新型インフルエンザ騒動で、供給不足が続いておりました、肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」ですが、
昨日、薬剤部より、新たな入荷があり、接種再開が可能となった旨、連絡がありました。
マスコミ報道などで、一部の方々から「肺炎のワクチン」ありませんか?というお問い合わせが、呼吸器内科外来でもございますが、「肺炎そのもののワクチン」というものは、この世に存在いたしません。
あくまでも「肺炎球菌」という市中肺炎(病院とか、医療機関、入所施設などに入っていない方々がなる肺炎をまとめて「市中肺炎」と呼びます)で、一番頻度の高い原因菌に対しての免疫力を確保するためのワクチンです。
なので、肺炎球菌ワクチンを接種しても、残念ながら「肺炎にならない」わけではありません。
また、ワクチンの有効性は個人差があります。8000円(+消費税)を払って接種していただいても、全員がメリットを享受できるかというとそうではありません。一部の方々は、ワクチン接種によっても、免疫力が得られない場合が考えられます。ただし、免疫力が獲得できたかどうかを調べる検査は、さいたま赤十字病院ではおこなえません。
なので、肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」を接種されることを希望される方々は、必ず「パンフレット」を熟読していただき、「メリット」、「デメリット」、「コスト」の3点を充分に考慮していただき、接種申し込みをお願いいたします。
ただし、「脾臓摘出術」後の方につきましては、「健康保険の適応」がございます。このような場合にはできる限り接種するほうがよいのではないかと思います。
全ての「ワクチン」について、言えることですが、ワクチンは接種すればなにかその病原体の感染症を全て防いでくれるような"イメージ”をもたれている方々がいらっしゃいますが、残念ながらそのような期待はやや過剰な期待ではないかと思います。
「インフルエンザ」や「B型肝炎」などのワクチンでも、一部の方々は免疫力が獲得できないことがわかっております。なので、ワクチンを接種したからと言って「もう大丈夫」とはならないのです。
でも、「インフルエンザ」についても、「B型肝炎」についてもブログ作者は「ワクチン接種」を推奨させていただきます。
特に「新型インフルエンザ」のワクチンは可能な限り多数の人が接種を受けるべきだと思います。
それはなぜか?
社会の中の多くの方々が「新型インフルエンザ」に対してのワクチン接種を行っていただくことにより、「新型インフルエンザ」に対しての「免疫力」を持っている状態の方々の数が莫大に増加することになります。
免疫力を持っている方々がとても増えれば、社会全体で「新型インフルエンザ」の流行・蔓延を阻止することが理論上可能です。
そうなれば、「アレルギー体質」の方々でそもそもワクチン接種をできないヒトや、何回接種しても免疫力が獲得できない方々や、免疫不全の方々などの「インフルエンザ弱者」の方々に感染が及ぶ機会・可能性を極力減らすことができるからです。
なので、ブログ作者の元に、新型インフルエンザワクチンの接種機会が訪れた場合には、躊躇せずにすぐ「接種します!」と手を挙げようかと思っております。
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