑張って耐えて下さいね

2009年10月17日土曜日

右側ガジェットアンケート中間報告!

今月のアンケートは「皆様のさいたま赤十字病院の認識は?」です。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログを見て頂いている皆様に、さいたま赤十字病院がどのように認識いただいているか?ということを教えていただきたくて今回本アンケートを作成いたしました。
これまでのところの結果は以下のとうりです。

今まで知らなかった。。。
3 (6%)
病院名どこかで見聞きしたことある
4 (9%)
よく知っている
19 (44%)
受診したことがある
11 (25%)
臨床研修病院として有名である
13 (30%)
救急病院として有名である
18 (41%)
癌拠点病院として有名である
19 (44%)
なんの特徴も無い。。。
0 (0%)
よくわからない。。。
0 (0%)

投票を変更する
現在までの投票数: 43
投票終了までの日数: 14

もう少し、知らなかったという方々がいらっしゃるかと思っておりました。(もしかしたらブログ作者や病院に気を使っていただいているかもしれませんが、率直に皆様の思ったとおりの選択枝を選んでいただいて結構です)
よく知っていらっしゃる方々が多いのは、さいたま市周辺地域の皆様や、さいたま赤十字病院の職員の皆様がよく見て頂いているからかもしれませんね。
病院の特徴的には?以外にも「癌拠点病院」が一番多いのですが、まだまだ「臨床研修病院」としての認知度は充分でないのかもしれません。

あと14日間、アンケート受付中です。右側ガジェット中断にありますので皆様是非ご協力をお願いいたします。

締め切りは10月30日!!さいたま赤十字病院呼吸器内科レジデント募集中!

来年度、2010年度のさいたま赤十字病院呼吸器内科レジデントの受験申し込みを現在受付中です。

以下上記WEB SITEからの引用です。

平成22年度後期臨床研修(レジデント)募集のご案内

さいたま赤十字病院では、卒後臨床研修制度として厚生労働大臣指定の臨床研修病院において2年間の初期臨床研修修了者を対象に、さらに専門分野のより高度な知識および技術を修得させることを目的としてレジデント制度を実施しており、下記のとおり平成22年度の募集をいたします。

1.応募資格

原則として医師法第16条の2に定める臨床研修を修了した方、もしくは平成22年3月末日までに修了見込みの方。

2.研修コース

(1) 専門コース・・・単独の診療科において3年間の研修コース

募集科:消化器内科・呼吸器内科・血液内科・腎臓内科・糖尿病内分泌内科・神経内科・循環器科・外科・乳腺外科・整形外科・呼吸器外科・産婦人科・眼科・救急部・麻酔科・病理部

(2) 短期コース・・・救急部または麻酔科において短期間の研修コース

3.募集人数

10名程度

4.研修期間

原則として平成22年4月1日から3年間

5.身分および処遇

(1)身分:常勤嘱託(1年間毎の契約更新)
(2)処遇:給 与

8,000,000円(諸手当含)/年 (1年次)
9,000,000円(諸手当含)/年 (2年次)
10,000,000円(諸手当含)/年 (3年次)
各種手当 時間外手当 当直手当
住居手当 通勤手当
賞 与
有 給 休 暇 労働基準法による
各 種 保 険 健康保険/厚生年金保険/雇用保険 加 入

6. 選 考 方 法

面 接
臨床研修中の業績
サマリー(入院)5部

7. 選考日及び場所

日 時: 平成21年11月(詳細については本人あて通知)
場 所 :さいたま赤十字病院 本館5階 会議室

8. 出 願 手 続 き

(1)出 願 方 法

1) ・郵送による出願は、(2)書類を一括して封筒に入れ、書留郵便にて提出して下さい。
・持参による出願は、休診日以外の午前9時から午後4時までに(2)書類を担当窓口(人事課)まで提出して下さい。
2)出願締切期日
平成21年10月末日頃を予定
3) 担当窓口及び宛先
〒 338-8553  埼玉県さいたま市中央区上落合8-3-33
さいたま赤十字病院 人 事 課 ℡ 048-852-1111
E-mail jrc.sh-jinji@jcom.home.ne.jp

(2)出 願 書 類
1) 平成22年度レジデント申込書 (pdf)
2) 医師免許証の写し
3) 臨床研修中の業績(別紙記載) ・ サマリー(入院)5部
4) 臨床研修修了証書または修了見込証書
(2ヶ所以上で臨床研修を行なった場合は、そのすべてについて提出して下さい。)
5) 推薦状
* 後日、受験票を本人あて郵送いたします。

(3)選考結果の通知
選考結果については、1、2週間後、郵送により通知いたします。
皆様、さいたま赤十字病院呼吸器内科レジデントに是非ご応募くださいね!!

