2009年10月7日水曜日

ウイルスに抗菌剤は効きません!!

これは、記事を書いている記者の方の認識・知識の問題かもしれませんが、このようなタイトルの報道を、一般の方々がご覧になることを思うと心が痛くなります。

さいたま赤十字病院呼吸器内科ブログ読者の皆様は賢明な方々ばかりかと思いますので、いまさら説明する必要はないかもしれませんが、「抗菌剤」がターゲットとしているのはあくまでも「細菌」であって、「抗菌剤」は「ウイルス」には全くもって効果がありません!!

新型インフル防ごう 宮島のフェリーに抗菌剤
(中国新聞WEB SITEより)
「廿日市市の宮島を発着するフェリーを運航する宮島松大汽船は28日、新型インフルエンザの感染防止対策の一環として、フェリー船内の座席や手すりに抗菌剤噴霧を始めた。宮島観光協会の呼び掛けに応じて実施。これから本番を迎える秋の行楽シーズンに備える。」(「」内引用です)

とのことです。まず、「インフルエンザ」は「ウイルス感染症」ですので、「抗菌剤」ではなく「抗ウイルス剤」(もしくは「消毒剤」)とすべきでしょう。また、座席や手すりから「インフルエンザ」がゼッタイに感染しないということは誰にも言えませんが。。。
もし感染するとすれば、手すりや座席に「手」が接触して、その「手」から感染が伝播する可能性はあると考えますが、そうであれば「手」を洗う(もしくは消毒する)ということでよい気がするんですが。。。

感染制御学や消毒剤に詳しい専門家の方々は、このような接触感染予防のための「抗菌剤?噴霧」を推奨されているのでしょうか?

もし、このように『座席』や『手すり』を「抗菌剤」で消毒しなければ「新型インフルエンザ対策」が十分でないのなら、「通勤電車」などはとてもコワくて乗ってられませんね。

基本的には『インフルエンザ』は『接触感染』ではなく、『飛沫感染』となっていると思います。
全く「接触感染」の要素がないとは思いませんが、頻繁に「手を洗う」ことなどで十分に対処可能なのではないかと思います。

イヤ、私は「新型インフルエンザ」は『接触感染』が最も重要だ!とか「新型インフルエンザ対策にこの『抗菌剤』(抗ウイルス剤でも消毒剤でもない)の噴霧」はとても必要だと思われる専門家の方々いらっしゃいましたらこっそりとブログ作者にいろいろとご教授いただけましたら幸です。

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