2009年10月27日火曜日

医療の限界

さいたま赤十字病院呼吸器内科の読者の皆様は、以前のアンケート結果から、「患者」の皆様や「患者家族」の方々、医師や研修医、その他医療従事者の皆様などさまざまな職業・立場の方々であると思います。

皆様方がそれぞれの立場で「医療」に対する「思い」や「信念」「希望」「絶望」などいろいろなことを感じていらっしゃるのではないかと思います。

ブログ作者は最近は「医療の限界」を常々感じている次第です。

医療は「万能」ではない。アタマではわかっているつもりでも、現実を突きつけられると、医療従事者としては「無力感」を感じざる終えないのも真実かと思います。

若手の医療従事者の方々は、おそらく「医療」に「希望」「願望」を見出すことに努力されているかもしれません。
また、「患者」の皆様も、医療に自分の生きる「希望」をかけていらっしゃるかもしれません。

しかし、現実には、多くの医療従事者が医療に「絶望」を感じる場面があるのではないかと思います。

目の前の「患者」の皆様に対してどうすることもできない事態.
長年医療従事者をやっていると誰しもそのような経験をされているのではないかと思います。

医療従事者は決して「神」ではないのです。
自分自身の実力を十分に把握して、絶対に「無理をしない」ことが求められます。

自分の能力を大きく超えたことをしようとするときに、ヒトは大きな過ちをすることになるのではないでしょうか?

ただし、日々の努力により、自分の能力のレベルアップをはかることは最低限必要ではないかと思います。
「昨日」知らなかったこと、できなかったことが、「今日」ひとつでも知ること、できることになれば、その積み重ねにより日々進歩していくことができると信じております。

医療従事者は一生勉強の日々である所以はこのようなところからきているのではないかと常日頃考えております。

自分自身が提供できる「医療の限界」は「自分の限界」によって規定されております。
自分の能力のレベルアップ以外には提供できる「医療の限界」は拡がりませんね。

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