1回接種に決定か?新型インフルエンザワクチン

医療機関は新型インフルエンザ患者さんの診療で、どこもあわただしい状況が続いております。

当初、10月19日から新型インフルエンザワクチン開始との、計画だったようで、その準備をさいたま赤十字病院でも進めてまいりましたが、いまだに新型インフルエンザワクチンそのものが入荷してないようです。

そんな中で、突然の「1回接種に変更か?」の話題です。

実は、報道などで皆様よくご存知かもしれませんが、「新型インフルエンザワクチン」については、他のワクチンと異なり、公定価格で、1回目接種と2回目接種の価格が決まっておりました。

今度は1回接種に変更というわけですから、また「価格」も見直しするのでしょうか?

そんなことしていて10月19日からワクチン接種開始なんてできるのでしょうか?

新型インフルエンザ:国産ワクチン、1回で有効 厚労省が治験結果公表


(毎日jpより)

「健康な成人200人に対して実施した。通常量(15マイクログラム)を皮下注射した結果、血液中で免疫として働く抗体の量が4倍以上上昇するなど、ワクチンの有効性を示す基準を満たした人が96人中72人(75%)で、ワクチンとして有効と評価される国際基準の40%を上回った。また倍の量(30マイクログラム)を接種した98人では86人(87・8%)に上った。」「」内引用です。

ここで、必ず注目してほしいポイントは、ワクチン接種しても「100%」の方々に有効な抗体ができるわけではない点です!!

通常量のワクチン接種で、75%の方々に有効な抗体産生が見られたという点がとても大事かと思います。

ということは、「ワクチンを接種したからと言って必ずしも、新型インフルエンザの免疫力が備わるわけではない」ということです。

それでも、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は「新型インフルエンザワクチン」を「推奨」させていただきます。

それはなぜか?

以前のブログ記事にも記載させていただきましたが、やはり「社会防衛」という面が大切だと考えるからです。

世の中には『新型インフルエンザワクチン』を接種したくても、何らかの理由で接種不可能な方々が多くいらっしゃいます。アレルギー体質があるとか、ワクチンの副反応が強くでる、そもそもワクチンを接種しても抗体ができない「免疫力の低下」された方々などなどです。

そんな「ワクチン接種できない方々」にも「ワクチン」は有効性を示す可能性が十分医あります。

それは、非常に多くの方々が「新型新型インフルエンザワクチン」を接種すれば、ワクチン接種できない方々の周囲の方々が新型インフルエンザに対しての「免疫力」を持ったヒトが増えるため、そもそも感染拡大がおきにくい「社会」を形成することができるかもしれないからです。

報道によると、2回接種で5000万人分用意するはずだったようで、1回接種にするとなんと1億人分の新型インフルエンザワクチン接種が可能なのだそうです。

実際には、1億人もの人々が接種するとはとても思えませんから(毎年そんなに多くの方々がインフルエンザワクチン接種してませんよね!)、あまった分は、ワクチンの恩恵にあずかれなかった国々の皆様に支援されればよいのではないかと思います。

新型インフルエンザは日本だけの問題ではありません。

世界での流行をなるべく早くに収束させることも、回りまわって日本の利益になることが簡単に想像ができるかと思います。

いずれくる「次」のインフルエンザ対策にもつながるように、世界中の人々の知恵と努力が求められるのではないかと思います。

ERでの心構えについて学びました


昨日2009年10月16日金曜日は、第6回若手医師セミナー2009が開催されました。

第5回はブログ作者の都合で参加できませんでしたが、今回は非常に興味深いお話をお聞きすることができました。

今回は福井大学の寺沢秀一先生の御講義でしたが、お話が非常にユーモアにあふれており、聴衆を飽きさせない工夫が随所に見られました。

居眠りするヒマを与えない講演の構成、話術は特筆すべきものでした(評論家みたいですが、ブログ作者はエラそうに評価する立場には当然ありません)

