2009年10月11日日曜日

COPD治療の次なる主役か?”INDACATEROL"

2009年10月11日現在の日本のCOPD診療で、おそらく最も使用されている薬剤は

スピリーバR(チオトロピウム)でしょう。

一日1回の吸入薬で、スピリーバ発売以前の吸入薬剤よりも、劇的な臨床効果を発揮し、にCOPD診療に与えるインパクトは大きいものでした。

さいたま赤十字病院呼吸器内科でのCOPD診療でも、「スピリーバ」は無くてはならないものとなっております。おそらく処方頻度No.1と思われます。

ただし、スピリーバも欠点が無いわけではなく、「抗コリン剤」という薬剤の性質上、「緑内障」や「前立腺肥大症」などを合併されている方々にしようすることが難しい薬剤でした。それでも、有用な薬剤であることは間違いありませんでした。

その「スピリーバ」に、対抗してスイスのノバルティス社がβ2アゴニストという「セレベント」と同様の薬理作用を持つCOPD用の薬剤の開発に成功?しているようです。
LABA:long acting β2 Agonist:と言われる薬剤は、喘息領域でも使用されておりますが、COPD領域でも現在も使用されております。日本では現在「セレベント」もしくは「アドエア」(吸入ステロイドとの合剤)の形で発売、使用されております。
今年度中には、”formoterol”という薬剤も使用可能になるとかならないとか。。。

でも、COPD領域でのLABAは、今回ご紹介する薬剤が「本命」なようですね。

ノバルティス、吸入気管支拡張薬「QAB149」がCOPDの呼吸機能などを改善

新たなデータによると、QAB149(=indacaterol)はチオトロピウムに比べ、より多くのCOPD患者さんで、息切れ症状に対して臨床的に意味のある改善を示した。QAB149はチオトロピウムに比べ、COPD患者さんが急性の重度な息切れに対して使用する症状緩和薬を必要としない日数を20%増加させた。QAB149の1日1回投与は、複数の第III相試験データにより、臨床的に意味のある気管支拡張作用が24時間持続し,かつ投与後5分以内に効果が発現することが裏付けられた。」
「」内上記WEB SITEからの引用です。

プレスリリースなんて普段、あんまりお見かけいたしませんが、製薬会社が最初に情報提供する場所は、「株式関係」なのでしょうか?インサイダー取引とかの問題があるからここら辺は仕方ないかもしれませんが、呼吸器内科医のもとに届くようにしてほしいものです。

で、本題ですが、この”indacaterol”という薬剤は”tiotropium"と比較して、COPD患者で、「息切れ症状」の改善、「トラフFEV1.0」の改善などで有意
なようです。さらに、効果発現が約5分というのですから、今後発売予定の”formoterol"よりもβ2アゴニストとしての有効性も高そうですね。

まだまだ日本では、開発中なのでしょうけれでも、新薬については、「良い面」だけでなく「悪い面」についての情報も十分に
吟味していかなければなりません。

でも、COPD患者さん方には福音となるかもしれない”INDACATEROL”。覚えておいても損はないのではないでしょうか?

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