本日の学習内容は寺沢先生の御本の中に十分に網羅されているかと思いますので、皆様是非読んでください。



今回は、勉強そのものというよりも、当直や救急外来での「心構え」や対応の仕方、冷や汗をかく場面での対処方法などを、教科書ではなかなか伝えにくい内容をお話いただきました。

その中で”ERコントロール”という言葉は、救急医療に長年携わっていらっしゃる御経験から導き出された処世術なのではないかと思います。

ERコントロールとは?:ERでの患者さんの停滞時間をなるべく短く(且つ安全に)することで、マンパワーや医療資源に余裕を持たせる方法。常に、安全に省略可能な検査はないか模索し、必要最小限の時間で安全な救急医療が提供できるように配慮する姿勢のことかと思いました。

救急外来では、いろいろな「トラブル」や「見逃し」を回避するため、「検査漬け」となることが多く、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者も常日頃、検査三昧(中華三昧ではない)の救急外来業務を行ってしまっておりますが、おそらくその道のプロであれば必要ないかもしれない検査を行っている点は否定できないかと思います。
日頃、「いつもどうり」やっていることを、チョット見直すことで、もしかしたら劇的に業務がスムースに行くこともあるのかもしれないと思います。

来年も是非、寺沢先生の御講演をお聞きする機会がいただけたら良いと思いますが、そこは主催者の皆様次第でしょうか?若手医師セミナーのアンケート回答権のある皆様、是非その点をよろしくお願いいたします。(前回参加してないブログ作者にはおそらくアンケート回答権利ないと思われます)

2009年10月14日水曜日

1000カウント突破!!ありがとうございます

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログも本年10月で3周年を無事迎えることができました。

これも、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの読者の皆様のお陰かと思います。

だれかが見て、読んでいただける喜びをかみ締めつつ、ここまでやってこれました。

3周年を記念いたしまして、設置させていただいた右上「カウンターガジェット」

設置から約10日間で1000カウントを突破いたしました!!

今後も、読者の皆様に訪れていただけるようなブログに充実させていこうといろいろと考えております。

これからも末永く、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
 
                            さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ管理人より

2009年10月13日火曜日

COPD治療 現在の治療の主役はスピリーバ

日本は資本主義社会の国ということになっております。

そのため、製薬会社は実際に実際に使用する、医療従事者よりも先に、株主もしくは株主となる可能性のある人々に向けての情報提供を、すばやく行う必要があるのでしょう。

そのため、私ども医療業界で働いているものよりも先に、「プレスリリース」という形で、製薬会社の有望な薬剤についての臨床研究結果が発表されるようです。この情報がどれくらい有効活用されているのかは存じ上げませんが。

COPD関連の大規模臨床試験”UPLIFT"の結果が、”NIKEI NET"に出ておりました。

ファイザーなど、50歳以下のCOPD患者の呼吸機能低下をスピリーバが抑制などデータ解析結果を発表スピリーバ(R)が50歳以下のCOPD患者の経年的な呼吸機能低下を有意に抑制

大規模臨床試験UPLIFT(R)(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)データのpost-hoc解析の結果、スピリーバ(R)(一般名:チオトロピウム)が50歳以下のCOPD患者で、呼吸機能の経年的な低下を有意に抑制し、また健康関連QOLを有意に改善したことが、欧州呼吸器学会(ERS)年次総会で発表されました。4年間の試験期間を通じ、スピリーバ(R)の投与を受けた50歳以下のCOPD患者の呼吸機能の経年的な低下量は、同年代のコントロール群の患者に比べ34%改善しました(気管支拡張薬投与後FEV1〔ピークFEV1〕の低下量:スピリーバ(R)群が38mL/年、コントロール群が58mL/年, P=0.01)」「」内引用です。

2009年10月現在の日本で、COPDに対して使用されている薬剤の中で、やはり一番手にあがるのがこの「スピリーバ」でしょう。実際に、処方させていただいている患者のみなさんよりも、処方継続希望の多い薬剤でることからも実感いたしております。

患者自信が有効性を自覚できるという薬剤は、なかなかCOPD領域ではないのかもしれません。
ブログ作者は、副作用なども考慮して、COPDに対しての処方は?
  ①スピリーバ単剤
  ②アドエア単剤
  ③スピリーバ+アドエア
上記 ①~③に加えて、去痰剤や鎮咳剤を加えるかどうかという感じです。

その他の薬剤については、必要性を充分に考えてみるとあまり必要な薬剤はないのかなあ?と思いますが、読者の皆様はいかがでしょうか?

日本呼吸器学会の「COPD診断と治療のガイドライン第3版」はPDFファイルで全内容公開中です。

よろしかったら上記PDFファイルを参照してみてください。
ブログ作者は、「ガイドライン」というものはあくまで参考であって、必ずしもガイドラインに沿った治療を行わなければならないとは思いません。

2009年10月11日日曜日

COPD治療のさらにその次(近未来)”LAMA/LABA配合剤”

先ほど、新しい”LABA”である”indacaterol"についての記事を書かせていただきましたが、なんとさらに「その次」の治療薬がCOPD領域ですでに開発中のようです。

まあ、情報をどのように手に入れるかで、いろいろと左右されてしまう世界かもしれません。

ちなみにブログ作者はどのようにこれら「新薬」の情報を手にいてれいるのか?

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの右側ガジェットにある「最新医療ニュース」で手に入れております。

googleの膨大なニュースWEB SITEから、本ブログで指定した「キーワード」に関連した最新医療ニュースが自動的に配信されてきます。ためしにキーワードをクリックしてみてください!!最新の医療ニュースが24時間随時更新されていますよ。

で、本題の”LAMA/LABA”合剤のニュースです。

(上記URLで「そーせい」WEB SITEにつながります)
QVA149は、2005年4月に当社グループがノバルティス社(スイス)にライセンス・アウトした長時間作用型ムスカリン拮抗薬のNVA237と、ノバルティスの長時間作用型β2刺激薬(LABA)であるindacaterolを固定用量で配合した慢性閉塞性肺疾患(COPD)向けの治療薬です。
NVA237(LAMA)とindacaterol(LABA)は共に1日1回吸入の気管支拡張剤ですが、肺の異なる受容体に作用するため、配合剤とすることでより優れた作用が期待されます。この疾患領域において初の1日1回投与型LAMA/LABA配合剤になるものと見込まれています。」

”LAMA"とはなんぞや?とおもいましたが、「長時間作用型のムスカリン受容体拮抗薬」とのことのようです。

初めて聞く言葉については「略語」は難しいですが、こういったものにも慣れていくことが必要なのでしょう。

先ほど紹介した”INDACATEROL"が先に日本の市場にでてから、LAMA/LABA合剤としても出るのか?

それとも日本市場では”LAMA/LABA合剤”のみを発売するのか?

全ては「ノバルティス社」次第なのかもしれません。

COPD治療の次なる主役か?”INDACATEROL"

2009年10月11日現在の日本のCOPD診療で、おそらく最も使用されている薬剤は

スピリーバR(チオトロピウム)でしょう。

一日1回の吸入薬で、スピリーバ発売以前の吸入薬剤よりも、劇的な臨床効果を発揮し、にCOPD診療に与えるインパクトは大きいものでした。

さいたま赤十字病院呼吸器内科でのCOPD診療でも、「スピリーバ」は無くてはならないものとなっております。おそらく処方頻度No.1と思われます。

ただし、スピリーバも欠点が無いわけではなく、「抗コリン剤」という薬剤の性質上、「緑内障」や「前立腺肥大症」などを合併されている方々にしようすることが難しい薬剤でした。それでも、有用な薬剤であることは間違いありませんでした。

その「スピリーバ」に、対抗してスイスのノバルティス社がβ2アゴニストという「セレベント」と同様の薬理作用を持つCOPD用の薬剤の開発に成功?しているようです。
LABA:long acting β2 Agonist:と言われる薬剤は、喘息領域でも使用されておりますが、COPD領域でも現在も使用されております。日本では現在「セレベント」もしくは「アドエア」(吸入ステロイドとの合剤)の形で発売、使用されております。
今年度中には、”formoterol”という薬剤も使用可能になるとかならないとか。。。

でも、COPD領域でのLABAは、今回ご紹介する薬剤が「本命」なようですね。

ノバルティス、吸入気管支拡張薬「QAB149」がCOPDの呼吸機能などを改善

新たなデータによると、QAB149(=indacaterol)はチオトロピウムに比べ、より多くのCOPD患者さんで、息切れ症状に対して臨床的に意味のある改善を示した。QAB149はチオトロピウムに比べ、COPD患者さんが急性の重度な息切れに対して使用する症状緩和薬を必要としない日数を20%増加させた。QAB149の1日1回投与は、複数の第III相試験データにより、臨床的に意味のある気管支拡張作用が24時間持続し,かつ投与後5分以内に効果が発現することが裏付けられた。」
「」内上記WEB SITEからの引用です。

プレスリリースなんて普段、あんまりお見かけいたしませんが、製薬会社が最初に情報提供する場所は、「株式関係」なのでしょうか?インサイダー取引とかの問題があるからここら辺は仕方ないかもしれませんが、呼吸器内科医のもとに届くようにしてほしいものです。

で、本題ですが、この”indacaterol”という薬剤は”tiotropium"と比較して、COPD患者で、「息切れ症状」の改善、「トラフFEV1.0」の改善などで有意
なようです。さらに、効果発現が約5分というのですから、今後発売予定の”formoterol"よりもβ2アゴニストとしての有効性も高そうですね。

まだまだ日本では、開発中なのでしょうけれでも、新薬については、「良い面」だけでなく「悪い面」についての情報も十分に
吟味していかなければなりません。

でも、COPD患者さん方には福音となるかもしれない”INDACATEROL”。覚えておいても損はないのではないでしょうか?

2009年10月10日土曜日

β-Dグルカン、ガラクトマンナン抗原by吉田耕一郎先生

非常にわかりやすく、β-Dグルカンやガラクトマンナン抗原について解説していただきましたが、

とても内容豊富なため、チョットメモ取りきれませんでした。

ポイントは?

ガラクトマンナン抗原のCOI:Cut Off Indexは0.5だが、これは主に血液内科領域での侵襲性アスペルギルス症の早期診断のためのもの。

血液疾患でのガラクトマンナン抗原COI:0.5では→感度97.4%、特異度90.5%:あくまでも血液疾患

呼吸器疾患ではどうか?はさらに検討が必要とのこと。

BALF中ガラクトマンナン抗原:肺アスペルギルス症で
      COI:0.5→感度100%、特異度78%
      COI:1.0→感度100%、特異度88%
とのこと。これはつかえるかも。

β-Dグルカンの測定方法は4種類
   MK法、ワコー法、マルハ法、ファンギテル
それぞれにCOIなど違っているので、いろいろと大変。

原因不明のβ-Dグルカン異常高値症例があるがいまのところ原因不明のよう。

もう少し、時間をかけてお聞きしたい内容だった。    
  

呼吸器感染症の画像診断by酒井文和先生

画像診断領域は、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者のとても不得意といするところ(自慢することでは決したありませんが)なので、ホンの少しのみです。

①COP/EPパターンを呈する疾患
  ・Cryptogenic organizing pneumoniae
  ・Chronic eosinophilic penumoniae
  ・感染性肺炎
  ・肺クリプトコックス症
  ・抗酸菌感染症:TB、NTMなど
  ・細気管支肺胞上皮癌(BAC)
  ・悪性リンパ腫
  ・転移性肺腫瘍

②免疫状態により、感染性肺疾患の画像所見はたとえ同一疾患であっても全く異なる画像所見を呈する可能性がある

③一般的には 非感染性疾患:非区域性分布
          感染性疾患:区域性分布、気道病変

以上です(あんまり勉強できていないかも。。。反省)

感染症診療での身体所見バイタルサインのポイントby徳田安春先生

第83回日本感染症学会サテライトセミナー勉強内容その2

☆感染症診療での身体所見バイタルサインのポイント:徳田安春先生

①ショック+頻呼吸(RR>30/min)→敗血症性ショックを示唆

②軟部組織感染症で水泡+握雪感→壊死性軟部組織感染症→外科的デブリドメント+SEPSISのmanagement

③中等度の悪寒+RR>30/min→敗血症を示唆

④糖尿病での注意すべき感染症
   壊死性軟部組織感染症、気腫性腎盂腎炎、気腫性胆嚢炎など

⑤”⊿心拍数20ルール”:体温が1℃上昇するごとに心拍数が20/min以上の上昇が見られれば細菌感染症を示唆する
     ⊿HR/⊿BT>20→bacterial infectionを示唆

⑥Jolt Accentuation of Headache:患者に首を左右に7回程度動かしていただき、頭痛の増強があれば陽性→髄膜炎の感度のとても高い身体所見

⑦腰椎穿刺をする前に、頭蓋内圧亢進がないことを確認する徴候は?
  眼底所見で網膜中心静脈拍動があれば腰椎穿刺可能か?

⑧市中肺炎でPan(holo)-inspiratory crackles→細菌性肺炎疑い
         late-inspiratory crackles→異型肺炎の可能性
    上記は以前、本ブログでも紹介(過去記事ご参照ください)
   
⑨原因不明のリンパ節腫脹:結核、悪性腫瘍を忘れずにチェック!!


以上、徳田安春先生の御講演のブログ作者のまとめでした

薬剤感受性検査のポイントと落とし穴!by 佐竹幸子先生

本日、2009年10月10日に新宿京王プラザホテルで開催されました、
第83回日本感染症学会総会サテライトセミナーに参加いたしてまいりました!!

杏林大学呼吸器内科の先生方の、ご苦労・ご準備で非常に勉強になる会でした。

本日の勉強内容のおさらい(日常臨床で記載内容を使用される場合には、教科書などで再確認をお願いいたします)

☆薬剤感受性検査のポイントと落とし穴!!:群馬大学佐竹幸子先生
   ・Enterococcus SPP.はセファロスポリン、ST合剤、クリンダマイシンは臨床的に無効!!検査室で”S”と判定される場合があるが、(しかも”S"と報告される場合すらあるが)ゼッタイに臨床症例での使用はしてはならない!!ブログ作者注:Enterococcus SPP.に使用可能な抗菌剤は:PCG、ABPC、リネゾリド、VCMなど

①Salmonella SPP. Shigella SPP.には1st、2nd cephalosporin、セファマイシン系は無効!!
 検査室から上記薬剤が”S"と報告されても臨床での使用はしない。
 上記菌種が血液培養から検出されたら:ABPC、Fluoroquinolon,ST合剤、Chloramphenicol(まず使わない)、3rd cephalosporin。

②ESBL産生が問題となる菌種は:PEK
  Proteus mirabilis,Escherichia coli,Klebsiella penumoniae
  ESBL産生が推定される状況は?→3rd cephalosporinやAZT、PIPCなどにひとつでも”R""I"の薬剤があればESBL産生が疑わしい!!→安全に治療可能な薬剤は「カルバペネム系」
 ブログ作者注:おそらく「カルバペネム系」の数少ないゼッタイ適応菌種のひとつか?

③BLNAR:βラクタマーゼ陰性ABPC耐性インフルエンザ桿菌
  3rd cephalosporinの適応菌種?セフトリアキソンでの治療可能。
 インフルエンザ桿菌は3種類に分ける→ABPCが有効な「βラクタマーゼ産生しないタイプ」、ABPC/SBTが有効な「βラクタマーゼを産生するタイプ」(日本では数少ないそうです)、BLNAR:βラクタマーゼ産生しないのにABPCが効かないタイプ(PBPの変異による耐性)

④ampC調節遺伝子の変異→発現による獲得耐性機序を有する菌種
 ・Enterobacter SPP.、Citrobacter SPP.、Serratia SPP.
 当初は3rd cephalosporinなどに感受性を示すが、しばらく抗菌剤治療を継続していると、ampC遺伝子が発現して獲得耐性となってしまう菌種!!

⑤Salmonella SPP.の治療がFluoroquinoronesでうまく行かないときには?
 Nalidixic acidの感受性を調べて、”R"であれば、Fluoroquinoroneによる治療はうまく行かないかも。

以上で、薬剤感受性の勉強内容のブログ作者的ポイントまとめ終了です。

10/23第496回呼吸器臨床談話会のお知らせ


さいたま赤十字病院呼吸器内科の松島先生が、司会を勤める呼吸器臨床談話会もあと3回になりました。

毎回、関東地方の呼吸器臨床を頑張っている施設から持ち寄られた症例の呈示、20分間の勉強になるミニレクチャーの構成で行われる呼吸器臨床談話会ですが、次回はさいたま赤十字病院呼吸器内科レジデントの先生が症例プレゼンテーションをしてくれることになりました!!

どのような症例なのかは、10月23日まで楽しみにお待ちください!!

皆様の勉強になるプレゼンテーションをしてくれることを期待しております。

参加者の皆様からのどのような質問にも耐えられるよう今から修行していただいております。

皆様のチャレンジをお待ち申し上げております。

第496回呼吸器臨床談話会

開催日:2009年10月23日金曜日

場所:田辺三菱製薬東京本社:上記地図をご参照ください(田辺三菱製薬東京本社WEB SITEよりお借りいたしました)

開催時間:午後6時30分開始

参加費:1000円:お弁当でますよ

2009年10月9日金曜日

埼玉県産の新型インフルエンザワクチン出荷開始!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ作者は知りませんでしたが、埼玉県で「新型インフルエンザ」ワクチン生産されていたんですね!!

でも、埼玉県の方々が「優先」となるわけではありませんので、ご了承ください。

みんなが平等にワクチン接種受けられるように、さいたま赤十字病院でも準備中でございます。

新型インフル、国産ワクチン初出荷

(YOMIURI ONLINEより)

「国産の新型インフルエンザワクチンの出荷が9日、始まった。初日に出荷されたのは国内メーカー3社の計59万人分。

 埼玉県北本市の北里研究所生物製剤研究所では、1ミリ・リットル(1人分)の小瓶に入ったワクチン9万3000本が、冷蔵庫からトラックに積み込まれ、販売会社を経由して、各地の医療機関に発送された。」

埼玉県北本市の北里研究所で産生された、「新型インフルエンザワクチン」。

日本中皆様のワクチン接種に貢献されているんだなあと妙に感心してしまいました。

いまだに、「新型インフルエンザワクチン」の接種を患者さんたちにご案内する予定はたっておりません。

ちなみに、「季節性」のインフルエンザワクチン接種は10月19日(月曜日)から、さいたま赤十字病院では開始されますが、基本的に一般の皆様の「インフルエンザワクチン接種」の予約は受け付けておりませんので、ご了承ください。

2009年10月8日木曜日

本ブログで紹介させていただく「記事・内容」募集中!!

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログも、読者の皆様のおかげで3周年を迎えることができました!!

本ブログの認識度も、さいたま赤十字病院にかかわる皆様だけでなく、医療関係者、患者の皆様を中心に、だいぶ広まってきたように思います。

これまで、支えていただきました、皆様への恩返しの意味もこめて、本ブログで皆様の宣伝したい内容や記事、テーマなどを募集させていただきます!!

ただし、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログの内容にふさわしいものをお願いいたします。

あまりにも、かけ離れたものについては、残念ながら掲載をおことわりさせていただく場合もございます。

例としては、「地域で勉強会をするので、さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログで宣伝してほしい」など。

皆様のご要望については、「コメント」欄に記載いただけましたらブログ作者のメールに自動的に転送されます。是非ご利用をお待ち申し上げております。

「皆様のさいたま赤十字病院の認識は?」アンケート中間報告!




どうなることかと思っていた、さいたま赤十字病院呼吸器内科アンケート!

現在のテーマは「皆様のさいたま赤十字病院の認識は?」です。

とりあえず、中間報告をどうぞ!!

今まで知らなかった。。。
2 (7%)
病院名どこかで見聞きしたことある
2 (7%)
よく知っている
13 (50%)
受診したことがある
9 (34%)
臨床研修病院として有名である
9 (34%)
救急病院として有名である
11 (42%)
癌拠点病院として有名である
10 (38%)
なんの特徴も無い。。。
0 (0%)
よくわからない。。。
0 (0%)

投票を変更する
現在までの投票数: 26
投票終了までの日数: 23

まだ、はじまって1週間ですし、なんともいえませんが、とりあえず皆様一応「さいたま赤十字病院」を認知していただいている方々が多くホットいたしております。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログという「そのまんま」の名前のブログのアンケートで「知らない」人ばかりだとチョット残念な感じになってしまいますが幸いまのところ作者の予想どうりの展開となっております。

まだまだあと26日間永遠と続くアンケートです。

右側ガジェットで投票受付中ですので、お立ち寄りの際に是非、一票お願いいたします。

これからもアンケート結果など参考に、読者の皆様に支持される内容を目指し鋭意努力いたしてまいります。